光物性基礎論

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 光物性基礎論
科目番号 62023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 なし
担当教員 成島 和男

到達目標

1)光の波動性と粒子性について理解し、物質と光の相互作用を説明できる。
2)Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解するとともに、項目1)について体感する。
3)光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を幅広く説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1光の波動性と粒子性について本質を突いた理解でき、、物質と光の相互作用を明確に要領よく説明できる。 光の波動性と粒子性について理解し、物質と光の相互作用を説明できる。 光の波動性と粒子性について理解し、物質と光の相互作用を、教科書や授業で使用したプリントを基にして、説明できる。 光の波動性と粒子性について理解できない。
評価項目2Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解するとともに、簡単なプログラムが組める。さらに物質と光の相互作用について明瞭に体感できる。 Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解するとともに、物質と光の相互作用について体感できる。 Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解し始め、さらに、物質と光の相互作用について体感し始める。 シミュレーションの原理が理解できない。
評価項目3光電素子の動作原理を明瞭に理解し、説明することができる。さらに、光を利用した工学応用を幅広く説明できる。 光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を説明できる。 光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を、教科書や授業で使用したプリントを基にして、説明できる。 光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学期、週に2回開講する。講義と共にExcelによる実習も行う。
※実務との関係
この科目は、フォートランによる分子動力学法ソフトの開発を担当した教員が、その経験を活かし、光と分子の相互作用を題材とした分子シミュレーションの講義・実習を行うものである。加えて、企業で塗布型有機無機ハイブリッド太陽電池の開発及び試作業務も担当した教員がその経験を活かし、太陽電池などのエレクトロニクス素子の講義も行う。
授業の進め方・方法:
本講義は、まず、物質と光の相互作用について、講義を行う。そのあと、Excelを用いたごく簡単なシミュレーションを用いて、物質と光の相互作用を体感してもらうと同時に、最近、急速に発達してきたコンピュータシミュレーションについての理解を深める。さらにエレクトロニクス素子についての講義、といった幅広い内容を学ぶ。学生諸氏は、本講義の基本的な内容ももちろんだが、学問、技術は、各分野が相互に関係していることも含めて学んでもらいたい。
注意点:
教材は、プリントと絶版となった教科書を使用する。プリントは配布し、教科書は、授業中に貸与する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 概要説明/マクスウェルの方程式と電磁波 本講義の概要を説明する。/電磁波の解析の基礎となるマクスウェルの方程式を説明できる。電磁波の伝搬について、直観的、本質的な理解ができる。
2週 受光素子①/ 光の二重性 電磁波を用いた赤外線センサの動作原理や光ファイバの動作原理について説明できる。/ 光の波動性と粒子性について理解できる。光の粒子性の証拠となる光電効果について、説明できる。

3週 光とエネルギー/ ExcelによるMD計算① 前回に引き続き、光の粒子性の証拠となるコンプトン効果について、説明できる。さらに光とエネルギーの関係及び物質における光の吸収と放出と物質とエネルギーの等価性について説明できる。/ 光子と粒子からなる2分子系における、コンプトン効果について、Excelを用いたシミュレーションを実施できる。
4週 ExcelによるMD計算②/③ 1分子オリゴマー系において、分子動力学法(MD)によるシミュレーションを、Excelを用いて実施できる。/光子とオリゴマーからなる系における、コンプトン効果について、Excelを用いたシミュレーションを実施でき、光子と物質の相互作用を体感できる。

5週 ExcelによるMD計算のまとめ/発光素子① 第6回~8回の内容を総括することにより、シミュレーションの意義を納得でき、シミュレーション全般について理解できる。/蛍光灯やプラズマディスプレイ、電子ビームを用いた発光素子(CRT)の動作原理について説明できる。
6週 半導体におけるpn接合並びに発光素子②/発光素子③ 半導体の本質について理解でき、pn接合のエネルギー準位
について、その物理的背景を踏まえて説明できる。次いで、発光ダイオードの動作原理について説明できる。/光の自然放出と誘導放出について理解でき、光の増幅や、レーザ発振の原理について説明できる。
7週 受光素子②/③ 半導体受光素子の例として、Si系の太陽電池について構造と動作原理を説明できる。/Si系以外の太陽電池について構造と動作原理を理解できる
8週 まとめ/期末試験 授業のまとめを行う/期末試験を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合50000050100
知識の基本的な理解3000001040
思考・推論・創造への2000004060
0000000