地理総合

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 地理総合
科目番号 1113I42 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教養 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 高等学校新地理総合(帝国書院)/標準高等地図(帝国書院)
担当教員 宮本 覚和,今田 浩之

到達目標

1.自然環境、資源、産業、都市・村落、生活文化に関する地域性について系統地理的に理解できる。
2.現代世界を構成する各地域を地誌的に考察し、多様な特色を持っていることを理解できる。
3.地理的に考察する意義や有用性に気づき、地理的な見方や考え方を身につけられる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベル(可)
到達目標1自然環境と人間生活のかかわりと地域性について、地理的事象から課題を設定し、追究できる。自然環境と人間生活のかかわりと地域性を系統地理的に理解し、それらの知識を身につけて説明できる。自然環境と人間生活について、個別の事象のみ説明できる。
到達目標2現代社会の各地域に関する資料や情報を地誌的に追究する技能を身につけ、まとめることができる。現代社会の各地域について、多様な特色があることを理解し、それらの知識を身につけて説明できる。現代社会の各地域について、特定の国・項目についてのみ説明できる。
到達目標3現代世界の多様性や地域性をとらえる視点や方法を考察し、系統地理・地誌の両面から説明できる。地理的に考察する意義と有用性に気づき、現代世界と日本を概観し、地理的事象について説明できる。地図を見て、現代社会の各地域の位置と地形のみ説明できる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代世界の地理的事象を系統地理的、地誌的に考察する。
授業の進め方・方法:
講義形式での授業をつうじて、現代世界の地理的認識を養うとともに、地理的な見方や考え方を培い、国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を養う。
注意点:
都道府県名や主要国名、首都名などは地理学習の基本です。地図帳を開く習慣を身につけてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 地球上の位置と私たちの生活 時差と私たちの生活 地球儀と地図 身の回りの地図 緯度・経度の基本的なしくみ,緯度の違いが生活に与える影響について,多面的・多角的に考察し,表現できる。
2週 統計地図の種類と利用 地理情報システム(GIS)の活用 地理情報システム(GIS)のしくみやこれを支える技術,GISの活用場面について理解しており,基礎的・基本的な技能を身に付けている。
3週 現代世界の国家 日本の位置や領域 国家間の結び付き 貿易によって結び付く世界 日本の位置と領域,排他的経済水域の特徴,日本の領土をめぐる問題について理解している。国際関係と紛争の変化,国連が果たす役割,経済のグローバル化と地域ごとの経済的な結びつきについて理解している。暮らしを支える貿易,貿易の変化と国際分業の成立,自由化する世界の貿易について理解している。
4週 さまざまな交通網の発達 世界を結ぶ通信網の発達 観光のグローバル化 世界を結ぶ航空交通の発達,貿易を支える海上交通の発達,陸上交通の発達と変化について理解している。通信技術の発達と一体化する世界,情報通信技術の発達で変化する生活行動,情報通信技術が生み出す格差について理解している。観光のグローバル化,多様化する観光のスタイルについて,多面的・多角的に考察し,表現している。
5週 生活文化を考察する方法 大地形と人々の生活 変動帯と人々の生活 安定地域と人々の生活 生活の舞台となる陸地,地形をつくる営力,大地形を構成する変動帯と安定地域について理解している。変動帯のプレート境界と生活への影響,地震・火山と生活への影響について理解している。安定地域の平野と生活への影響,安定地域の山地と生活への影響について理解している。
