トライボロジー

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 トライボロジー
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「はじめてのトライボロジー」 佐々木信也他著 (講談社)
担当教員 後藤 実

到達目標

トライボロジーの科目における到達目標レベルは次の通りである。
1)固体間の摩擦・摩耗現象の基礎が理解できる。
2)潤滑油による潤滑の基礎が理解できる。
3)簡単な機械要素の摩擦損失低減や耐摩耗性の向上を図るための方針を立案する事が出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1固体間の接触状態を考慮した摩擦・摩耗現象を定量的に理解できる。固体間の接触状態を考慮した摩擦・摩耗現象を定性的に理解できる。固体間の摩擦・摩耗現象の基礎が理解できる。固体間の摩擦・摩耗現象の基礎が理解できない。
評価項目2レイノルズ方程式を用いた動圧軸受の潤滑理論を定量的に理解できる。潤滑油に含まれる各種添加剤による境界潤滑の基礎が理解できる。潤滑油による潤滑の基礎が理解できる。潤滑油による潤滑の基礎が理解できない。
評価項目3機械要素の摩擦損失低減や耐摩耗性の向上を図るための具体的な潤滑法を複数立案し、それらの得失を理解出来る。機械要素の摩擦損失低減や耐摩耗性の向上を図るための具体的な潤滑法を立案出来る。簡単な機械要素の摩擦損失低減や耐摩耗性の向上を図るための方針を立案出来る。簡単な機械要素の摩擦損失低減や耐摩耗性の向上を図るための方針を立案出来ない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(1) 説明 閉じる
教育目標 (D)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
トライボロジーは1966年に公表されたJOSTレポートにおいて「相対運動をする2物体間の相互作用をおよぼしあう表面、およびこれに関連
する諸問題と実地応用に関する科学と技術」と定義されている比較的新しい学問領域である。トライボロジーが取り扱う対象は機械の摩擦・
摩耗のみならず、物理・化学などの自然科学の分野や材料学はもとより電気・電子工学なども含まれる学際領域の学問分野である。実際の
工業界においても、摩擦・摩耗・潤滑に関する技術課題は機械・化学・生物・地学・電気・電子などありとあらゆる業種において存在し、その
課題克服への要望は今後も絶えることはないだろう。この複雑な摩擦・摩耗現象を解明し、人類の役に立つ技術へと変えていく研究者がトラ
イボロジストであり、トライボロジストは複数の専門分野にわたる知識と広い視野そして深い洞察力と高いコミニュケーション能力が必要とさ
れる。このトライボロジーの授業をきっかけに、トライボロジーが持つ学際的な課題に取り組む面白さを感じ、広い視野と旺盛な好奇心をもったトライボロジストの卵が巣立って行ってくれることを願ってやまない。
授業の進め方・方法:
指定した専門書を教科書として使用し、対話を主とした講義形式で授業を進める。
注意点:
トライボロジーは幅広い学術分野にわたる学問であるので、各自の専門外の分野についても積極的に予習・復習を行うこと。
講義の中で理解できない点や不明な点は積極的に質問し、極力その授業中に解決するよう留意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 トライボロジーの概要 トライボロジーの歴史や位置づけ、およびトライボロジーが目指すものを理解できる。
2週 固体の表面と接触 固体表面の形状を表す粗さパラメータや固体表面層の構造と性質について理解でき、個体間の接触におけるヘルツ接触および真実接触面積の概念を理解できる。
3週 乾燥摩擦 すべり摩擦の基本法則と摩擦の凝着理論の関係について理解できる。また、摩擦の掘り起こし効果、スティックスリップ現象、および、閃光温度について理解できる。
4週 潤滑油 潤滑油の構成と、基油および添加剤の作用について理解できる。
5週 グリース グリースの構成と作用について理解できる。
6週 境界潤滑と混合潤滑 境界潤滑と混合潤滑の違いをストライベック線図を用いて理解できる。
7週 流体潤滑理論と動圧軸受 流体潤滑理論の基礎と動圧軸受への応用について理解できる。
8週 第一学期中間試験
2ndQ
9週 摩耗 摩耗形態とその解析モデルについて理解できる。
10週 トライボマテリアルと固体潤滑 トライボマテリアルの種類と固体潤滑理論について理解できる。
11週 摩擦・摩耗試験 摩擦・摩耗試験の目的と分類を理解できる。
12週 表面の計測・分析 トライボロジーにおける表面の計測・分析の目的と意義を理解し、各種計測・分析技術の基本原理と留意点を理解できる。
13週 ナノトライボロジー ミクロな領域の摩擦・摩耗現象を理解し、ミクロ現象とマクロ現象の関係について理解できる。
14週 トライボロジー最前線 トライボロジーの最新の話題について理解できる。
15週 第一学期末試験
16週 答案返却・解答解説、授業改善アンケートの実施 解答解説によりトライボロジーについてより一層理解を深められる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
知識の基本的な理解150000419
思考・推論・創造への適用力150000520
汎用的技能100000111
総合的な学習経験と創造的思考力4000001050