制御工学

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 制御工学,実教出版社
担当教員 松原 貴史

到達目標

線形モデルによるフィードバック制御を中心に, 制御系の基礎概念, 制御の要素技術についての理解を深める. また, 出題された課題に対してディスカッションしながら, 解答方法の理解を深めていく. この科目の学習内容, 及び具体的な学習到達目標は以下の通りである.
(1)自動制御の概要が理解できる
(2)ラプラス変換が理解できる
(3)伝達関数とブロック線図が理解できる
(4)制御系の応答が理解できる
(5)制御系の安定性 が理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1自動制御の定義と種類, フィードバック制御の概念と構成要素を理解し, 詳細に説明できる.自動制御の定義と種類, フィードバック制御の概念と構成要素を理解できる.自動制御の定義と種類, フィードバック制御の概念と構成要素を理解できない.
到達目標2基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を理解し, ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解く事ができ, それらを詳細に説明できる.基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を理解し, ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解く事ができる.基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を理解できず, ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解く事ができない.
到達目標3伝達関数を理解し, ブロック線図を用いて制御系を表現でき, それらを詳細に説明できる.伝達関数を理解し, ブロック線図を用いて制御系を表現できる.伝達関数を理解できず, ブロック線図を用いて制御系を表現できない.
到達目標4制御系の過渡特性, 定常特性, 周波数特性について理解し, そららを詳細に説明できる.制御系の過渡特性, 定常特性, 周波数特性について理解できる.制御系の過渡特性, 定常特性, 周波数特性について理解できない.
到達目標5安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別でき, 詳細に説明できる.安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる.安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE J(05) 説明 閉じる
本校 (1)-c 説明 閉じる
電子機械 (3)-a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
線形モデルによるフィードバック制御を中心に,制御系の基礎概念,制御の要素技術についての理解を深める.
この科目は企業で制御システムの設計・運用を担当していた教員が,その経験を活かし,資格試験や実務経験への結びつきなどを考慮した制御工学について,講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書を中心とした講義となるが, 特に重要なポイントを整理して説明する. また, 回路や数式, グラフなどを用いての例題の説明も行う. 復習のための資料や応用問題なども, その都度提供する.
注意点:
(1)履修には, これまで学習してきた電気回路, 物理(特に機械系)の基礎知識が必要不可欠であるため, それらの部分について復習しておくこと.
(2)レポート等の課題は, 指定の期日までに必ず提出すること.
(3)期日を過ぎた場合は減点の対象となる.
(4)レポートの作成にあたっては, 解答(数式)の羅列のみでなく, 簡単なキーワードのみでも良いので, 論理的な記述になるよう心掛けること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入 講義の進め方や制御工学の意義を理解することができる.
2週 制御系の基礎概念と制御系の分類 制御系に用いられる用語の解説とシーケンス制御・フィードバック制御の分類を理解することができる.
3週 機械系モデル 機械系のモデルについて, それぞれの関係式を立てることができる.
4週 電気系モデル 電気系のモデルについて, それぞれの関係式を立てることができる.
5週 プロセス系モデル プロセス系のモデルについて, それぞれの関係式を立てることができる.
6週 制御系モデルの演習 機械系, 電気系, プロセス系各制御モデルに関する演習問題を解くことで理解することができる.
7週 これまでの復習 これまでの授業内容について復習することで, 再確認することができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 複素数とラプラス変換 工学におけるラプラス変換の役割と, 工学で用いられるラプラス変換のトレーニングにより, 理解を深める.
10週 微分方程式と伝達関数 制御系の解析, 設計を進める上で欠かせない伝達関数について理解することができる.
11週 基本要素の伝達関数 制御系を構成する制御要素とその表現方法を理解することができる.
12週 伝達関数の演習問題 伝達関数の課題を解くことで理解を深める.
13週 ブロック線図による表現 ブロック線図による表現や基本結合について理解することができる.
14週 ブロック線図とその応用 ブロック線図の等価変換, 伝達関数と状態線図について理解することができる.
15週 これまでの復習 これまでの授業内容について復習することで, 再確認することができる.
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 システムの時間応答(1) 入力信号の種類と基本要素の応答について理解することができる.
2週 システムの時間応答(2) 基本要素の応答について理解することができる.
3週 システムの周波数応答(1) 周波数伝達関数とベクトル軌跡について理解することができる.
4週 システムの周波数応答(2) ベクトル軌跡とボード線図について理解することができる.
5週 システムの応答に関する演習問題 システムの応答について, 具体的な演習問題を解くことで理解することができる.
6週 制御系の安定性(1) 制御系の安定性と極の関係について理解することができる.
7週 これまでの復習 これまでの授業内容について復習することで, 再確認することができる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 制御系の安定性(2) 開ループ系の安定判別法(ラウス・フルビッツ)について理解することができる.
10週 制御系の安定性(3) フィードバック制御系の安定判別法(ナイキスト), 及び安定余裕について理解することができる.
11週 フィードバック制御系の特性(1) フィードバック制御系の過渡特性について理解することができる.
12週 フィードバック制御系の特性(2) フィードバック制御系の定常特性について理解することができる.
13週 制御系の設計(1) 制御系設計の概念, 及びPID補償による制御回路の設計方法について, 理解することができる.
14週 制御系の設計(2) 位相遅れ, 位相進み補償回路の設計方法について, 理解することができる.
15週 これまでの復習 これまでの授業内容について復習することで, 再確認することができる.
16週 学年末試験

評価割合

試験レポート演習課題その他合計
総合評価割合7010101000100
基礎的能力0000000
専門的能力7010101000100
分野横断的能力0000000