制御工学

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 制御工学
科目番号 0081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎制御工学(則次俊郎ほか,朝倉書店),自作プリント
担当教員 杉野 直規

到達目標

具体的に,以下のレベルを目標とする。
(1)制御系のふるまいを伝達関数やブロック線図を用いて表現することができる。
(2)制御系の過渡特性,定常特性ならびに周波数特性を説明する方法を習得している。
(3)制御系の安定性を判別する方法を習得している。
(4)実践的な制御法であるPID制御の特性を説明できる。
(5)シーケンス制御の基礎を理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:自動制御の定義と種類,フォードバック要素の概念と構成要素を説明できる.それを踏まえ伝達関数を説明でき,ラプラス変換を用いて伝達関数を求めることができる.さらにブロック線図を用いて制御系を表現できる.自動制御の定義と種類,フォードバック要素の概念と構成要素を理解できる.それを踏まえ伝達関数を理解でき,ラプラス変換を用いて伝達関数を求めることができる.さらにブロック線図を用いて制御系を表現できる.自動制御の定義と種類,フォードバック要素の概念と構成要素を理解できない.ラプラス変換を用いて伝達関数を求めることができない.さらにブロック線図を用いて制御系を表現できない.
評価項目2:制御系の,過渡応答,定常特性,周波数特性について説明できる.制御系の,過渡応答,定常特性,周波数特性について理解できる.制御系の,過渡応答,定常特性,周波数特性について理解できない.
評価項目3:安定判別法を理解し,それを用いて制御系の安定・不安定が判別できる.安定判別法を用いて制御系の安定・不安定が判別できる.安定判別法を用いて制御系の安定・不安定が判別できない.
評価項目4:PID制御および制御系の特性補償について説明できる.PID制御および制御系の特性補償について理解できる.PID制御および制御系の特性補償について理解できない.
評価項目5:シーケンス制御の基礎について理解し説明でき,初歩的なラダー図が構成できる.シーケンス制御の基礎について理解でき,初歩的なラダー図が構成できる.シーケンス制御の基礎について理解できない.初歩的なラダー図が構成できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE J(05) 説明 閉じる
本校 (1)-a 説明 閉じる
情報 (4)-a 説明 閉じる

教育方法等

概要:
製造業,ロボット工学などさまざまな分野で活用されている自動制御を達成するための制御工学について,フィードバック制御理論を中心にその基礎知識と体系について理解する。制御の概念を理解するとともに,制御系を数学的に表現し,その特性を解析できることを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書の内容を中心に講義を行う。理解を助けるために演習(小テスト),レポートなどを適宜課す。
注意点:
きちんと出席しないとレポート・演習をこなすことはできない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御技術の歴史,制御技術の方式 制御技術の歴史,制御の技術方式を説明できる。
2週 制御系の種類,フィードバック系の設計 制御系の種類,フィードバック系の設計を説明できる。
3週 伝達関数(1)-伝達関数とは- 制御系のモデリングを理解し,伝達関数の定義(一般式)を説明できる。
4週 伝達関数(2)-ラプラス変換①- ラプラス変換の定義が説明でき,基本関数のラプラス変換を求めることができる。
5週 伝達関数(3)-ラプラス変換②- ラプラス変換の諸定理を使用できる。
6週 伝達関数(4)-基本要素の伝達関数①- 線形化,アナロジーと基本要素の伝達関数を説明できる。
7週 伝達関数(5)-基本要素の伝達関数②- 基本要素(比例要素,微分要素,積分要素,一次遅れ要素,二次遅れ要素,むだ時間要素)の伝達関数を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 伝達関数(6)-基本要素の伝達関数③- 具体的要素の伝達関数を理解できる。
10週 伝達関数(7)-ブロック線図- ブロック線図の基本結合を理解し,ブロック線図を用いたシステムの表現法を理解できる。
11週 制御系の応答特性(1)-過渡応答とは①- 過渡応答について具体例を示し説明できる.また過渡応答を求める際にラプラス逆変換を使用できる。
12週 制御系の応答特性(2)-過渡応答とは②- 代表的要素(一次遅れ要素,二次遅れ要素)の過渡応答(ステップ応答)を説明できる。
13週 制御系の応答特性(3)-性能評価指標- 性能評価指標を説明できる。
14週 制御系の応答特性(4)-定常特性①- 制御系の定常特性について定常偏差を用いて説明できる。
15週 制御系の応答特性(5)-定常特性②- 定常偏差におよぼす制御系の形と入力の関係を説明できる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 制御系の応答特性(6)-周波数応答とは- 周波数応答の基礎を説明できる。
2週 制御系の応答特性(7)-ベクトル軌跡①- 基本的要素のベクトル軌跡(積分要素,一次遅れ要素)を説明できる。
3週 制御系の応答特性(8)-ベクトル軌跡②- 基本的要素のベクトル軌跡(二次遅れ要素,むだ時間要素)を説明できる。
4週 制御系の応答特性(9)-ボード線図①- ボード線図の描き方とボード線図(積分要素)を説明できる。
5週 制御系の応答特性(10)-ボード線図②- ボード線図(一次遅れ要素)を説明できる。
6週 制御系の応答特性(11)-ボード線図③- ボード線図(2次遅れ要素,むだ時間要素,その他の要素)を説明できる。
7週 制御系の応答特性(12)-ボード線図④- 一次遅れ要素のボード線図を描くことができる.また結合系のボード線図が理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 制御系の安定性(1)-安定性の概念と安定判別法①- 安定性の概念を説明できる。ラウスの安定判別法を理解し,これらを用いて制御系の安定判別が出来る。
10週 制御系の安定性(2)-安定判別法②- フルヴィッツの安定判別法を理解し,これらを用いて制御系の安定判別が出来る。
11週 制御系の安定性(3)-安定判別法③- 根軌跡法,ナイキストの安定判別法を説明できる。
12週 制御系の安定性(4)-位相余裕とゲイン余裕- ベクトル軌跡,ボード線図による安定度の評価を説明でき,位相余裕およびゲイン余裕を理解できる。
13週 PID制御(1)-PID制御の効果- P制御,PI制御,PD制御,PID制御のそれぞれの特徴を理解し,説明できる。
14週 PID制御(2)-パラメータ調整則- 限界感度法,過渡応答法などのパラメータ調整足を説明できる。
15週 シーケンス制御-シーケンス制御の基礎- シーケンス制御の基礎を理解し,初歩的なシーケンス制御のラダー図が構成できる。
16週 学年末試験

評価割合

試験演習(小テスト)レポート合計
総合評価割合701317100
基礎的能力0000
専門的能力701317100
分野横断的能力0000