計測システム工学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 計測システム工学
科目番号 0019 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「計測システム工学」 田中正吾 著 (朝倉書店)
担当教員 長峯 祐子

到達目標

①種々の計測器・センサの動作原理を把握し、その動作原理、計測対象の動特性、計測環境条件などを統合し、1つの計測システムとして捉えることができる。
②行列とラプラス変換の基礎を踏まえ、行列の固有値・固有ベクトル・対角化・行列の諸演算公式、及び、畳み込み積分と伝達関数との関係を理解できる。
③種々の計測システムを微分方程式で表現でき、かつ、その微分方程式を状態変数ベクトルを用いた1階微分方程式(状態方程式)で表現できる。さらにその状態方程式を各種表現法により変換することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1種々の計測器・センサの動作原理を把握し、その動作原理、計測対象の動特性、計測環境条件などを統合して1つのシステムとして捉えることができる。種々の計測器・センサの原理を理解できる。1つの計測器・センサの原理を理解できる。計測器・センサの動作原理を全く理解できない。
評価項目2行列とラプラス変換の基礎を踏まえ、行列の固有値・固有ベクトル・対角化・行列の諸演算公式、及び、畳み込み積分と伝達関数との関係を理解できる。ラプラス変換・ラプラス逆変換の基礎、及び、ラプラス変換を利用した微分方程式の解法を理解できる。ベクトルと行列の基礎を理解できる。ベクトルと行列の基礎、及び、ラプラス変換の基礎を理解できない。
評価項目3種々の計測システムを微分方程式で表現でき、かつ、その微分方程式を状態変数ベクトルを用いた1階微分方程式(状態方程式)で表現できる。さらにその状態方程式を各種表現法により変換することができる。種々の計測システムを微分方程式で表現でき、かつ、その微分方程式を状態変数ベクトルを用いた1階微分方程式(状態方程式)で表現できる。種々の計測システムを微分方程式で表現できる。種々の計測システムを微分方程式で表現できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(1) 説明 閉じる
教育目標 (D)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第3学期開講
様々な計測システムの入力と出力との関係を表す高階微分方程式を、状態変数ベクトルという新しい概念を導入することにより1階微分方程式に書き表せることを学びます。
授業の進め方・方法:
線形代数や微分方程式、制御数学の知識も必要とするので、必要に応じそれらを復習することが望まれます。
注意点:
種々の計測機・センサの動作原理を学ぶことにより、計測システムの入力と出力との関係が、高階微分方程式で書き表せることが多いことを学びます。この、科目では、この高階微分方程式を直接解くのではなく、状態変数ベクトルを導入することにより、ベクトル、行列を使用した、1階微分方程式(状態方程式)で書き表せることを学びます。新しい概念ですので、しっかり基礎から学習していきましょう。また、この状態方程式の解法は2年生の科目である「制御理論」で学習します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 計測システムとは
システム的統合化の必要性
・温度測定の高速化
種々の計測器・センサの動作原理を把握し、センサ動作原理、計測対象の動特性、計測環境条件などを1つのシステムとして捉えることができる。
2週 システム的統合化の必要性
・事変傾斜角の動的計測
種々の計測器・センサの動作原理を把握し、センサ動作原理、計測対象の動特性、計測環境条件などを1つのシステムとして捉えることができる。
3週 システム的統合化の必要性
・クレーンリフターの姿勢計測
種々の計測器・センサの動作原理を把握し、センサ動作原理、計測対象の動特性、計測環境条件などを1つのシステムとして捉えることができる。
4週 数学的準備
・ベクトルと行列
・ベクトル空間一次独立性
・行列のランク
ベクトルと行列の性質の基礎を理解できる。
5週 数学的準備
・固有値及び固有ベクトル
・行列の諸演算公式
行列の固有値、固有ベクトルを算出し、行列を対角化を行うことができる。
行列の諸演算公式を理解し、その公式を証明することができる。
6週 数学的準備
・ラプラス変換
・ラプラス逆変換及び微分方程式の解法
制御数学の基礎を理解でき、1変数の時間微分方程式を解くことができる。
7週 数学的準備
・畳込み積分及び伝達関数
連続的な入力を離散的なインパルスの入力列と考え、出力がインパルス応答の畳み込みであるという概念をもつ。
畳み込み積分をラプラス変換すると、入力と出力との関係がシンプルな代数関係で表せることを理解する。
8週 線形ダイナミックシステム1
・微分方程式表現(LCR回路)
いくつかの例を通し、動的システムを微分方程式で表現することを理解できる。
4thQ
9週 線形ダイナミックシステム2
・微分方程式表現(角変位計)
いくつかの例を通し、動的システムを微分方程式で表現することを理解できる。
10週 線形ダイナミックシステム2
・微分方程式表現(熱交換系)
いくつかの例を通し、動的システムを微分方程式で表現することを理解できる。
11週 線形ダイナミックシステム3
・高次微分方程式(出力:n階、入力:1階微分)の状態変数表示
状態変数ベクトルの定義、および導入に際しての選択方法を理解できる。
高次微分方程式(出力:n階、入力:1階微分)で記述される、非線形動的システムを線形化したベクトル1階微分方程式(状態方程式)で表現することを理解できる。
12週 線形ダイナミックシステム3
・高次微分方程式(出力:n階、入力:m階微分)の状態変数表示
状態変数ベクトルの定義、および導入に際しての選択方法を理解できる。
高次微分方程式(出力:n階、入力:m階微分)で記述される、非線形動的システムを線形化したベクトル1階微分方程式(状態方程式)で表現することを理解できる。
13週 線形ダイナミックシステム4
・座標変換
状態変数ベクトルで記述された1階微分方程式を変換行列を用いて、対角正準系の1階微分方程式に変換することができる。
14週 線形ダイナミックシステム5
・サンプル値系
状態変数ベクトルで記述された1階微分方程式を解き、その解(連続系)を、離散系に変換することができる。
15週 期末試験
16週 期末の答案返却および解答の解説
授業改善アンケートの実施
試験問題の解説を通して、間違った箇所を正しく理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合800000020100
基礎的能力800000020100
専門的能力00000000
分野横断的能力00000000