科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物理
科目番号 1112B01 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教養 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 総合物理1,2(数研出版),リードα(数研出版)
担当教員 松尾 俊寛,山田 洋平,園田 昭彦

到達目標

物理学を通じて自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,幅広い自然諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を身に付ける.
さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,工学の数多くの分野において,科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベル(可)
運動量の保存運動量の保存について説明でき,その諸問題について解決する能力がある.運動量の保存を用いて,問題を解くことができる.運動量などの計算ができる.
円運動と万有引力円運動と単振動の関係について説明でき,万有引力についても説明できる.また,これらを利用して,問題を解決できる能力がある.円運動や万有引力を利用して,問題を解くことができる.円運動や万有引力についての基本問題の計算ができる.
剛体にはたらく力のつりあい力のモーメント,剛体のつりあい,重心などを説明でき,これらを用いて,問題を解決できる能力がある.力のモーメント,剛体のつりあい,重心などを用いて,問題を解くことができる.力のモーメント,剛体のつりあい,重心などを用いて,基本問題の計算ができる.
熱量の保存熱量の保存を用いて,物体の比熱を求めることができ,熱と仕事の関係を説明できる能力がある.熱量の保存を用いて,物体の比熱を求めることができる.熱量の保存則を用いて,基本問題の計算ができる.
熱力学第一法則熱力学第一法則について説明でき,気体が状態変化したときの内部エネルギーの変化,気体がされた仕事,気体に与えた熱量の関係が説明できる寮力がある.熱力学第一法則に関する諸問題を解くことができる.熱力学第一法則に関する基本問題の計算ができる.
波の性質波の波長や振動数などの基本量を用いて,波を記述でき,波の基本原理,諸現象について説明できる能力がある.波の波長や振動数などの基本量の計算ができ,波の基本原理,諸現象についての標準問題を解くことができる.波の波長や振動数などの基本量の計算ができる.
発音体の振動や共振・共鳴,及び,音のドップラー効果について説明でき,これらの諸問題を解決できる能力がある.発音体の振動や共振・共鳴,及び,音のドップラー効果についての標準問題を解くことができる.発音体の振動や共振・共鳴,及び,音のドップラー効果についての基本問題を解くことができる.
光の性質について説明でき,光の干渉や回折などの諸問題を解決できる能力がある.光の性質について理解し,光の干渉や回折などの標準問題を解くことができる.光の性質について理解し,光の干渉や回折などの基本問題を解くことができる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学は自然現象の探求を目的として発展した学問であるが,その成果は基礎科学だけでなく,工学分野の基礎としても根付いている.
本講義では,物理学の学習を通じて自然現象を系統的•論理的に考えていく力を養い,幅広い自然現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を身につける.
2年生では,力学,熱力学,波動を中心に学習する.
授業の進め方・方法:
講義では積極的に発言し,理解できないことや疑問に思ったことなどは質問すること.また,友達や先輩などを捕まえて積極的に議論を行うこと.予習→講義→復習,このサイクルを大切にし,自分の理解度が定量的に分かるようにしておくこと.
注意点:
科目コード:1112B01

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 運動量と力積 運動量と力積を計算できる.
2週 運動量保存則 運動量保存則を使って問題を解くことができる.
3週 反発係数 反発係数を計算できる.
4週 円運動 角速度を使って変位や速度等を計算できる。
5週 円運動の加速度 円運動における加速度や向心力を計算できる。
6週 慣性力 慣性力を求めることができる.
7週 遠心力 遠心力を計算できる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 単振動 単振動の式を理解できる.
10週 単振り子 単振り子の周期を導出できる.
11週 万有引力 万有引力の法則を理解できる.
12週 剛体に働く力のつりあい 剛体のつりあいの式をたてることができる.
13週 剛体に働く力のつりあい 力のモーメントを説明できる.
14週 熱と仕事 熱と仕事について説明できる.
15週 気体の法則 気体の法則を用いて気体の状態を計算できる.
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 気体分子の運動 気体分子の運動によって温度や圧力などの巨視的量を説明できる.
2週 気体分子の運動 気体分子の運動によって温度や圧力などの巨視的量を説明できる.
3週 気体の状態変化 熱力学第一法則により気体の状態変化を説明でき,状態量の計算ができる.
4週 不可逆変化と熱機関 熱が関与する変化は一般に不可逆であることを説明できる.
5週 波の性質 波の波長,周期,振動数,速さについて説明できる.
6週 正弦波,横波・縦波 正弦波について理解し,横波と縦波の違いについて説明できる.
7週 波の重ねあわせの原理 波の重ね合わせの原理と波の独立性を理解できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 波の反射と波の干渉 自由端と固定端について説明でき,波の干渉に関する基本問題が解くことができる.
10週 波の反射,屈折,回折 ホイヘンスの原理を理解し,波の反射の法則,屈折の法則,および回折について説明できる.
11週 音の性質 音の性質について説明できる.
12週 発音体 弦や発音体の固有振動数を求めることができる.
13週 音のドップラー効果 一直線上の運動におけるドップラー効果の音の振動数変化を計算できる.
14週 光の性質 光の性質について説明できる.
15週 光の干渉・回折 光の干渉や回折の基本問題を解くことができる.
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3

評価割合

試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合551051020100
基礎的能力40105102085
専門的能力15000015
分野横断的能力000000