到達目標
この講義は,今までに受講してきた知識を生かし,工夫を凝らし創造しながらひとつの組み込みシステムを作ることを,演習を中心としたグループ学習により,実践する講義である。
知識とは,具体的に,電子回路・制御工学・プログラミング・マイコンの扱い方をさし,これらを適宜復習しながら,ディジタルシステムを作る際の課題を解決するための基礎的な方法を会得する。
具体的な学習目標は以下の通りである。
(1) モーターの数学モデルを構築できる
(2) ディジタルシステム構築に必要な電気回路が理解できる
(3) 基礎的な技術英語を読むことができる
(4) マイコンの使い方が理解できる
(5) フィードバック制御を知り理解できる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標1 | 実際のデータから数学的なモデルを構築する方法が理解でき,詳細に説明できる | 実際のデータから数学的なモデルを構築する方法が理解できる | 実際のデータから数学的なモデルを構築する方法が理解できない |
到達目標2 | 回転計,モーターを駆動する回路を制作でき,詳細に説明できる | 回転計,モーターを駆動する回路を制作できる | 回転計,モーターを駆動する回路を制作できない |
到達目標3 | 英語でかかれたパーツのデーターシートが理解でき,詳細に説明できる | 英語でかかれたパーツのデーターシートが理解できる | 英語でかかれたパーツのデーターシートが理解できない |
到達目標4 | マイコンによる電圧出力・読み取りができ,詳細に説明できる | マイコンによる電圧出力・読み取りができる | マイコンによる電圧出力・読み取りができない |
到達目標5 | 課題のシステムにPI制御を適用でき,詳細に説明できる | 課題のシステムにPI制御を適用できる | 課題のシステムにPI制御を適用できない |
学科の到達目標項目との関係
JABEE J(05)
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本校 (1)-a
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専攻科 (5)-b
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教育方法等
概要:
今までに受講してきた知識を生かし,工夫を凝らし創造しながらひとつの組み込みシステムを作ることを,演習を中心としたグループ学習により,実践する。
授業の進め方・方法:
適宜復習しながら,システムを作る上で明らかになる課題を解決するための基礎的な方法を会得する。
課題は,「モーターを指定の速度に制御する方法」とし,そのためには,どのようなモノ・知識が必要になるかを考察し,それらがなぜ必要になるのかを議論できるようになる。
その際には,必要ならば,基礎的な技術的英語にも触れて,幅広い視野で課題を解決する能力を養う。
グループで考え実践することで,計画性,多様なアイデアをまとめて実施する能力,自分の考えを相手に伝えるプレゼンテーション能力などの社会で必要とされる能力を養う。
注意点:
制御工学とC言語の教科書や参考書を持参のこと。受講にあたって,制御工学,電子回路をよく理解していること,CADの扱いやマイコンおよびプログラミングが自由に行えること。ノートPC持参のこと。また,受講人数が多い場合,機材数の関係で人数調整を行うことがある。機材の関係上,開講が難しい場合もある。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
システムの概要 |
システムを実現するために必要なモノと知識を理解する
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2週 |
マイコンを使用する(1) |
マイコンを使うための環境を準備できる。簡単なプログラムができる
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3週 |
マイコンを使用する(2) |
マイコンの持つ機能を理解し,簡単な回路を制御することができる
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4週 |
モーターを駆動する回路を作る(1) |
モーターを駆動する回路を作ることができる
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5週 |
モーターを駆動する回路を作る(2) |
マイコンからモーターを駆動する回路を制御できる
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6週 |
モーターの回転速度を計測する回路を作る(1) |
回転計の原理がわかり,回路を制作できる
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7週 |
モーターの回転速度を計測する回路を作る(2) |
マイコンと回転計の回路を使用して,回転数をPCに表示させるプログラムを作ることができる
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8週 |
モーターの回転速度を計測する回路を作る(3) |
マイコンと回転計の回路を使用して,回転数をPCに表示させるプログラムを作ることができる
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4thQ |
9週 |
モーターの回転速度を計測する回路を作る(4) |
マイコンと回転計の回路を使用して,回転数をPCに表示させるプログラムを作ることができる
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10週 |
モーターの振る舞いを表す数式モデル |
モーターの電圧に対する角速度の応答を数式表現できる
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11週 |
モーターを指定の速度に制御する(1) |
指定の速度でコントロールする基本的な方法が説明できる
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12週 |
モーターを指定の速度に制御する(2) |
フィードバック制御について説明できる
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13週 |
モーターを指定の速度に制御する(3) |
PI制御をシステムに適用できる
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14週 |
システムについて振り返る(1) |
各回路やプログラムの役割を実際に制作したシステムを通して振り返り,レポートとしてまとめることができる
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15週 |
システムについて振り返る(2) |
各回路やプログラムの役割を実際に制作したシステムを通して振り返り,レポートとしてまとめることができる
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16週 |
課題レポートの提出 |
製作したシステムについてまとめたレポートを提出する
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評価割合
| レポート | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
専門的能力 | 100 | 100 |