1.近現代の歴史の変化に関する諸事象について、世界とその中の日本をひろく相互的な視野から捉え、現代的な諸課題の形成に関する近現代の歴史を理解する。
2.諸資料から歴史の変化に関わる様々な情報を適切かつ効果的に調べまとめる技能を身につける。
3.近現代の歴史の変化に関わる諸事象について、よりよい社会の実現を視野に課題を主体的に追求、解決しようとする態度を養う。
4.日本国民としての自覚、自国の歴史に対する愛情、他国や他国の文化を尊重することの大切さについての自覚を深める。
概要:
近現代の歴史の変化に関わる諸事象について、世界とその中の日本を広く相互的な視野から捉え、資料を活用しながら歴史の学び方を習得し、現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察・構想・表現する。
授業の進め方・方法:
学生それぞれが長期的な変化に関わる諸資料を読み取り、歴史の事象への問いを持つ。学生が表現した問いを踏まえ、現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史に関する理解を深める。学生が主題を設定して、考察・構想・表現する。
注意点:
主体的な態度で講義に参加するようにしましょう。
参考書:山川歴史総合用語解説 (山川出版社)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
歴史と私たち 歴史の特質と資料 近代化と私たち |
生活や身近な地域などに見られる諸事象を基に、それらが日本や日本周辺の地域及び世界の歴史とつながっていることを理解する。複数の資料の関係や異同に着目して、資料から読み取った情報の意味や意義、特色などを考察し、表現できる。近代化に伴う生活や社会の変容について考察し、問いと表現をすることができる。
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2週 |
結び付く世界と日本の開国 (18世紀の東アジアにおける社会と経済) |
18世紀の中国と日本では、消費生産と流通網がどのように発達したのか理解することができる。
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3週 |
結び付く世界と日本の開国 (貿易が結んだ世界と経済・産業革命) |
18世紀の世界と日本がどのように結び付いていたのか理解することができる。18世紀から始まる産業革命が世界をどのように変えたのか理解することができる。
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4週 |
結び付く世界と日本の開国 (中国の開港と日本の開国) |
清の開港と日本の開国によって、東アジアがどのように変化したのか考察することができる。
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5週 |
国民国家と明治維新 (市民革命・国民国家とナショナリズム) |
市民革命が社会にどのような変化をもたらしたのか理解することができる。国民国家とはどのようなものか考察し、表現することができる。
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6週 |
国民国家と明治維新 (明治維新・日本の産業革命) |
日本はどのようにして国民が政治に参加する国になったのか理解することができる。日本の産業革命がイギリスの産業革命に比べてきわめて短期間で達成することができた要因を考察し、表現することができる。
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7週 |
国民国家と明治維新 (帝国主義) |
帝国主義の出現が世界をどのように変えたのか理解することができる。
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8週 |
中間試験 |
講義で学習した内容を理解し、その成果を充分に発揮することができる。
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2ndQ |
9週 |
国民国家と明治維新 (変容する東アジアの国際秩序・日露戦争と東アジアの変動) |
日清戦争はどのようにしておこり、その後の東アジアにどのような影響を与えたのか考察し、表現することができる。列強の対立が激しくなるなか、東アジアがどのように変化したのか理解することができる。
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10週 |
総力戦と社会運動 (第一次世界大戦の展開) |
第一次世界大戦は、その後の世界にどのような影響を与えたのか理解することができる。
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11週 |
総力戦と社会運動 (ソヴィエト連邦の成立とアメリカ合衆国の台頭・ヴェルサイユ体制とワシントン体制) |
第二次世界大戦後の世界において、ソ連とアメリカはどのような影響力を持ったのか考察し、表現することができる。第一次世界大戦後、新たにどのような国際体制が築かれたのか理解することができる。
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12週 |
総力戦と社会運動 (世界経済の変容と日本・アジアのナショナリズム) |
第一次世界大戦は、世界経済の構造をどのように変え、日本経済にどのような影響を与えたか考察し、表現することができる。アジアのナショナリズムが高まった理由を理解することができる。
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13週 |
総力戦と社会運動 (大衆の政治参加・消費社会と大衆文化) |
権利を求める声をだれが発し、どのように社会へ広がったのか理解することができる。 1920年代には、どのような文化や生活習慣が広がったのか理解することができる。
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14週 |
