船舶載貨論

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 船舶載貨論
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「これ一冊で船舶工学入門」、商船高専キャリア教育研究会編、海文堂
担当教員 岩崎 寛希

到達目標

建造段階からの載貨量の推定,重心位置の推定,載貨時の横傾斜(ヒール),縦傾斜(トリム)の推定などが必要となる。また運航の際には,風波などの外力による傾斜から船体を立て直す復原力が確保できているかどうかの判断も重要となる。このような,船の姿勢や挙動を把握し推定するための手段が,船舶算法であり、本教科ではこの船舶算法を理解し、各諸元を算出できることを目指す。具体的には
(1)船体の形状と船図を理解し、船体緒元の意味を把握できる。
(2)断面積や排水量、水線面、浮面心を理解できる。
(3)メタセンタ位置、重心位置、重量物の船内移動や積み込みによる重心移動、横傾斜、縦傾斜等を理解でき、船舶算法例題も演算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1船体の形状と船図を理解でき、船体緒元の意味を把握できる。船体の形状と船図を理解でき、船体緒元の意味をおおよそ把握できる。船体の形状と船図を理解ができず、船体緒元の意味を把握しきれない。
評価項目2断面積の計算、排水容積と排水量、水線表面積と浮面心を理解できる。断面積の計算、排水容積と排水量、水線表面積と浮面心をおおよそ理解できる。断面積の計算、排水容積と排水量、水線表面積と浮面心を理解できていない。
評価項目3メタセンタ位置、重心位置、重量物の船内移動や積み込みによる重心移動、横傾斜、縦傾斜等を理解し、演習例題も算出できる。メタセンタ位置、重心位置、重量物の船内移動や積み込みによる重心移動、横傾斜、縦傾斜等を理解し、演習例題もおおよそ算出できる。メタセンタ位置、重心位置、重量物の船内移動や積み込みによる重心移動、横傾斜、縦傾斜等を理解できず、演習例題も算出できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
船は貨物を積み,安全かつ確実に運び,港で卸して運賃を得る。その船として機能を確保するためにも,建造段階からの載貨量の推定,重心位置の推定,載貨時の横傾斜(ヒール),縦傾斜(トリム)の推定などが必要となる。また運航の際には,風波などの外力による傾斜から船体を立て直す復原力が確保できているかどうかの判断も重要となる。このような,船の姿勢や挙動を把握し推定するための手段が,船舶算法であり、本教科ではこの船舶算法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
本科目では先ず,水面下の船体形状を表す船図と,船舶算法に必要な諸係数が集約されている排水量等曲線について学ぶ。また,重心や浮心の位置と移動について学び,それらの位置関係によって復原力が生じることを学ぶ。そして,荷役にともなう横傾斜や縦傾斜の算出法など,船舶の運航や管理の場で役立つ船舶算法について,海技試験にも出題されるような例題を解きながら学ぶ。
このような船舶算法に習熟することで,安全で確実な船舶運航を実現できるようになる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 船体の形状と船図 船体の形状と船図を理解し、各船舶諸元を割り出すことができる。
2週 船体の形状と船図 船体の形状と船図を理解し、各船舶諸元を割り出すことができる。
3週 断面積の計算、排水容積と排水量、水線表面積と浮面心 各船舶諸元を理解し、算出できる。
4週 断面積の計算、排水容積と排水量、水線表面積と浮面心 各船舶諸元を理解し、算出できる。
5週 メタセンタ位置、重心位置 各船舶諸元を理解し、算出できる。
6週 重量物の船内移動による重心移動 各船舶諸元を理解し、算出できる。
7週 重量物積載による重心移動 各船舶諸元を理解し、算出できる。
8週 復原力(初期復原力)と横メタセンタ、安定性、自由水影響、復原力曲線 各船舶諸元を理解し、算出できる。
2ndQ
9週 復原力(初期復原力)と横メタセンタ、安定性、自由水影響、復原力曲線 各船舶諸元を理解し、算出できる。
10週 重心移動による横傾斜 各船舶諸元を理解し、算出できる。
11週 重量物積載による横傾斜よ傾斜試験 各船舶諸元を理解し、算出できる。
12週 重心移動による縦傾斜(トリム) 各船舶諸元を理解し、算出できる。
13週 重心積載による縦傾斜(トリム) 各船舶諸元を理解し、算出できる。
14週 船舶算法の例題演習 例題に取り組み、船舶算法を確実に計算できる。
15週 船舶算法の例題演習 例題に取り組み、船舶算法を確実に計算できる。
16週 試験返却とレビュー 授業を振り返り、分らなかかったところをレビューし、確認、理解する。

評価割合

試験演習課題授業参加合計
総合評価割合702010100
基礎的能力30101050
専門的能力4010050