物理学を通じて自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,幅広い自然諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を身に付ける.さらに,物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,工学の数多くの分野において,科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識する.
概要:
物理学は自然現象の探求を目的として発展した学問であるが,その成果は基礎科学だけでなく,工学分野の基礎としても根付いている.本講義では,物理学の学習を通じて自然現象を系統的•論理的に考えていく力を養い,幅広い自然現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を身につける.2年生では,力学,熱力学,波動を中心に学習する.
授業の進め方・方法:
講義では理解できないことや疑問に思ったことなどは積極的に質問すること.また,友達や先輩と積極的に議論を行うこと.予習→講義→復習,このサイクルを大切にし,自分の理解度が定量的に分かるようにしておくこと.本講義では座学だけでなく,実験も行う.
【授業時間60時間】
注意点:
本科目は数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシー)を構成し,プログラムの修了には本科目の修得が必要である.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 前7 |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
運動の法則について説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前9 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前4 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 前1 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 前1 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前2,前3 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 前9 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | 前5,前6 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 前11,前12 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前11,前12 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前13 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前13 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前13 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前13 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 前15 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前15,後2 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 後3 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 後3 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 後3 |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | 前10,前13,後4 |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | 前10,前13,後4 |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | 前10,前13,後4 |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | 前10,前13,後4 |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前10 |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前13 |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後12 |
化学(一般) | 化学(一般) | ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 前14 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 前14 |