無機溶液化学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機溶液化学
科目番号 72010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 プリントおよびパワーポイント資料
担当教員 小倉 薫

到達目標

1.溶液論の概念が理解でき,溶液内無機化学反応を考察することができる。
2.化学プロセスで生じる溶液内無機化学反応を評価することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1溶液論の概念が理解でき,各種の溶液内無機化学反応の考察ができる。溶液論の概念が理解でき,数種の溶液内無機化学反応の考察ができる。溶液論の概念が理解でき,2,3の溶液内無機化学反応の考察ができる。溶液論の概念が理解できず,各種の溶液内無機化学反応の考察ができない。
評価項目2各種の化学プロセスで生じる溶液内無機化学反応を評価できる。数種の化学プロセスで生じる溶液内無機化学反応を評価できる。2,3の化学プロセスで生じる溶液内無機化学反応を評価できる。化学プロセスで生じる溶液内無機化学反応を評価できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学期開講
溶液内で生じる種々の化学反応を知ることは化学分析、環境機能の理解や保全、生命現象の理解、生産プロセスの設計と管理など、多岐にわたる分野で重要である。本講義では、溶媒・溶質の性質、溶質-溶媒および溶質-溶質相互作用、溶液内で生じる無機化学的反応、およびその応用例について述べる。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として授業内容をまとめたレポートの提出を課しています。扱う領域は広く,学んでいない新しい考え方も聞くことになるはずである。できるだけ分かりやすい講義を心がけたいと思う。講義の内容はこれまでの専門科目を理解していれば無理なくついて来られるはずである。ネットで調べても答えは得られるかも知れないが,不明なことがあれば遠慮無く申し出て欲しい。
注意点:
予習および復習をすること。復習の成果をレポートで確認する。レポートは提出期限を遵守するなどの点を態度・志向性(主体性と自己管理力)として評価に取り入れる。再試験は実施しないので,平素の自宅学習をしっかりとやっておく必要がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.ガイダンス 溶媒の分類と物性 (プリント14-23ページ)  2.分子間相互作用 1.授業の進め方が理解できる。溶媒の特性を表す物性値と溶質—溶媒相互作用の関係が理解できる。
2.溶媒-溶媒、溶質-溶媒、溶質-溶質相互作用の本質について評価できる。(パワーポイント)
2週 3.活量と活量係数 (プリント23-34ページ)
4.化学平衡 (プリント35-44ページ)
3.理想溶液と実存溶液の違いが評価できる。
4.化学平衡と自由エネルギーの関係が評価できる。
3週 5.酸塩基概念 (プリント45-56ページ)
6.錯生成反応1 (プリント85-93ページ)
5.各種の酸塩基概念が理解できる。酸塩基の強さと分子構造の関係が評価できる。第6.錯体の安定度に及ぼす配位子の分子構造の影響が評価できる。
4週 7.錯生成反応2 (プリント93-98ページ)
8.中間試験実施
7.錯体の安定度に及ぼす中心金属の特性の影響が評価できる。8.1-7週の範囲の試験を実施する。
5週 9.錯生成反応3 (プリントpp.132-136)
10.電解質溶液論 希薄溶液から濃厚塩まで1
9.選択的錯生成実現のための分子設計を評価できる。 10.電解質溶液論の基礎が理解できる。(パワーポイント)
6週 11.電解質溶液論 希薄溶液から濃厚塩まで2
12.液-液分配平衡とその応用1 (プリントpp.171-175)
11.イオンの溶存状態に及ぼす塩効果が評価できる。中性溶質の塩析が理解できる。(パワーポイント) 12.液-液分配平衡の熱力学的取り扱いが理解できる。酸性・塩基性化合物の分配に及ぼすpHの影響が評価できる。
7週 13.液-液分配平衡とその応用2 (プリントpp.175-182) 14.液-液分配平衡とその応用3 (プリントpp.183-187) 13.キレート抽出におけるpHとキレート試薬濃度の影響が評価できる。 14.キレート抽出における協同効果が評価できる。イオン対抽出を定量的に理解できる。
8週 15.期末試験
16.試験返却・解説
15.全範囲を対象に試験を実施する。
16.答案返却と解説、必要な個所の補講

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力30535
専門的能力50555
態度・志向性(主体性と自己管理力)01010