6週 河川がつくる地形と人々の生活 海岸の地形と人々の生活 氷河地形・乾燥地形・カルスト地形と人々の生活 河川がつくる地形と生活の関わり,上・中流域の地形と生活への影響,下流域の地形と生活への影響について理解している。海の恵みを生かした産業,海岸の地形と生活の関わりについて理解している。氷河地形と生活の関わり,カルスト地形と生活の関わり,乾燥地形と生活の関わりについて理解している。
7週 気温・降水と人々の生活 大気大循環と人々の生活 世界の植生と気候区分 気候が生活に与える影響,気温のしくみと分布の特徴,降水のしくみと分布の特徴について,多面的・多角的に考察し,表現している。大気大循環・恒常風のしくみと生活への影響,季節風(モンスーン)のしくみと生活への影響について,多面的・多角的に考察し,表現している。
8週 中間試験
2ndQ
9週 熱帯の生活 乾燥帯の生活 温帯の生活 亜寒帯・寒帯の生活 気候・植生と生活との関わりについて理解している。気候・植生と生活との関わりについて,多面的・多角的に考察し,表現している。
10週 人々をひきつける多様な自然環境 自然環境を生かした産業と人々の生活 モンスーンの影響を受けてきた人々の生活 気候を生かした農業と人々の生活 多くの観光客を魅了する自然環境,安定地域が広がる大陸と起伏に富んだ島々,地域によって大きく異なる気候について理解している。季節風(モンスーン)の影響を受ける人々の生活,モンスーンを利用した交易の歴史,さまざまな民族が共に暮らす社会について理解している。
11週 世界の言語と人々の生活文化 世界の宗教と人々の生活文化 イスラームを中心とした生活文化 乾燥地域で暮らすムスリムの生活文化 変化するムスリムの生活 言語と民族の関わり,公用語と人々の生活への影響について理解している。宗教の食生活への影響,宗教と生活の関わりについて理解している。人々の生活を豊かにした石油資源,石油収入がもたらした生活の変化について,よりよい社会の実現を視野にそこでみられる課題を主体的に追究,解決しようとしている。
12週 インドの歩みとヒンドゥー教 宗教や自然環境の影響を受けるインドの食生活 変化するヒンドゥー教徒の生活 南アジアの民族と歩み,ヒンドゥー教と人々の生活への影響,多様な言語について理解している。宗教や農作物からみる食生活,巨大な人口を支える農業改革,畜産の発達と食生活の変化について理解している。ICT産業の発展,成長するインドの工業,経済成長による生活の変化について,多面的・多角的に考察し,表現している。
13週 歴史的背景が人々の生活に与える影響 ヨーロッパ社会の影響が強い文化 大土地所有制が生み出した社会構造 外国資本による工業化と生活の変化 生活文化に影響した歴史的背景,冷戦時代の体制が生活に与える影響について理解している。ラテンアメリカの成り立ちとラテン文化の形成,地域で異なる民族構成について,多面的・多角的に考察し,表現している。大土地所有制による農業と社会構造,先住民の暮らしと伝統的な農業について理解している。鉱産資源を基盤とした工業化,経済発展による生活の変化について理解している。
14週 生活文化に残る旧宗主国の影響 植民地支配の影響が残るアフリカの産業 人々の生活の変化と経済成長への取り組み  西アフリカにみる旧宗主国の影響,植民地支配の歴史と人々の生活文化への影響について理解している。商品作物にみる植民地支配の歴史の影響,一次産品への依存が強い産業について,よりよい社会の実現を視野にそこでみられる課題を主体的に追究,解決しようとしている。携帯電話の普及による生活の変化,都市への人口集中,経済成長に向けた取り組みについて,多面的・多角的に考察し,表現している。
15週 国家体制の変化が人々の生活に与えた影響 変化するロシアの産業 国家体制の転換と人々の生活の変化,ロシアの文化と多様な民族について,多面的・多角的に考察し,表現している。
16週 期末試験返却
後期
3rdQ
1週 人々の生活を支える農業の発展 人々の生活を支える工業の発展 グローバル化する現代の産業と人々の生活 人々の工夫と農業の発展,農業の発展と生産性,農業の近代化とその課題について理解している。工業の発達と生活の変化,工業地域の地域差について,よりよい社会の実現を視野にそこでみられる課題を多面的・多角的に考察し,表現している。