経済危機と第二次世界大戦 (世界恐慌の時代・ファシズムの伸張と共産主義) |
世界恐慌はなぜ波及し、それに各国はどのように対応したのか理解することができる。 ファシズムが勢力を伸張し、ヴェルサイユ体制が崩壊した理由を理解することができる。
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15週 |
経済危機と第二次世界大戦 (日中戦争への道) |
日本はどのようにして中国との戦争に向かったのか理解することができる。
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16週 |
期末試験返却 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
経済危機と第二次世界大戦 (第二次世界大戦の展開・第二次世界大戦下の社会) |
第二次世界大戦の性格と惨禍、第二次世界大戦下の社会状況や人々の生活を理解することができる。
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2週 |
経済危機と第二次世界大戦 (国際連合と国際経済体制・占領と戦後改革) |
新たな国際体制がどのように形成されたのか理解することができる。占領が日本をどのように変えたのか理解することができる。
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3週 |
経済危機と第二次世界大戦 (冷戦の始まりと東アジア諸国の動向・日本の独立と日米安全保障条約) |
世界の分断はどのように表面化し、進んだのか理解することができる。日本がどのようにして国際社会に復帰したのか理解することができる。
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4週 |
冷戦と世界経済 (冷戦下の地域紛争と脱植民地化・東西両陣営の動向と1960年代の社会) |
冷戦下で、アジアやアフリカ諸国はそれぞれどのような動きをみせたのか考察し、表現することができる。東西両陣営の社会の変化を理解することができる。
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5週 |
冷戦と世界経済 (軍拡競争から緊張緩和へ・地域連携の形成と展開) |
核兵器の開発とその抑制は、どのように試みられてきたのか理解することができる。ヨーロッパの統合と東南アジアやアフリカなどの統合の特徴を考察し、表現することができる。
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6週 |
冷戦と世界経済 (計画経済とその波及・日本の高度経済成長)
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社会主義・計画経済が20世紀後半の世界に与えた影響について考察し、表現することができる。高度経済成長をもたらしたものとその影響を理解することができる。
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7週 |
冷戦と世界経済 (アジアのなかの戦後日本) |
戦後処理を通じて、日本とアジアの国々がどのような関係を結んだのか理解することができる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
世界秩序の変容と日本 (石油危機・アジア諸地域の経済発展) |
石油危機が世界は日本の社会・経済に与えた影響について考察し、表現することができる。20世紀後半のアジアの経済発展を可能にしたものは何か考察し、表現することができる。
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10週 |
世界秩序の変容と日本 (市場開放と経済の自由化・情報技術革命とグローバリゼーション) |
経済のグローバル化が世界と日本に与えた影響について考察し、表現することができる。1990年代後半に本格化した情報技術革命は、世界をどのように変えたのか考察し、表現することができる。
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11週 |
世界秩序の変容と日本 (冷戦の終結とソ連の崩壊) |
冷戦の終結はどのような背景のもとで進み、どのような影響を与えたのか理解することができる。
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12週 |
世界秩序の変容と日本 (現代の東アジア・東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカの民主化) |
今日の東アジアの国々が抱える課題について理解することができる。各国の民主化にはどのような成果と課題があるのか考察し、表現することができる。
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13週 |
世界秩序の変容と日本 (地域統合の拡大と変容・地域紛争と国際社会) |
地域統合が、人々や社会に与える影響について考察し、表現することができる。冷戦の終結は、協調と平和をもたらしたのか考察することができる。
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14週 |
世界秩序の変容と日本 (現代と私たち) |
歴史から何を学び、課題の解決に挑むべきか考察し、表現することができる。
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15週 |
現代的な諸課題の形成と展望 |
歴史的な見方や考え方を生かして、未来を展望することができる。
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16週 |
期末試験返却 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 3 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | |