材料強度学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料強度学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:材料強度学要論  小寺沢良一 著  (朝倉書店)/ 教材:初めて学ぶ基礎材料学 藤田和孝 他共著 (日刊工業新聞社)
担当教員 藤田 和孝

到達目標

(1)脆性材料の完全結晶における理想強度と,き裂材の破壊強度を解析できる(レベル4、分析)。
(2)基礎的な破壊力学的解析ができる。代表的負荷に対するマクロおよびミクロな破面解析の基礎知識を身に付け,解析ができる(レベル4、分析).
(3)応用的な疲労、クリープおよび環境破壊の基礎知識,および新材料の基礎知識を身に付け,設計できる(レベル4、分析)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目 安(可)未到達レベルの目安
評価項目1右記に加えて、脆性材料の理論的引張破壊強度を切欠き材の強度とGriffithの理論の両方から解析できる。 右記に加えて、破壊に必要となる表面形成エネルギーと塑性変形エネルギーを解説できる。 脆性材料の完全結晶における理想強度と,き裂材の破壊強度を解析できる。脆性材料の完全結晶における理想強度と,き裂材の破壊強度を解析できない。
評価項目2破壊力学とフラクトグラフィの両者から破壊解析ができる。右記に加えて、破壊力学の意義、応力拡大係数Kの物理的意味を理解し、応力とひずみを解析できる。フラクトグラフィの基礎を理解して破面解析できる。フラクトグラフィの基礎を理解して破面解析できない。
評価項目3右記に加えて、いくつかの新材料の基礎知識を身に付け,設計できる。右記に加えて、環境破壊の基礎知識を身につけ、設計できる。応用的な疲労,クリープの基礎知識を身に付け,設計できる。応用的な疲労,クリープの基礎知識を身に付け,設計できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(1) 説明 閉じる
教育目標 (D)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第 2 学期開講 
材料の破壊は一般にき裂の発生と,成長過程を経る。本講義の前半ではこのき裂発生,成長の解析に必要となるフラクトグラフィ(破面解析)と破壊力学の基礎を学ぶ。後半では実構造物の破壊の種類,特徴,評価方法ついて学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書にしたがって、パワーポイントを使い解説し、進める。
注意点:
  外力が同じでも機械を構成する部材の強さは,部材の材料が異なれば当然異なります。これは外力に対する材料の応答が材料ごとに異なるためであり,従って材料の強さを知るには力学的な面と材料学的な面の両面から学ぶ必要がある。材料強度学はこの両者の境界領域を対象としており,実用上極めて重要であり、理解できれば、材料の選択や破壊の解析に利用できる有益で面白い学問です。材料学、材料力学、基礎材料強度学の知識が必要です。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 フラクトグラフィ概説 ・破壊解析上、不可欠なフラクトグラフィの基礎を理解し概説できる。
2週 脆性破壊とき裂 ・脆性材料の理論的引張破壊強度を切欠き材の強度とGriffithの理論の両方から求めることができる。
3週 金属結晶の脆性破壊,延性破壊 ・金属結晶の脆性破壊,延性破壊のフラクトグラフィ的概説ができる。
4週 破壊力学の基礎 ・破壊力学の意義、応力拡大係数Kの物理的意味を理解し、説明できる。
5週 き裂先端の塑性域と開口変位
・破壊の条件、き裂先端の塑性域、開口変位をKを用いて計算できる。
6週 切欠効果,多軸応力下の破壊 ・切欠効果,多軸応力下の破壊について説明できる。
7週 破壊靱性 ・破壊靭性とは何か、またその必要性を説明できる。
8週 定期試験、試験返却、まとめ
2ndQ
9週 疲労寿命 ・S-N曲線、耐久限度線図を理解し、説明できる。
・Manson-Coffin則を説明できる。
10週 疲労き裂の発生と伝ぱ ・疲労き裂の発生と伝ぱのメカニズムを説明できる。
・疲労き裂伝ぱ速度の破壊力学的解析法が理解できる。
11週 疲労に及ぼす諸因子の影響 ・疲労破壊に及ぼす諸因子の影響を説明できる。
12週 高温における変形と破壊 ・クリープ曲線、デザインデータダイヤグラムについて説明できる。
・クリープ破壊について説明できる。
13週 環境破壊 ・応力腐食割れ(SCC)について理解できる。
・腐食環境下のき裂伝ぱ速度の破壊力学的解析法を理解できる。
14週 新材料の強度と破壊 ・金属ガラス、形状記憶合金について説明できる。
15週 新材料の強度と破壊 ・超弾性合金、照射効果について説明できる。
16週 定期試験、試験返却、まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】5015000065
思考・推論・創造への適用力【適用、分析レベル】2015000035
分野横断的能力0000000