無機機能材料工学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機機能材料工学
科目番号 62013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 2nd-Q 週時間数 4
教科書/教材 機能性セラミックス化学(朝倉書店)
担当教員 藤林 将

到達目標

 本科目では特に機能性材料に焦点をあて、その合成プロセス、合成された材料の分析手法、各種材料の性質についての知見を深める。
 最終的な目標は以下の3点である。
(1) 機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができる。
(2) 合成された機能性無機材料の分析手法に関して技術的観点からの説明ができる。
(3) 合成された機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができる。
そして、合成プロセス及び合成された機能性無機材料の特性との関係を分析し、特性向上のために必要な方策を提案できるきっかけをつかむことが目標である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(1)機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができ、多数の材料に適用でき、性能向上の方策を提案できる。機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができ、2,3の材料に適用できる。機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができる。機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができない。
評価項目(2)機能性無機材料の分析手法に関して説明ができ、多数の材料に適用でき、性能向上の方策を提案できる。機能性無機材料の分析手法に関して説明ができ、2,3の材料に適用できる。機能性無機材料の分析手法に関して説明ができる。機能性無機材料の分析手法に関して説明ができない。
評価項目(3)機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができ、多数の材料に適用でき、性能向上の方策を提案できる。機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができ、2,3の材料に適用できる。機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができる。機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【第2学期開講】★生産システム工学専攻と共通
機能性無機材料(金属材料・半導体材料・セラミックス材料)は生活・産業に使用されているさまざまな機器や生産設備に組み込まれ快適で効率的な社会を支えている。本科目では、機能性材料の合成手法や物理的性質に触れ、それらの機構を理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
 本科目は本科の無機材料工学Ⅰ、Ⅱとの関連が強いため、復習しておくことが望ましいです。上述のように機能性無機材料は金属・半導体・絶縁体と広範囲にわたっており、材料ごとに多種多様な特性を示します。みなさんには関連書物をしっかり読み、授業を受け、レポートを作成する過程で、機能性材料に興味をもち、自ら学習して新しい知見を得ることの喜びを知り、本格学習へのきっかけをつかんでもらいたいと思います。
注意点:
補助教材:はじめて学ぶセラミック化学(日本セラミックス協会編)
学期内に成績を再評価する場合があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 01 ガイダンス「無機機能材料の導入」
02 無機化学の復習(1)
・身の回りの製品の中に用いられている無機機能材料の種類と応用分野について概要を説明し、興味ある分野の調査ができる。
・無機材料に関連する基本的な無機化学の理論について説明できる。
10週 03 機能性材料の基礎(1)
04 機能性材料の基礎(2)
・結晶構造について対称性の観点から概要を説明できる。
・セラミックスや結晶・薄膜の作製方法について説明できる。
11週 05 機能性材料の基礎(3)
06 機能性材料の構造(1)
・セラミックスを学ぶうえで重要な状態図の考え方を説明できる。
・セラミックスの微細構造とそれが特性に及ぼす影響についての概要を説明できる。
12週 07 機能性材料の分析手法(1)
08 機能性材料の合成プロセス(1)
・セラミックスの結晶構造の解析に利用されるX線回折の原理および測定方法を説明できる。
・セラミックスの微細構造観察に利用される電子顕微鏡の原理および測定方法を説明できる。
・セラミックスの熱的安定性の評価に利用される熱分析の原理および測定方法を説明できる。 
・機能性セラミックス原料粉末の種々の合成プロセス・成形プロセスとそれらが物性に及ぼす影響について説明できる。
13週 09 機能性材料の合成プロセス(2)
10 機能性材料の特性(1)
・機能性セラミックスの種々の焼結プロセスの基礎となる拡散現象について説明できる。
・機能性セラミックスの種々の焼結プロセスとそれらが物性に及ぼす影響について説明できる。
14週 11 機能性材料の特性(2)
12 機能性材料の特性(3)
・誘電セラミックスの性質とその用途について説明できる。
・導電セラミックスの性質とその用途について説明できる。
15週 13 機能性材料の特性(4)
14 機能性材料の特性(5)
・構造セラミックスの性質とその用途について説明できる。
・環境・エネルギー・医療分野のセラミックスの性質とその用途について説明できる。
16週 15
"全体の学習事項のまとめ"
試験問題の解説を通じて特に重要部分、誤答が多かった部分を復習し、説明できる。
特に重要部分の復習や講義全体の流れについて説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
知識の基本的な理解5050
思考・推論・創造への適用力5050
態度・志向性(人間力)00