認識工学

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 認識工学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子・情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 石井他共著:分かりやすいパターン認識、オーム社 /自作プリント
担当教員 岡村 健史郎

到達目標

統計と確率的な数理解析手法を駆使した認識手法や知識処理技術と組み合わせたパターン認識理解システムが、数多くの分野で多くの成果をあげている。これらのシステムにおいては、認識対象となる多次元のパターンを扱う上で、学習及び特徴の選択という概念が重要な働きを持つ。本講義は、これらパターン認識と学習の基礎的方法、特徴選択の理論を、文字認識を例に解説する更に、文字認識を応用し、画像処理と知識処理を組み合わせた文書画像処理やパーティクルフィルターを用いた物体追跡などの例も紹介する。 具体的な学習到達目標は以下の通りである。
(1)パターン認識の基本的な処理を理解できる。
(2)識別関数に関して具体例を出して説明できる。
(3)特徴選択に関して具体例を出して説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1特徴抽出の具体例を説明し、線形識別関数を具体的な問題で設定できる。特徴抽出の具体例を説明し、線形識別関数を具体的な問題で設定できる。特徴抽出がどのようなものか理解できない
評価項目2識別関数に関して具体例を出して説明出来る。資料を見ながら、識別関数に関して具体例を出して説明出来る。識別関数がどのような物か理解できない。
評価項目3KL展開(主成分分析)を、具体的な問題に対して利用することができる。資料を見ながら、KL展開(主成分分析)を、具体的な問題に対して利用することができる。線形代数が理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE J(05) 説明 閉じる
本校 (1)-c 説明 閉じる
専攻科 (5)-b 説明 閉じる

教育方法等

概要:
統計と確率的な数理解析手法を駆使した認識手法や知識処理技術と組み合わせたパターン認識理解システムが、数多くの分野で多くの成果をあげている。これらのシステムにおいては、認識対象となる多次元のパターンを扱う上で、学習及び特徴の選択という概念が重要な働きを持つ。本講義は、これらパターン認識と学習の基礎的方法、特徴選択の理論を、文字認識を例に解説する更に、文字認識を応用し、画像処理と知識処理を組み合わせた文書画像処理やパーティクルフィルターを用いた物体追跡などの例も紹介する。
授業の進め方・方法:
認識対象となる多次元のパターンを扱う上で、学習及び特徴の選択という概念が重要な働きを持つ。これらを理解するために講義をした後、2人~3人のグループになり、具体的なデータを作成した後、机上で特徴抽出した後、最近傍識別器によるシミュレーション実験を認識を行う。この時、グループで考えた特徴抽出法の評価を、グループの認識率によりおこなう。
注意点:
(1)統計学(情報工学科3年次)、線形代数(本科3年数学の一部)、パターン認識(情報工学科5年次)を履修しておくことが望ましい。)
(2)自学自修は、7回程度提示するレポート課題(コンピュータ実習やグループで仕上げる課題など)を仕上げて指定期日までに提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入教育とパターン認識概要 シラバスを理解し、パターン認識系の歴史とパターン認識系の構成概要を説明できる。
2週 導入教育とパターン認識概要
特徴抽出概要
特徴抽出概要を説明できる。
3週 学習と識別関数 学習と識別関数を説明できる。
4週 パーセプトロンの学習規則 パーセプトロンの学習規則を説明できる。
5週 ニューラルネットと誤差逆伝搬
ニューラルネットと誤差逆伝搬を説明できる。
6週 パラメトリックな学習とノンパラメトリックな学習
パラメトリックな学習とノンパラメトリックな学習~ベイズ決定則とマハラノビス距離を説明できる。
7週 特徴空間の次元数と学習パターン
学習パターンが少ない場合の設計法を説明できる。
8週 識別問題具体例1(講義)
ユークリッド距離とマハラノビス距離を説明できる。
2ndQ
9週 識別問題具体例2(演習・実習) ユークリッド距離とマハラノビス距離を用いた認識問題をコンピュータを使って解くことができる。
10週 特徴の評価とベイズ誤り確率 特徴の評価とベイズ誤り確率について理解できる。
11週 特徴選択と特徴空間の変換概要 特徴選択と特徴空間の変換概要について理解できる。
12週 クラス内分散・クラス間分散 パターン集合の分布を、クラス内分散・クラス間分散比最大化の観点にて変換することができる。
13週 主成分分析(KL展開)

主成分分析を統計の考え方を使って説明し、具体的な問題に応用できる。
14週 主成分分析(KL展開) 部分空間法を説明できる。
15週 その他の認識問題 SVM、パーティクルフィルタについて概要を理解できる。
16週 試験返却 試験にある問題を全て理解できる

評価割合

試験レポート授業参加度合計
総合評価割合405010100
基礎的能力1010020
専門的能力30301070
分野横断的能力010010