量子力学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 量子力学
科目番号 62015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 1st-Q 週時間数 4
教科書/教材 「工学系のための量子力学(第2版)」 上羽弘 著(森北出版) 
担当教員 仙波 伸也

到達目標

①量子力学の生まれた背景を理解し、シュレディンガー方程式を説明できる。
②ポテンシャル問題に対して、シュレディンガー方程式を適用し、状態解析ができる。
③量子効果を活用した技術を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目 安(可) 未到達レベルの目安
評価項目1古典的な波動方程式からシュレディンガー方程式を導出でし、自由粒子問題を説明できる。自由粒子について、シュレディンガー方程式を用いた解法を説明できる。量子力学の生まれた背景について1つ以上理解し、シュレディンガー方程式を説明できる。シュレディンガー方程式を説明できない。
評価項目23つ以上のポテンシャル問題に対して、シュレディンガー方程式を適用し、状態解析ができる。2つ以上のポテンシャル問題に対して、シュレディンガー方程式を適用し、状態解析ができる。1つ以上のポテンシャル問題に対して、シュレディンガー方程式を適用し、状態解析ができる。ポテンシャル問題に対して、シュレディンガー方程式を適用し、状態解析ができない。
評価項目3量子効果について、3つ以上の事例を用いて説明できる。量子効果について、2つ以上の事例を用いて説明できる。量子効果について、1つ以上の事例を用いて説明できる。量子効果について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近年の微細加工技術の進展によるデバイス寸法の微小化に伴い、その動作には当然量子現象が現れてくる。逆に量子現象を利用したデバイス(量子効果デバイス)の開発も進められている。これらの動作の正しい理解には量子力学の知識が必要である。本授業では、量子力学の基礎的知識を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを課します。
数学的な手続きはできる限り省略(プリント配布で対応)し、導出過程(考え方)及び数式から読み取れることに関する説明に注力します。
注意点:
数学、物理の知識が重要です。半導体工学の基礎知識を持っていることが望ましいです。
近年ではナノテクノロジーという言葉をよく耳にしますが、ナノの世界での現象を理解するためには、粒子の波動性が重要になってきます。目には見えない現象を取り扱うので、想像力が大切です。導出した解が教えてくれ意味を読み取れる力をつけましょう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 古典力学の限界
量子力学の基礎①
量子化が導入された背景を学び、量子化の考えが必要になる現象のスケールを説明できる。
波動の基本的性質について説明できる。
2週 量子力学の基礎②
自由粒子と量子閉じ込め①
シュレディンガー方程式と波動関数について説明できる。
シュレディンガー方程式を閉じ込められた1次元自由粒子に適用し、固有状態について分析することができる。
3週 量子力学の基礎③
自由粒子と量子閉じ込め②
量子力学における物理量を示す固有値、期待値について説明できる。
モデルを1次元から3次元に拡張し、縮退について検証できる。
4週 量子力学の基礎④
井戸型ポテンシャルと量子井戸①
演算子の交換関係と物理量の観測との関係について説明で きる。また、不確定性原理について説明できる 。
シュレディンガー方程式を井戸型ポテンシャル問題に適用し、境界条件について説明できる。
5週 井戸型ポテンシャルと量子井戸②
トンネル効果①
井戸型ポテンシャル内の粒子のエネルギー準位及び波動関 数を分析し、量子効果について検証できる。
シュレディンガー方程式を山形ポテンシャル問題に適用し、確率密度の流れについて説明できる。
6週 トンネル効果②
水素原子模型①
山型ポテンシャルを透過する粒子(トンネル効果)につい て検証で、トンネル効果に関連する現象ついて説明できる。
シュレディンガー方程式を水素原子問題に適用できる。
7週 水素原子模型②
量子効果ナノデバイス
水素原子内の離散的な電子の状態について説明できる。
量子効果の応用性について理解し、量子力学の必要性を説明できる。
8週 期末試験
試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合60000040100
知識の基本的な理解3000002555
思考・推論・創造への 適用力3000001040
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000055
総合的な学習経験と 創造的思考力0000000