造船工学

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 造船工学
科目番号 0135 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 [教科書] 「これ1冊で船舶工学入門」, 商船高専キャリア教育研究会編,海文堂出版 / [教材] 配布プリント(自作)
担当教員 木村 安宏

到達目標

 造船工学では,船舶運航者に要求される船舶に関する基礎知識・技術を習得し,実際に船舶を安全に運航するために必要な基本的な能力を養う。具体的な到達目標は以下の通りである。
(1)造船概論:船の歴史と造船業を取り巻く環境を理解し,船の建造に係る法律および国際条約,船級協会を説明できる。造船設計における初期計画の手続きを理解できる。
について説明できる。
(2)船体の構造:船体構造に関する各部の名称および構造について認識し,その特徴について説明できる。
(3)船体強度計算:船体に加わる力について認識し,その特徴について説明できる。船体に働く応力(せん断応力,曲げ力など)について認識し,それらを計算できる。
(4)船体抵抗:船体に加わる抵抗および船型に及ぼす影響について説明できる。
(5)船の推進:推進器の種類を説明できる。推進器の性能を表す各種効率について認識し,求めることができる。
これらの知識を専門分野の中で使いこなすレベルを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1造船概論:船の歴史と造船業を取り巻く環境を理解し,船の建造に係る法律および国際条約,船級協会を詳しく説明できる。造船設計における初期計画の手続きを十分に理解できる。造船概論:船の歴史と造船業を取り巻く環境を理解し,船の建造に係る法律および国際条約,船級協会を説明できる。造船設計における初期計画の手続きをおおむね理解できる。造船概論:船の歴史と造船業を取り巻く環境を理解し,船の建造に係る法律および国際条約,船級協会を説明することができない。造船設計における初期計画の手続きを理解できない。
評価項目2船体の構造:船体構造に関する各部の名称および構造について認識し,その特徴について詳しく説明できる。船体の構造:船体構造に関する各部の名称および構造について認識し,その特徴について説明できる。船体の構造:船体構造に関する各部の名称および構造について認識し,その特徴について説明することができない。
評価項目3船体強度計算:船体に加わる力について認識し,その特徴について詳しく説明できる。 船体に働く応力(せん断応力,曲げ力など)について認識し,複雑な問題も計算できる。船体強度計算:船体に加わる力について認識し,その特徴について説明できる。 船体に働く応力(せん断応力,曲げ力など)について認識し,それらを計算できる。船体強度計算:船体に加わる力について認識し,その特徴について説明することができない。 船体に働く応力(せん断応力,曲げ力など)について認識し,それらを計算することができない。
評価項目4船体抵抗:船体に加わる抵抗および船型に及ぼす影響について詳しく説明できる。船体抵抗:船体に加わる抵抗および船型に及ぼす影響について説明できる。船体抵抗:船体に加わる抵抗および船型に及ぼす影響について説明することができない。
評価項目5船の推進:推進器の種類を詳しく説明できる。推進器の性能を表す各種効率について認識し,詳細に求めることができる。船の推進:推進器の種類を説明できる。推進器の性能を表す各種効率について認識し,求めることができる。船の推進:推進器の種類を説明できない。推進器の性能を表す各種効率について認識し,求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

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商船 (2)-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
船舶基礎工学系領域では,船舶運航者に要求される船舶に関する基礎知識・技術を習得し,実際に船舶を安全に運航するために必要な基本的な能力を養うことを目標とする。
造船工学では造船に関わる様々な工学を,実際のエンジニアの仕事を紹介しこれを通して学ぶことにより,船舶や海洋構造物に関する知識を習得する。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進め,演習を行う。授業中の課題およびレポートを課す。
注意点:
初回,授業計画,オフィスアワー等を説明する。電卓を持参のこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 造船概論,船の歴史と造船業を取り巻く環境 船の歴史と造船業を取り巻く環境を理解できる。
2週 船舶建造の基礎,船の建造に係る法律および国際条約,船級協会 船の建造に係る法律および国際条約,船級協会を説明できる。
3週 鋼船構造と船体強度(造船用材料) 造船用材料について説明できる。
4週 鋼船構造と船体強度(構造様式) 船体構造様式について説明できる。
5週 鋼船構造と船体強度(船体はりに生じる曲げモーメントとせん断力) 船体はりに生じる曲げモーメント,せん断力を説明できる。
6週 鋼船構造と船体強度(縦曲げ応力とせん断応力) 縦曲げ応力とせん断応力について説明できる。
7週 演習(強度計算) 船体はりに関する縦強度計算ができる。
8週 中間試験 試験を通じて理解不足の箇所を認識し,今後の学習に活用できる。
2ndQ
9週 基本計画(主機関選定,一般配置,排水量) 造船設計における初期計画の手続きを理解できる。
10週 艤装(船体艤装) 船体艤装の代表的な項目について認識できる。
11週 艤装(機関部・電気部) 機関部,電気部の艤装の基本的な項目について認識できる。
12週 各種試験 船舶建造時の各種試験の目的と基本的な内容を理解できる。
13週 船体振動 船体振動の種類および起振力,振動の影響について説明できる。
14週 船体の復原性能 船体の安定,不安定,中立の状態を理解し,復原性能に関する基本的な考え方を説明できる。
15週 船体の復原性能 復原性能に関する基本的な計算方法を理解し計算できる。
16週 前期総括 試験を通じて理解不足の箇所を認識し,今後の学習に活用できる。
後期
3rdQ
1週 船の抵抗と推進概論 船体抵抗および推進器の概要を理解できる。
2週 船体まわりの流れと船体に働く抵抗 船体まわりの流れを理解し抵抗の発生原因を説明できる。
3週 相似則 抵抗の種類および模型試験における相似則を理解できる。
4週 抵抗成分の構成 抵抗成分の構成を説明できる。
5週 造波抵抗 造波抵抗について説明できる。
6週 抵抗および有効馬力の推定 船体抵抗を推定する手順を理解できる。
7週 演習(抵抗の推定) 各種計算により船体抵抗を推定できる。
8週 中間試験 試験を通じて理解不足の箇所を認識し,今後の学習に活用できる。
4thQ
9週 船の推進方法 船の推進方法を説明できる。
10週 船の出力と効率 各出力と効率について理解できる。
11週 プロペラ基礎理論 プロペラの基礎理論を理解できる。
12週 プロペラの形状 各部形状および用語について理解できる。
13週 単独効率,キャビテーション 単独プロペラ効率およびキャビテーションについて理解できる。
14週 船体とプロペラの相互作用 船体とプロペラの相互作用について理解できる。
15週 推進効率,自航要素 推進効率と自航要素について理解できる。
16週 総括 試験を通じて理解不足の箇所を認識し,今後の学習に活用できる。

評価割合

試験レポート・演習課題相互評価授業への取り組み方ポートフォリオその他合計
総合評価割合702001000100
基礎的能力0000000
専門的能力702001000100
分野横断的能力0000000