科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理
科目番号 1113B01 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教養 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 総合物理2(数研)
担当教員 松尾 俊寛

到達目標

電磁気:クーロンの法則や電場、電位などの基本的概念を説明できる。また、電流が磁場を生み出すことを説明でき、簡単な場合について磁場の強さを計算できる。
量子論:光や電子の粒子性と波動性を説明でき、ボーアの原子模型から離散スペクトルを計算できる。
微分積分を用いた力学:微積分を用いて力学の法則を表し、基本的な問題を扱うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安
電磁気クーロンの法則や電場、電位などの基本的概念を理解し、法則を数式を用いて説明することができる。それらに基づいて応用問題の解決に利用できる。 電流が磁場を生み出すことを理解し法則を数式で説明できる。磁気に関する基礎的な現象を法則にもとづいて計算できる。電気に関する基礎的な現象を説明でき、クーロンの法則や電場、電位などの基本的概念を公式で表し、問題解決に運用できる。 電流が磁場を生み出すことを説明でき公式を数式で表すことができる。それを用いて簡単な場合について磁場の強さを計算できる。電気に関する基礎的な現象をあげることができ、クーロンの法則や電場などの基本的概念を説明できる。 電流が磁場を生み出すことを理解し、磁気に関する基礎的な現象を説明できる。
量子論光や電子の二重性を説明でき、基本的な公式を用いて問題解決に応用できる。ボーアの理論を理解し、離散スペクトルが現れることを説明できる。光や電子の粒子性・波動性を説明でき、基本的な公式を運用できる。ボーアの理論から離散スペクトルを計算できる。光や電子の粒子性・波動性を説明できる。ボーアの量子条件を説明できる。
微分積分を用いた力学力学の基本法則を微積分を用いて表すことができ、公式の導出に適用できる。また種々の典型的な問題解決に応用できる。微分積分を用いて力学の問題に関する基本的な扱いができる。力学に現れる諸量や公式を微分積分の言葉で表すことができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学は自然現象の探求を目的として発展した学問であるが、その成果は現代科学技術の基礎としてあらゆる分野に使われている。本講義では、物理学の学習を通じて自然現象を系統的・論理的に考えていく力を養い、広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方、考え方を身につける。3年では、おもに電磁気学と量子論の基礎を学ぶ。また、微分積分を用いた力学の扱い方について初等的な内容の学習をおこなう。
授業の進め方・方法:
授業は、小テスト(前回の復習)、講義による説明(新しく学ぶ内容)、問題演習(学んだ内容の確認)で構成します。
【授業時間60時間】
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静電気力 クーロンの法則により電荷間に働く力を計算できる
2週 電場 電荷がつくる電場を説明できる
3週 電位 電場の位置エネルギーとして電位を説明できる
4週 電流 荷電粒子の運動の総体として電流を説明できる
5週 ジュール熱と電力 電流のミクロモデルからジュール熱が説明できる
6週 磁場の性質と電流の作る磁場 電流の作る磁場を計算できる
7週 電流が磁場から受ける力 電流が磁場から受ける力を計算できる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ローレンツ力1 磁場中を運動する荷電粒子が受ける力を説明できる
10週 ローレンツ力2 ホール効果やサイクロトロンの問題を解くことができる
11週 電磁誘導の法則1 電場や磁場が変化するときの現象を説明できる
12週 電磁誘導の法則2 誘導起電力とエネルギーについて説明できる
13週 電磁波 電場と磁場の変化によって電磁波が生じることを説明できる
14週 光の性質 光の性質について説明できる
15週 光の干渉・回折 光の干渉や回折の基本問題を解くことができる
16週 期末試験返却
後期
3rdQ
1週 陰極線と電子 電子の比電荷を説明できる
2週 ミリカンの実験 電気素量の測定実験の内容を説明できる
3週 光量子説 アインシュタインの光量子説を説明できる
4週 X線の波動性と粒子性 X線の波動性とブラッグ条件、粒子性とコンプトン効果を説明できる
5週 物質波 ドブロイの物質波を説明できる
6週 原子の構造 ラザフォードの原子模型を説明できる
7週 ボーアの理論 ボーアの理論によりエネルギー準位の計算ができる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 微分積分を用いた力学1 速度や加速度のような基本的な量を微分や積分を用いて表すことができる
10週 微分積分を用いた力学2 運動方程式を微分方程式の形で表すことができる
11週 微分積分を用いた力学3 仕事や力積を積分の形で表すことができる
12週 CBT試験
13週 微分積分を用いた力学4 万有引力や静電気力による位置エネルギーを積分を用いて導出できる
14週 微分積分を用いた力学5 単振動や円運動を微分積分を用いて扱うことができる
15週 微分積分を用いた力学6 微分方程式の簡単な例について解くことができる
16週 期末試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前13,前14
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前15
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
波動自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3前1
電場・電位について説明できる。3前2
クーロンの法則が説明できる。3前1
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3前1
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前3
ジュール熱や電力を求めることができる。3前4
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ 発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合70151050100
基礎的能力5015105080
専門的能力20000020
分野横断的能力000000