解析学概論

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 解析学概論
科目番号 63009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 「新 応用数学」 高遠 節夫 他 (大日本図書)
担当教員 後藤 実,三浦 敬

到達目標

1. 基本的な複素数の関数と微分に関する計算,および正則関数の判別や写像に関する計算ができる.
2. 複素積分の定義や性質およびコーシーの積分定理を用いて,いろいろな複素積分の値を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1基本的な複素数の関数およびその微分を,正しく計算でき,写像としての複素関数が理解できる. 基本的な複素数の関数およびその微分を,正しく計算できる.基本的な複素数の関数およびその微分を,正しい手順で計算できる.基本的な複素数の関数およびその微分を,正しい手順で計算できない.
評価項目2コーシーの積分定理・積分表示を応用して,いろいろな複素積分の値を正しく計算できる.簡単な複素積分の値を,正しく計算できる.簡単な複素積分の値を,正しい手順で計算できる.簡単な複素積分の値を,正しい手順で計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
振動や交流に関する現象に限らず,様々な物理量を複素数を用いて表すことによって,実数の範囲では個別に扱われていた物理量を統一的に扱うことができるようになる場合が多々あり,理論や公式および問題解決の手法を理路整然とした一貫性のある形式にまとめることが可能となる.
 複素数から複素数への写像としての複素関数の概念や性質,および複素関数の微積分について講義する.
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートや口頭試問を実施する。各回の講義内容について教科書の該当ページを熟読し、予習した内容をまとめた予習レポートを作成すること。その後、講義を聴講して新たに分かった修正事項や宿題事項をまとめた追加資料を作成し、復習レポートとして次の講義の冒頭に提出すること。筆記試験時には締切までに提出されたこれらのレポートのみを持込可とする。
注意点:
 一般科目の数学で履修した基礎知識に基づき発展させた内容を扱うので,関連科目で履修した知識の修得が不十分な場合は講義に関連する事項の過去の知識の確認・復習が重要である.また講義後に理解が不十分な箇所があれば十分に復習し,曖昧な箇所を残したまま次回の講義に臨むことの無いよう留意すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1回:第4章 §1 1.1 複素数と極形式
2回:第4章 §1 1.2 絶対値と偏角
複素数の四則演算ができ,極形式を用いて表示することができる.
極形式を用いた複素数の計算ができる.
2週 3回:第4章 §1 1.3 複素関数 (1)
4回:第4章 §1 1.3 複素関数 (2)
複素関数としての指数関数や三角関数の計算ができる.
複素関数による写像が理解できる.
3週 5回:第4章 §1 1.4 正則関数
6回:第4章 §1 1.5 コーシー・リーマンの関係式
基本的な複素関数が微分でき,複素関数の正則性について微分可能性との相違を説明できる.
コーシー・リーマンの関係式を用いて複素関数の正則性を判別でき,その導関数を求めることができる.
4週 7回:第4章 §1 1.6 逆関数 (1)
8回:第4章 §1 1.6 逆関数 (2)
複素数の累乗根関数が多価関数であることを説明でき,その値を求めることができる.
複素数の対数関数が無限多価関数であることを説明でき,その値を求めることができる.逆関数の微分法則に基づき,累乗根関数や対数関数に関する微分公式を導くことができる.
5週 9回:第4章 §2 2.1 複素積分 (1)
10回:第4章 §2 2.1 複素積分 (2)
複素数を用いた方程式で,複素平面上の線分や曲線を表すことができる.
複素積分の定義に基づいて,複素積分の値を求めることができる.
6週 11回:第4章 §2 2.1 複素積分 (3)
12回:第4章 §2 2.2 コーシーの積分定理 (1)
複素積分の性質に基づいて,接続された積分路での複素積分の値を求めることができる.不定積分の存在に関する条件を判別でき,不定積分を用いた複素積分の計算ができる.
コーシーの積分定理を用いて,いろいろな複素積分の値を計算できる.
7週 13回:第4章 §2 2.2 コーシーの積分定理 (2)
14回:第4章 §2 2.3 コーシーの積分表示
コーシーの積分定理を用いた積分路の変形が理解でき,複素積分の値を求めることができる.
コーシーの積分表示および微分係数や導関数の積分表示を用いて,いろいろな複素積分の値を計算できる.
8週 15回:定期試験
16回:試験答案の返却・解説、アンケート実施
これまでの範囲から出題された,定期試験の問題が解ける.
試験で間違った箇所を確認し訂正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力3000002050
専門的能力3000002050
分野横断的能力0000000