線形代数

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 線形代数
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 経営情報工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 線形代数 講義と演習 小林正典・寺尾宏明 共著 (培風館)
担当教員 加藤 裕基

到達目標

ベクトル,関数,行列など通常取り扱う集合の多くは、その要素同士の和・差などの演算が定義されている。その枠組みを研究するのが代数といわれる分野である。本講義では、その一分野である線形代数について、本科で習得した内容を基礎として、これを発展・拡張した内容を学ぶ。さらに、線形代数の工学への応用例である力学系について学ぶ。
①線形空間の構造と、線形写像と行列の関係が理解できる。
②4次以下の正方行列のジョルダン標準形およびべき乗が計算できる。
③力学系の考え方を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1線形空間の理論を説明でき、他の分野への応用をすることができる。線形空間の構造を説明でき、具体的な行列を用いて計算することができる。線形空間の次元を計算できる.線形空間の仕組みを説明することができない。
評価項目24次以下の正方行列のジョルダン標準形を求めることができる. 行列のべき乗を計算できる. それを種々の問題に応用できる。4次以下の正方行列のジョルダン標準形を求めることができる. 行列のべき乗を計算できる。3次以下の正方行列のジョルダン標準形を求めることができ,行列のべき乗を計算る。3次以下の正方行列のジョルダン標準形を求めることができない,あるいは行列のべき乗を計算できない。
評価項目32次元線形微分方程式について、説明することができ、基本的な問題を解くことができる。また、座標変換、跡と行列式に関する分類について説明ができる。2次元線形微分方程式について、説明することができ、基本的な問題を解くことができる。また、座標変換について説明ができる。基本的な2次元線形微分方程式を解き方について説明することがでる。2次元線形微分方程式の解き方について、説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (C) 説明 閉じる
教育目標 (E)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ベクトル、関数、行列など通常取り扱っている集合の多くは、その要素同士の和、差などの演算が定義されている。特に、線形演算をもっている集合(ベクトル空間または線形空間という)と、その空間の写像である線形写像について学ぶことは応用上も重要である。本講義では、本科で習得した線形代数を基礎としており、さらにこれを発展、拡張した内容を学ぶことになる。
授業の進め方・方法:
学生が予めシラバスで指定した箇所の予習および問題演習を行っている. 本講義は学生の自学自習した内容と演習問題の補足説明と解説を与える形式で行われる。
注意点:
本講義は学生の皆様の自宅での予習を前提のもとで進められます. 毎回シラバスで指定された箇所の予習を必ず行ってください。さもなくば講義に参加したところで十分な理解ができずにあなたたちの貴重な時間を無駄にすることになりかねません. 5回ごとに演習問題をレポートとして提出していただきます.。他人のレポートの丸写しというのは,本来であれば試験の不正行為と同等とみなされます。自分の力でレポートの作成を行ってください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
行列(教科書pp.1-6)
複素行列について計算できる。
2週 掃き出し法の応用(教科書pp.25-30) 掃き出し法を用いて行列の階数を計算できる。
3週 ベクトル空間と基底(教科書pp.46-54)
線形空間の定義が説明でき、1次独立と1次従属の判定ができる。
4週 次元・部分空間(教科書pp.55-60)
部分空間について説明でき、基底を次元の定義を述べることができる。
5週 線形写像(教科書pp.73-78) 線形写像の像空間と核空間を求めることができる。
6週 行列の定める線形写像(教科書pp.79-84) 線形写像と行列の関係を説明でき,次元定理の応用ができる.
7週 線形写像の表現行列(教科書pp.85-90) 連立1次方程式の考え方を説明でき、実際に解くことができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 固有多項式,固有値,固有ベクトル,固有空間(教科書pp.91-96) 正方行列の各固有値に対応する固有空間の基底を求めることができる。
10週 ケーリー・ハミルトンの定理,最小多項式(教科書pp.97-102) 正方行列の固有多項式と最小多項式の関係を説明できる。
11週 一般固有空間(教科書pp.109-114) n次元線形空間はn次正方行列の固有空間の直和に分解する。
12週 ジョルダン標準形(教科書pp.115-120) 正方行列のジョルダン標準形を求めることできる。
13週 行列のべき乗と指数関数(教科書pp.121-126) 正方行列のべき乗と指数関数を計算できる。
14週 実対称行列と直交化可能性(教科書pp.134-138) ユニタリー行列を用いて正方行列の対角化ができる。
15週 定期試験
16週 答案返却 試験の答案の訂正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験定期試験レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合353530000100
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】15151000040
思考・推論・創造への 適用力【適用、分析レベル】15151000040
汎用的技能 【論理的思考力】551000020