光物性基礎論

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 光物性基礎論
科目番号 0041 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 後期:4
教科書/教材 「光エレクトロニクスの基礎」 宮尾亘・平田 仁 著 [日本理工出版会]
担当教員 成島 和男

到達目標

1)光の波動性と粒子性について理解し、物質と光の相互作用を説明できる。
2)Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解するとともに、項目1)について体感する。
3)光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を幅広く説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1光の波動性と粒子性について本質を突いた理解でき、、物質と光の相互作用を明確に要領よく説明できる。 光の波動性と粒子性について理解し、物質と光の相互作用を説明できる。 光の波動性と粒子性について理解し、物質と光の相互作用を、教科書や授業で使用したプリントを基にして、説明できる。 光の波動性と粒子性について理解できない。
評価項目2Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解するとともに、簡単なプログラムが組める。さらに物質と光の相互作用について明瞭に体感できる。 Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解するとともに、物質と光の相互作用について体感できる。 Excelを用いたシミュレーションを用いることにより、シミュレーションの原理を理解し始め、さらに、物質と光の相互作用について体感し始める。 シミュレーションの原理が理解できない。
評価項目3光電素子の動作原理を明瞭に理解し、説明することができる。さらに、光を利用した工学応用を幅広く説明できる。 光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を説明できる。 光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を、教科書や授業で使用したプリントを基にして、説明できる。 光電素子の動作原理や、光を利用した工学応用を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学期、週に2回開講する。講義と共にExcelによる実習も行う。
授業の進め方・方法:
本講義は、まず、物質と光の相互作用について、講義を行う。そのあと、Excelを用いたごく簡単なシミュレーションを用いて、物質と光の相互作用を体感してもらうと同時に、最近、急速に発達してきたコンピュータシミュレーションについての理解を深める。さらにエレクトロニクス素子についての講義、といった幅広い内容を学ぶ。学生諸氏は、本講義の基本的な内容ももちろんだが、学問、技術は、各分野が相互に関係していることも含めて学んでもらいたい。
注意点:
教科書は、主に後半に用いる。必ず、教科書は、購入すること。教科書なしで、講義を受けることは、学生としてはありえず、論外である。専攻科で勉学を志すからには、一教科数千円程度の教科書代は必須である。本は一生の財産であることに気付いてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 概要説明 本講義の概要を説明する。
2週 マクスウェルの方程式と電磁波 電磁波の解析の基礎となるマクスウェルの方程式を説明できる。、電磁波の伝搬について、直観的、本質的な理解ができる。
3週 受光素子① 電磁波を用いた赤外線センサの動作原理や光ファイバの動作原理について説明できる。
4週 光の二重性 光の波動性と粒子性について理解できる。光の粒子性の証拠となる光電効果について、説明できる。
5週 光とエネルギー 第4回に引き続き、光の粒子性の証拠となるコンプトン効果について、説明できる。さらに光とエネルギーの関係及び物質における光の吸収と放出と物質とエネルギーの等価性について説明できる。
6週 ExcelによるMD計算① 光子と粒子からなる2分子系における、コンプトン効果について、Excelを用いたシミュレーションを実施できる。
7週 ExcelによるMD計算② 1分子オリゴマー系において、分子動力学法(MD)によるシミュレーションを、Excelを用いて実施できる。
8週 ExcelによるMD計算③ 光子とオリゴマーからなる系における、コンプトン効果について、Excelを用いたシミュレーションを実施でき、光子と物質の相互作用を体感できる。
4thQ
9週 ExcelによるMD計算のまとめ 第6回~8回の内容を総括することにより、シミュレーションの意義を納得でき、シミュレーション全般について理解できる。
10週 発光素子① 蛍光灯やプラズマディスプレイ、電子ビームを用いた発光素子(CRT)の動作原理について説明できる。
11週 半導体におけるpn接合
発光素子②
半導体の本質について理解でき、pn接合のエネルギー準位について、その物理的背景を踏まえて説明できる。次いで、発光ダイオードの動作原理について説明できる。
12週 発光素子③ 光の自然放出と誘導放出について理解でき、光の増幅や、レーザ発振の原理について説明できる。。
13週 受光素子② 半導体受光素子の例として、Si系の太陽電池について構造と動作原理を説明できる。
14週 受光素子③
Si系以外の太陽電池について構造と動作原理を理解できる。
15週 まとめ及び総合演習 これまでの的を行い、総合演習を行う。
16週 期末試験 期末試験を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合50000050100
知識の基本的な理解3000001040
思考・推論・創造への2000004060
0000000