到達目標
(1)日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、基本的知識を理解できる。
(2)科学技術の引き起こす問題点や倫理的問題,技術者の社会の中での役割について,先人たちの思想を手掛かりに,自分自身で思考できる。
(3)様々な社会的,環境的問題などについて論理的に思考し,それを他者に伝達できる。
以上,日本や世界の文化を創り出してきた思想を「理解」し,それを道具として自分で「思考」し,他者に「伝達」できるようになることを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、基本的知識を踏まえて他者に伝達したり,文章で示したりすることができる。 | 日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、基本的知識を踏まえて理解できる。 | 日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、基本的知識を踏まえて理解することが困難である。 |
評価項目2 | 科学技術の引き起こす問題点や倫理的問題,技術者の社会の中での役割について,先人たちの思想を手掛かりに,考察したり,文章で示したりすることができる。 | 科学技術の引き起こす問題点や倫理的問題,技術者の社会の中での役割について,先人たちの思想を手掛かりに,理解することができる。 | 科学技術の引き起こす問題点や倫理的問題,技術者の社会の中での役割について,先人たちの思想を手掛かりに,理解することが困難である。 |
評価項目3 | 様々な社会的,環境的問題などについて論理的に思考し,それを他者に伝達したり,文章で示したりすることができる。 | 様々な社会的,環境的問題などについて論理的に理解することができる。 | 様々な社会的,環境的問題などについて論理的に理解することが困難である。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
文化や歴史,社会といった人間の営みは人々の思想と切っても切れない関係を持っている。こうした思想と人間の営みの相互作用を理解することが授業の目的である。授業では,教科書を中心に、西洋、東洋世界における様々な思想(哲学、宗教、倫理)を学ぶことによって、過去の思想が現代の価値観にどのような影響を与えてきたのか理解していく。
授業の進め方・方法:
講義を中心に,質疑応答,発表形式などを取り入れ授業を行う。理解を助けるために,小テスト・レポート等を適宜行う。
注意点:
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
人間とは何か,青年期の意義 |
人間の本質の理解に基づいて,人生における青年期の意義と自己の確立について理解できる。
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2週 |
青年期と自己形成の課題 |
青年期に特有な心理を心理学の用語や精神分析の用語を踏まえて理解できる。
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3週 |
パーソナリティの形成 |
人間の心理が遺伝と環境といった二つの要因の影響のもと形成されることを,様々な心理学的概念を踏まえて理解できる。
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4週 |
職業生活と社会生活 |
青年期に行われる職業選択の意義を,社会参加やボランティア,インターンシップ等の具体的事例を通じて理解できる。
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5週 |
現代社会と青年の生き方 |
青年期に自己を確立する意義を,青年が社会の中で果たすべき役割と関連付けて理解できる。
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6週 |
日本の伝統・文化と私たち |
日本の伝統的文化が現代に与えてきた影響を思想史の観点から理解できる。
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7週 |
ギリシアの思想1 |
古代ギリシアで哲学が誕生した理由と,その後活躍したソクラテスの思想を理解できる。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
ギリシアの思想2 |
ソクラテスの流れを汲むプラトン,それを批判的に継承したアリストテレスの思想を共通性,差異を踏まえて理解できる。
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10週 |
宗教の教え1 ユダヤ教とキリスト教 |
一神教の始まりとしてのユダヤ教と,そこから発展したキリスト教の成立の歴史と基本思想を理解できる。
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11週 |
宗教の教え2 イスラーム |
一神教の系譜に位置付けられるイスラームの基本概念を学び,ユダヤ教やキリスト教との共通性と差異を説明できる。
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12週 |
宗教の教え3 仏教の成立 |
仏教の成立した時代背景と,その基本概念を理解できる。
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13週 |
宗教の教え4 仏教の展開 |
インドで成立した仏教のアジアへの伝播と日本における仏教の位置づけを理解できる。
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14週 |
人間の尊厳,ルネサンス |
西洋近代思想の端緒に位置付けられるルネサンスにおいて,科学的思考の萌芽がどのように現れたか,理解できる。
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15週 |
宗教改革,近代の科学革命 |
ルターの宗教改革やガリレイの実験や主張の歴史的意味を説明できる。
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16週 |
前期期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
経験論と合理論 |
ロック,デカルトの思想を学び,経験論,合理論の基本発想を理解できる。
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2週 |
人間の自由と尊厳 |
カントの道徳哲学の現代的意義を理解し,現代の様々な問題についてそれを応用して考えることができる。
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3週 |
共同体における自由 |
ヘーゲル哲学の誕生とその意義を当時の時代背景と結びつけて理解できる。
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4週 |
個人と社会の調和 功利主義 |
功利主義の基本概念を学び,功利主義的思考法の有効性や問題点を理解できる。
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5週 |
功利主義の展開 |
功利主義的思考の問題点を具体的事例に基づいて理解できる。
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6週 |
社会の変革 |
マルクスにおける社会主義思想の誕生と,社会主義における労働の概念の重要性を理解できる。
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7週 |
実存主義の思想1 |
キルケゴールの実存主義を学ぶことで,主体的真理という問題設定があることを理解できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
実存主義の思想2 |
ハイデガー、サルトルの思想を学び,20世紀における実存主義の展開を理解できる。
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10週 |
他者の尊重 |
フランスの構造主義の考えを学び,人間の主体性に疑問を投げかける思想が20世紀において現れた意味を理解できる。
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11週 |
公共性の確立 |
ハーバーマスやアーレントの思想を学び,現代における「公共性」の概念の重要性を理解できる。
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12週 |
公正な社会 |
現代における差別的な問題を正義論を踏まえて考察することができる。
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13週 |
環境問題と倫理 |
人間と環境との関わりによって生じてきた環境問題を倫理的な諸概念を用いて考察することができる。
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14週 |
生命の問題と倫理課題 |
生殖医療,遺伝子操作,臓器移植,終末医療など医療の抱える問題を倫理的に考察することができる。
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15週 |
授業の総括と倫理の意義 |
倫理的な思考の必要性を理解し,それを用いて思考できる。
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16週 |
学年末試験 |
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評価割合
| 試験 | 演習課題 | 小テスト | レポート | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 25 | 10 | 5 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 25 | 10 | 5 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |