情報数学

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 情報数学
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 情報工学レクチャーシリーズ離散数学 陳慰、和田幸一著 森北出版
担当教員 北風 裕教

到達目標

(1)集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算を実行できる。
(2)集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。
(3)ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。
(4)論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。
(5)離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算を実行できる。集合に関する基本的な概念を理解し,複数の選択肢の中から正しい答えを選択することができる。集合に関する基本的な概念を理解していない。また、集合演算を実行できない。
評価項目2集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を、複数の選択肢の中から正しい答えを選択することができる。集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できない。
評価項目3ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。ブール代数に関する基本的な概念を、複数の選択肢の中から正しい答えを選択することができる。ブール代数に関する基本的な概念を説明できない。
評価項目4論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。論理代数と述語論理に関する基本的な概念を、複数の選択肢の中から正しい答えを選択することができる。論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できない。
評価項目5離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。離散数学に関するある特定の知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
情報数学では,コンピュータサイエンスに必要とされる数学的基礎理論を理解するための基礎を学ぶ。離散数学分野では,記号を扱う数学的概念の総称である離散構造の範疇の中で、特にコンピュータサイエンスに関係深い概念を理解する。
授業の進め方・方法:
テキストを中心に講義,理解度向上のためのレポート課題を適宜実施する。
注意点:
・講義時に理解できなかった箇所は、質問し持ち越さないようにする。
・レポートや宿題は指定の期日までに必ず提出すること。(期限を過ぎた場合は減点対象となる。)
・講義は真剣に聞き、ノートはきちんととること。(授業態度の悪い学生は,減点対象となる。)
・授業中に終始寝ている学生や、スマートフォンなどをいじって授業に参加していない学生は、評価割合で算出した結果から回数に応じて最終的に減点を行うこととする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数 記数法 循環小数 ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。
2週 集合 離散集合 部分集合 包含関係 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。
3週 べき集合 集合演算 集合演算の性質 離散集合についての基本的な性質を理解できる。
4週 包除原理 集合の直和 直和分割 集合の直積 集合演算についての基本的な性質を理解できる。
5週 命題 述語 否定 選言 連言 含意 論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。
6週 排他的選言 同値 複合命題の否定 論理演算 論理的な扱いを数学的に理解することができる。
7週 逆 裏 対偶 必要条件 十分条件 証明  論理演算の体系や証明の形式について理解できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の試験解答と解説
関数 写像
写像についての基本的なことがらを理解できる。
10週 全射 単射 全単射 写像概念の1つである全単射が理解できる。
11週 逆写像 逆関数 写像の合成 中の全単射 写像の性質と写像の演算(合成)の性質が理解できる。
12週 置換 多変数関数 集合の比較と全単射 有限集合における全単射の概念である置換について理解できる。
13週 数え上げ 順列 組合せ  自然数の演算において重要な機能を果たす数え上げを理解できる。
14週 数学的帰納法 漸化式 数式を機能的に定義する 個数に上限のない要素の数え上げの基本となる帰納法について理解できる。
15週 帰納的アルゴリズム ユークリッド互除法 数列と数学的帰納法の考え方が理解できる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 前期期末試験の試験解答と解説
除法定理 剰余演算 累乗と累乗根
整数除算による剰余について、系統的に基礎的な知識がある。
2週 剰余の累乗と累乗根 剰余類と剰余系 整数の演算体系、整数の剰余についての算術体系を理解できる。
3週 剰余系における加法・乗法 剰余系での逆数 整数の演算体系、整数の剰余についての算術体系を理解できる。
4週 演算 代数系 演算の性質 群 抽象的な対象について、その演算とその性質を系統的に考え理解できる。
5週 等式と演算 逆元の演算 置換群 有限集合を対象とした代数系について、その基本的な性質が理解できる。
6週 2項関係 関係とグラフと関係行列 逆関係 集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。
7週 後期中間試験の試験解答と解説
関係の和 関係の合成 中の関係の合成
2項関係における関係の性質、関係の合成について説明ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 中の関係の性質 同値関係 同値類 関係の表現方法して用いられる関係グラフと関係行列について説明できる。
10週 離散グラフ 同型グラフ 離散グラフの特徴 有限個の接点を有限個の辺でつないだ有限グラフを対象に、その性質について基本的な内容を説明できる。
11週 離散無向グラフ 隣接行列 隣接行列の和 離散グラフの性質、グラフの行列による表現について基礎的な理解がある。
12週 隣接行列の積 多重グラフの隣接行列 多重グラフを用いて経路数を求めることができる。
13週 オイラーグラフ ハルミトン閉路 オイラー閉路を少なくとも1つ有する多重グラフについての性質を説明できる。
14週 木 寝付き木 順序木 構文木 構文木のリスト表現 木と寝付き木についてその性質、特徴について理解できる。
15週 グラフの探索と探索木 横型探索と縦型探索 最適探索 離散代数に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。
16週 学年末試験

評価割合

試験発表相互評価定期課題レポートその他合計
総合評価割合600020200100
基礎的能力0000000
専門的能力600020200100
分野横断的能力0000000