生体触媒工学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生体触媒工学
科目番号 72004 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 1st-Q 週時間数 4
教科書/教材 UCSF Chimera User's Guide
担当教員 島袋 勝弥

到達目標

1.分子描画ソフトを使い、タンパク質の機能を立体構造を用いて説明できる
2.ミカエリス―メンテン式を理解し、酵素の働き、阻害様式を説明できる
3.細胞運動、細胞情報伝達、細胞分裂など重要な生命現象に関わるタンパク質について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1分子可視化ソフトを用いて、タンパク質の立体構造と機能を関連付けたアニメーションを作成できる分子可視化ソフトを用いて、タンパク質の立体構造と機能を関連付けて説明できる分子可視化ソフトを用いて、タンパク質の立体構造を表示できる分子可視化ソフトを用いて、タンパク質の立体構造を表示できない
評価項目2酵素活性を表すミカエリスーメンテン式を理解しており、酵素の阻害機構についても説明ができるミカエリスーメンテン式から酵素活性の阻害機構を推定できるミカエリスメンテン式を理解しているミカエリス―メンテン式を理解できない
評価項目3細胞運動やシグナル伝達など生命現象に重要なタンパク質の機能を説明できる細胞運動やシグナル伝達など生命現象に重要なタンパク質の機能を知っている細胞運動やシグナル伝達など生命現象にタンパク質が関わっていることを知っている細胞運動やシグナル伝達など生命現象にタンパク質がか関わっていることを知らない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物のゲノム解析が比較的手軽にできるようになった現在、最後のフロンティアとして残っているのはタンパク質の機能解明です。タンパク質は、たった20種類のアミノ酸からなる鎖です。しかし、その多様性は無限大です。タンパク質を知るには、まずその形を知らなければいけません。そこで、本講義では分子可視化ソフトでタンパク質の構造をじっくりと見ていきます。そして、タンパク質の一般的な性質についても掘り下げた講義を行い、最前線のタンパク質研究の最前線を理解するための基礎固めを行います。
授業の進め方・方法:
この講義は英語で行う。本科で学習した生物化学の知識を更に深める。特に、生体反応の中心となる酵素の作用機構、阻害機構などに重点を置いて学習する。この講義を受講するものは、生体分子の基本的な化学構造と性質、タンパク質の1次元-4次元構造などの知識をもっていることが前提である。
注意点:
この講義ではパソコンを使用した酵素の構造解析も行うため、パソコンの操作に慣れている必要がある。また、可能な限り自分のノートパソコンを活用することを勧める。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要
酵素の構造①
本講義の全体的な流れについて説明し、これまでの生化学関連の習得知識について確認する
タンパク質の構造を可視化する、分子描画ソフト(UCSF Chimera)を紹介する
2週 酵素の構造②
酵素の構造③
UCSF Chimeraのコマンド操作を学ぶ
引き続き、UCSF Chimeraのコマンド操作を学ぶ
3週 酵素の構造④
酵素の反応速度論①
UCSF Chimeraを使って、プレゼンテーション用の動画を製作する。
酵素の反応速度論について、大学院入試問題で演習を行う。
4週 酵素の反応速度論②
タンパク質の働き①
酵素の阻害機構について、大学院入試問題で演習を行う
細胞骨格タンパク質について、大学院入試問題で演習を行う
5週 タンパク質の働き②
タンパク質の働き③
膜タンパク質について演習を行う
蛍光タンパク質について演習を行う
6週 タンパク質の働き④
タンパク質の精製法①
膜タンパク質について、大学院入試問題で演習を行う
イオン交換、疎水、サイズ排除クロマトグラフィーについて、大学院入試問題で演習を行う
7週 タンパク質の精製法②
タンパク質の構造
アフィニティクロマトグラフィーについて、大学院入試問題で演習を行う
UCSF Chimeraで作製した動画を使い、プレゼンテーションを行う
8週 試験
答案返却、答え合わせ
期末試験を行う
答案を返却し、間違った部分の見直しをする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート口頭発表ポートフォリオ合計
総合評価割合40202020100
知識の基本的な理解1550020
思考・推論・創造への適用力2515202080
分野横断的能力00000