船体運動学特論

科目基礎情報

学校	大島商船高等専門学校	開講年度	2017
授業科目	船体運動学特論
科目番号	0032	科目区分	専門 / 選択
授業形態	授業	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	海洋交通システム学専攻	対象学年	専2
開設期	前期	週時間数	2
教科書/教材	「操船の理論と実際」、井上欣三著、成山堂出版
担当教員	岩崎 寛希

到達目標

大型船の舵やプロペラ、サイドスラスタなどによる船体運動応答を理解し、外力の影響を含めた巡航時や低速時の操縦に生かすことができる。具体的な内容については、
(1)舵に対する旋回や速度応答について理解し、ＩＭＯの定めた操縦基準について学ぶ。
(2)プロペラ回転数と推力の関係、また船速との関係を理解し、船体抵抗の推定方法、推力と抵抗の釣合関係から推力特性を見出せる。
(3)サイドスラスタやタグの力を理解する。また、それらの本船の船速に応じた効果の減衰特性を学ぶ。
(4)外力特に風圧力の大きさの推定方法を学び、風圧力の本船操縦に及ぼす影響を理解する。、

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1	舵に対する本船の旋回応答特性から操縦性指数Ｔ，Ｋを割り出し、それら指数の意味を理解できる。	操縦性指数Ｔ，Ｋの意味と操縦性の関係は理解できる。	操縦性指数Ｔ，Ｋの意味が理解できない。
評価項目2	プロペラ推力をプロペラ緒元から推定でき、船体抵抗も理解できる。それらの関係からプロペラの回転数から本船船速を予想できる。	プロペラ緒元からプロペラ推力を推定できる。船体抵抗の推定も理解するが、２者の関係から船速が割り出すことが理解しにくい。	プロペラ推力、船体抵抗についても理解できていない。
評価項目3	船首尾に働くサイドスラスタやタグ力を理解し、本船への操縦影響を見積もることができる。また、本船速力が増すにつれ、その影響力が減衰することも理解できる。	サイドスラスタやタグ力は理解するが、本船への操縦影響は理解が進まない。	スラスタ、タグ力も理解できない。また本船への操縦影響も見積もれない。
評価項目4	風圧力を見積もることができ、本船への操縦影響も理解できる。	風圧力は算出できるが、本船への操縦影響は見積もれない。	風圧力そのものが理解できない。

学科の到達目標項目との関係

本校 (1)-c

専攻科 (5)-a

教育方法等

概要:

大型船の巡行時、減速時、港内操船時における操縦性能について理解し、実際の船種ごとのデータをもとに操船現場で役立つ知識やノウハウを習得する。

授業の進め方・方法:

講義形式で授業を進めながら、疑問点や難点箇所などは討論を行い、理解を深める。また、評価項目１，２、評価項目3，4の終了時に各自テーマを決めさせ、プレゼンを行わせて理解度合いを評価する。

注意点:

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	Ｚ試験を用いた操縦性指数Ｔ，Ｋの確定方法ならびに物理的な意味	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		2週	Ｚ試験を用いた操縦性指数Ｔ，Ｋの確定方法ならびに物理的な意味	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		3週	操縦性指数Ｔ，Ｋに代わるＩＭＯ操縦性基準が作られた意義	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		4週	プロペラ諸元を用いたプロペラ推力の推定法	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		5週	プロペラ諸元を用いたプロペラ推力の推定法	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		6週	船体抵抗の推定法とプロペラ推力との釣合	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		7週	評価項目１，２によって定めたテーマによる発表会	プレゼン内容と質疑応答を見ながら項目の理解度を評価する。
		8週	サイドスラスタと本船操縦への効果	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
	2ndQ
		9週	サイドスラスタと本船操縦への効果	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		10週	タグによる本船操縦性への効果	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		11週	本船の船速によってのサイドスラスタ、タグ力の減衰	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		12週	風圧力の理論と推定方法	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		13週	風圧力の理論と推定方法	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		14週	風圧力の本船操縦への影響	討議を含めた講義方式。講義ノートを整理する。
		15週	評価項目３，４によって定めたテーマによる発表会	プレゼン内容と質疑応答を見ながら項目の理解度を評価する。
		16週	試験の返却	講義内容、試験問題をレビューし理解内容を確認する。

評価割合

	試験	発表	合計
総合評価割合	60	40	100
基礎的能力	30	20	50
専門的能力	30	20	50