電子回路設計解析学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路設計解析学
科目番号 0019 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 Spiceを使った 電子回路設計工学 黒瀬能聿ら(森北出版)/電子回路シミュレータLTspice入門編(神崎 康宏、CQ出版)、LTspice実践入門 遠坂 俊昭(CQ出版)
担当教員 南野 郁夫

到達目標

 (1)電子回路設計の流れの説明・評価、(2)トランジスタの特性説明とSpiceを使ったシミュレーション、(3)Spiceの文法説明とネットリストと回路変換、(4)電子回路の製作と要求仕様に対するシミュレーション評価を報告ができることが本科目の到達目標である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの 目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1電子回路設計の流れをフローチャートで詳しく示すことができ、設計・解析など各項目も正確に評価できる。電子回路設計の流れをフローチャートで示すことができ、各項目を評価できる。電子回路設計の流れを言葉で説明でき、設計と解析結果も評価できる。電子回路設計の流れを言葉で説明できず、設計と解析を評価できない。
評価項目2電子素子の特性を詳しく説明でき、Spiceを使って直流と交流の過渡のシミュレーションを正確に行える。電子素子の特性を説明でき、Spiceを使って直流と交流のシミュレーションを行える。トランジスタの特性を説明でき、Spiceを使って直流または交流のシミュレーションを行える。トランジスタの特性を説明できず、Spiceを使って直流または交流のシミュレーションを行えない。
評価項目3Spiceの文法について詳しく説明でき、ネットリストと回路の相互変換を正確に行える。Spiceの文法について説明でき、ネットリストと回路の相互変換を行える。Spiceの文法のデバイスの記述法について説明でき、ネットリストと回路の一方向の変換を行える。Spiceの文法のデバイスの記述法について説明できず、ネットリストと回路の一方向の変換も行えない。
評価項目4自分で設計した電子回路をSpice上で自分の力で動作でき、要求仕様に対する設計・シミュレーション結果を正確に報告・発表できる。自分で設計した電子回路をSpice上で支援を受け動作でき、要求仕様に対する設計・シミュレーション結果を報告・発表できる。電子回路を支援を受け設計でき、要求仕様に対するシミュレーション結果を報告できる。電子回路を支援を受けても製作できず、要求仕様に対する実験評価結果も報告できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(1) 説明 閉じる
教育目標 (E)② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第1学期開講
 企業の電子回路設計・分析には、シミュレータの利用が必須になっており、その基本の理解と活用方法の修得が、現在の電子回路設計技術者には求められている。シミュレータの活用能力を身に着けるために、まず電子回路設計の流れを学ぶ。次に、電子素子のモデル化とSpiceの文法概要を学習した後、Spiceを用い具体的な電子回路設計およびシミュレーション解析を行う。また授業の理解を深めるため、レポートと自学自習レポートも作成する。
授業の進め方・方法:
 毎回プリントを配布し、特に重要な項目を【ポイント】として挙げています。担当教員の説明を聞き、自分の頭で論理的に理解した内容を【ポイント】の項目に書き込みましょう。自学自習レポート【宿題】は、電子回路の設計と解析に興味を持ち、理解を深めるためのものです。将来の仕事に関連する情報などをインターネットを使って収集するなど、個々人の将来計画に合わせた目的意識付けも狙っています。
注意点:
毎回忘れずに自学自習レポートを提出することが重要です。理解できなかったことは必ず質問し、しっかりと実力を身に着けてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 設計と解析 電子回路設計の流れと電子回路シミュレータを説明できる。
2週 電気回路の基礎 電気回路の基礎式を復讐し、シミュレーションを行える。
3週 電子素子とモデル(1) ダイオードの静特性を説明でき、シミュレーションを行える。
4週 電子素子とモデル(2) トランジスタの静特性を説明でき、シミュレーションを行える。
5週 Spiceの文法 ネットリストなどのSpiceの文法について、詳しく説明できる。
6週 トランジスタ増幅回路(1) トランジスタ増幅回路の時間応答特性を設計する方法を説明でき、シミュレーションで特性を評価できる。
7週 トランジスタ増幅回路(2) トランジスタ増幅回路の周波数特性を解析する方法を説明でき、シミュレーションで特性を評価できる。
8週 パルス回路 RC直列回路のステップ応答、部分回路と積分回路矩形パルス応答を説明でき、シミュレーションで特性を評価できる。
2ndQ
9週 オペアンプ回路 オペアンプ回路の基礎と、増幅器、加算器、減算器、積分器を説明でき、シミュレーションで特性を評価できる。
10週 増幅回路の設計と製作(1) 今まで学習したトランジスタ増幅回路またはオペアンプ回路の仕様決め、回路設計、およびシミュレーションを実施できる。
11週 増幅回路の設計と製作(2) 設計した増幅回路(または独創的な回路設計)をSpice上に設計する。
12週 増幅回路の設計と製作(3) 設計した回路の特性評価の準備を行う。
13週 増幅回路の設計と製作(4) 設計した回路の特性を評価し、結果をレポートで報告できる。
14週 成果発表会(またはレポート報告) 設計した回路を、Spiceを用いてシミュレーション評価し、成果を全員の前で発表できる。
15週 定期試験
16週 まとめ 全体の概要を説明できる。
授業評価アンケート用紙に記入する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート自学自習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力30101000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000