物理化学特論

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学特論
科目番号 73009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 「演習 物理化学」渡辺 啓 著(サイエンス社)
担当教員 髙田 陽一

到達目標

1.自由エネルギーを理解し、熱力学的な平衡状態を説明できる。
2.反応速度式を組み立て、反応機構を説明できる。
3.量子化学の考え方を理解し、原子や分子の構造を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1自由エネルギーの関係式を理解し、数式を用いて熱力学的な平衡状態を説明できる。自由エネルギーの関係式を理解し、熱力学的な平衡状態の現象論を説明できる。自由エネルギーを理解し、熱力学的な平衡状態の現象論を説明できる。自由エネルギーを理解できず、熱力学的な平衡状態の現象論を説明できない。
評価項目2組み立てた反応速度式を解くことができ、それらを用いて複数の反応機構を説明できる。反応速度式を組み立て、複数の反応機構の概要を説明できる。反応速度式を組み立て、1つの反応機構の概要を説明できる。反応速度式を組み立てられず、反応機構の概要を説明できない。
評価項目3量子化学の考え方を十分に理解し、原子や分子の構造の説明に適用できる。量子化学の考え方を理解し、原子や分子の構造の概要を説明できる。量子化学の考え方を知り、原子や分子の構造の概要を説明できる。量子化学の考え方がわからず、原子や分子の構造の概要を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学の現象を理論的に説明するために物理化学の理解は欠かせない。物理化学は主に、平衡状態を取り扱う熱力学、状態の変化を取り扱う反応速度論、そして原子や分子の構造を説明する量子化学に分けられる。この科目は、これまで本科の物理化学で学んできたそれらの内容をより深く理解するために設定されている。関係式の導出を含め、化学現象を物理化学の観点から正しく説明できるようになることを目的とする。
授業の進め方・方法:
教科書に与えられている式を理解し、使いこなせるようになるとともに、それらの式がどのように導出されてきたのか、自ら計算できる力を養ってもらうために、適宜演習を課す。積極的に手を動かして計算してみることが大事である。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを実施する。
注意点:
本科で学んだ物理化学の内容を復習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1. 熱力学の法則
2. 自由エネルギー
1. 熱力学第1~3法則を説明できる。
2. 自由エネルギーを理解し、化学ポテンシャルを説明できる。
2週 3. 相平衡
4. 相図
3. 化学ポテンシャルから関係式を導出し、相平衡を説明できる。
4. ラウールの法則やヘンリーの法則と相図の関係を説明できる。
3週 5. 平衡定数と自由エネルギー
6. ルシャトリエの原理
5. 平衡定数と自由エネルギーの関係を説明できる。
6. 化学平衡に与える圧力や温度の影響を、数値計算を含めて説明できる。
4週 7. 中間試験
8. 反応次数
7. 1~6回までの範囲の試験をする。
8. 反応速度の基礎を理解し、速度式を解くことができる。
5週 9. 反応速度と温度
10. 反応機構
9. アレニウスの式と活性化エネルギーを説明できる。
10. 数式を用いて、逐次反応や可逆反応など反応機構の違いを説明できる。
6週 11. 量子化学の基礎
12. シュレーディンガー方程式
11. 量子化学の成り立ちと基本的な考え方を説明できる。
12. 波動関数を理解し、シュレーディンガー方程式を説明できる。
7週 13. 原子構造
14. 分子構造
13. 波動関数と原子構造の関係を説明できる。
14. 分子軌道法を説明できる。
8週 期末試験・試験返却 8~14回までの範囲の試験をする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
知識の基本的な理解401050
思考・推論・創造への適用力203050