工学複合実験

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工学複合実験
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 0.5
教科書/教材
担当教員 吉田 政司,南野 郁夫,後藤 実,德永 敦士,碇賀 厚,春山 和男,碇 智徳,濱田 俊之,江原 史朗

到達目標

近年の技術は総合的な技術を融合・複合して新技術を生み出している。このような情勢から、専門知識を深めるだけでなく、自己の専門分野以外の技術や実験方法等の知識を得ることは、研究や仕事を遂行する上で極めて有用である。工学複合実験では各分野の専門的な実験実習を行い、各種実験方法を習得するとともに、実験結果を専門的な理論を基に解析・考察し、レポートを作成できることが到達目標である。さらに、自己の専門分野の実験においては他の学生の補助・指導・レポートの添削を行い、修得した技術・知識を再確認できることが到達目標レベルとなる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1実験の目的・原理を理解し、実験計画を立て、主体的に遂行し、実験方法を習得できる。実験の目的・原理を理解し、実験計画を立て、主体的に遂行できる。実験の目的・原理を理解し、実験計画を立て、遂行できる。実験の目的・原理を理解し、実験計画を立てることができない。
評価項目2実験結果を理論と関連付けて解析・考察し、レポートにおいて実験結果についての考察が論理的に展開されている。実験結果を理論と関連付けて解析・考察し、レポートにおいて実験結果についての考察が論理的にまとめられている。実験結果を理論と関連付けて解析・考察し、レポートとしてまとめることができる。実験結果を理論と関連付けて解析・考察することができない。
評価項目3自己の専門分野においては、他の学生に判り易くリーダーシップをもって補助・指導ができ、レポートの添削ができる。自己の専門分野においては、他の学生にリーダーシップをもって補助・指導ができ、レポートの添削ができる。自己の専門分野においては、他の学生の補助・指導およびレポートの添削ができる。自己の専門分野においては、他の学生の補助・指導およびレポートの添削ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(1) 説明 閉じる
JABEE (d)-(2) 説明 閉じる
JABEE (h) 説明 閉じる
JABEE (i) 説明 閉じる
教育目標 (E)③ 説明 閉じる
教育目標 (E)④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第1,3学期開講
各分野(機械工学,電気工学,制御情報工学)の基礎的な実験実習を行い,各種実験方法を習得するとともに,実験結果を基礎的な理論を基に解析・考察し,レポートを作成できる能力を養う.また,自己の専門分野の実験においては,他分野の学生を補助・指導を行い,修得した技術・知識を再確認する.
授業の進め方・方法:
他の学生に対する補助・指導の準備として実験書・指導書の作成を行い、この作成した実験書・指導書を基に、本人が担当する実験にあらかじめ習熟し、併せて他の学生に実験指導ができるようにシュミレーションしておくこと。
注意点:
レポートの評価の割合が50%と高くなっています。だれがどのレポートを出していないといった管理はしないので、毎回締め切りを守ってレポートを提出するようにして下さい。

到達目標①:実験書・指導書により評価する。(30%)
到達目標②:レポートにより評価する。(50%)
到達目標③:取組姿勢により評価する。(20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 専攻科:オリエンテーション
グループ分け、準備(所属学科の実験準備及び予備実験)
所属研究室以外の学生に対する補助・指導の準備として実験書・指導書の作成を行うことができる。所属研究室の実験準備および予備実験を行うことができる。
2週 準備(所属学科の実験準備及び予備実験)
3週 (碇賀教授)「磁界の測定」
内容(2時間)
ヘルムホルツコイルがつくる磁場をガウスメータで測定し,理論値と測定値を比較検証する.また,電気機器の一つである変圧器の磁気特性を測定し,ヒステリシス現象を観測する.
所属研究室で本人が担当する実験は、実験補助・指導およびレポートの添削を行うことができる。 その他の学生は、担当者の指示に従って実験を行い、レポートの作成を行うことができる。
4週 (春山教授)「A/D・D/Aコンバータ」
内容(2時間)
ディジタル通信ではA/D・D/A変換が必須である.ここではZ80マイコンを用いて実際にA/D・D/A変換を行ってその仕組みを理解すると同時に,変換装置によって生じるA/D・D/A変換の誤差についても学習する.
5週 (碇准教授)「キャパシタンスとインダクタンスの特性測定」
内容(2時間)
RC及びRL回路において,オシロスコープの二現象或いはX-Y表示で観測し,キャパシタンス及びインダクタンスの性質と位相の概念を得る.
6週 (濱田講師)「衝撃電圧試験」
内容(2時間)
我々の身の周りにある電力機器は交流や直流で動作するが,これらは落雷等の衝撃電圧に曝されても故障しないよう対策を講じる必要がある.本実験では,衝撃電圧による50%フラッシオーバ電圧測定などを通じて放電発生の原理や特性を理解する.
7週 (吉田教授)「超音波による肉厚測定試験」
内容(2時間)
超音波による厚さ測定試験をおこなう.超音波測定の原理を説明し,測定装置の構造と特性を説明する.次いで,実際に超音波による鉄鋼材料の厚さ測定試験をおこなう.さらに,酸化膜が形成された鉄鋼材料の酸化膜厚さの測定の原理を説明し,酸化膜厚さ測定試験を行う.
8週 (南野教授)「太陽光発電システムの評価実験」
内容(2時間)
機電棟屋上に設置している10kWの太陽光発電アレイと機電棟1F実験室に設置してる計測装置を用い,太陽光発電システムの特性に関する評価実験を行い,各分野(電気工学,機械工学,制御工学,物質工学)の観点から考察を行う.
2ndQ
9週 (後藤教授)「切削加工面の粗さ解析」
内容(2時間)
機械切削された金属の加工表面の微細な凹凸形状の観察と粗さ測定を行い,切削条件と表面形状の関係を学ぶと共に,各種粗さパラメータの特長について理解する.
10週 (徳永准教授)「熱電対製作と熱物性の評価」
内容(2時間)
伝熱分野では温度を計測する際に熱電対を使用する.ここでは熱電対の種類や原理を学び,製作方法を身につけるとともに,熱伝導実験を通して熱物性値の評価を行う.
11週 (江原准教授)「H8・PLCプログラミング」
内容(8時間)
H8マイコンを搭載した実習キットを用いてC言語による制御プログラムの作成,またPLC実習キットを用いてシーケンス制御を行うプログラムの作成を行う.スイッチ,LED,7セグLED,モータ制御,A/D変換等を学習する.
12週
13週
14週
15週 専攻科:まとめ、授業アンケート
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

1実験書・指導書2レポート3取組姿勢合計
総合評価割合305020100
知識の基本的な理解625233
思考・推論・創造への適用力825639
汎用的技能80614
態度・志向性(人間力)80614