2週 世界に大きな影響力をもつ知識産業と資源 世界の食卓に影響を与える農業 産業の発展を支えてきた移民の力 企業活動のグローバル化と人々の生活への影響,脱工業化社会と人々の生活について,多面的・多角的に考察し,表現している。世界標準を生み出すICT産業,産業構造の変化とサンベルトの台頭,シェール革命が世界に与えた影響について,多面的・多角的に考察し,表現している。世界の穀物市場を動かす穀物メジャー,適地適作の農業と大規模農業の課題について,多面的・多角的に考察し,表現している。
3週 東アジアの経済成長とその歩み 経済成長による中国の生活の変化 経済成長による韓国の生活の変化 東アジアの経済急成長の歩み,市場経済の導入で成長した中国,世界の工場から世界の市場への発展について理解している。経済成長と生活の変化,経済格差と人口の移動,深刻な環境問題について,多面的・多角的に考察し,表現している。進んだネット社会と首都圏への一極集中,現代に息づく韓国の伝統文化,経済成長の背景と日韓交流の深まりについて,多面的・多角的に考察し,表現している。
4週 EU統合と人々の生活 EU統合による農業への影響 EU統合による工業や社会への影響  国境を自由に移動できる生活,キリスト教に根ざした文化,EU統合への歩みとその背景について理解している。地域で異なる食文化と農業,EUの共通農業政策の影響と課題について理解している。EU統合で発展した航空機産業,移り変わる工業地域,国境を越える労働力について,多面的・多角的に考察し,表現している。
5週 相互に関連する地球的課題とその解決に向けて 多様な地球環境問題 熱帯林の破壊への対策 地球温暖化への対策 地球的課題の背景にある経済格差,地球的課題の解決に向けての取り組みや私たちにできることについて,多面的・多角的に考察し,表現している。地球環境問題の種類,地球環境問題の背景について,多面的・多角的に考察し,表現している。熱帯林破壊が進行する地域とその理由,インドネシアでの取り組みについて理解している。地球温暖化の原因と影響,地球温暖化の対策と課題,モルディブでの取り組みについて理解している。
6週 世界のエネルギー・鉱産資源 エネルギー利用の現状と課題 地域で異なるエネルギー問題への取り組み エネルギーの種類と資源利用の変化,国によって異なる電力構成,鉱産資源の利用について,多面的・多角的に考察し,表現している。エネルギーの生産と消費の不均衡,エネルギー問題の解決に向けての取り組みについて理解している。バイオエタノールに力を入れるブラジルの取り組み,洋上風力発電に力を入れるデンマークの取り組みについて理解している。
7週 世界の人口 発展途上国と先進国の人口問題 地域で異なる人口問題への取り組み 世界の人口分布と人口増加の傾向,人口ピラミッドからみる国や地域人口の特徴について理解している。発展途上国の人口問題,先進国の人口問題,人口移動と移民について理解している。インドでの人口増加抑制の取り組み,フランスでの人口増加維持の取り組みについて理解している。
8週 中間試験
4thQ
9週 飢餓と飽食 地域で異なる食料問題への取り組み 発展途上国の飢餓の問題,先進国に偏る食料の問題について,多面的・多角的に考察し,表現している。食料の増産を目指すウガンダの取り組み,食品ロスの解決を目指すアメリカ合衆国の取り組みについて,多面的・多角的に考察し,表現している。
10週 世界の都市の発展 発展途上国と先進国の都市・居住問題 地域で異なる都市・居住問題への取り組み 都市の発達,大都市の形成と分布,都市内部の機能と構造について理解している。発展途上国の都市・居住問題,先進国の都市・居住問題について,多面的・多角的に考察し,表現している。
11週 日本の地形 日本の気候 地震・津波による災害 地震・津波の被災地の取り組み プレートが重なり合う日本列島,日本列島の背骨をなす山地,日本の河川と沖積平野について理解している。明瞭な季節変化,降水量の季節変化と地域差,日本の都市気候について理解している。地震の種類と特徴,地域で異なる震災の被害について理解しており,地理的技能を身に付けている。東日本大震災と防災の取り組み,阪神・淡路大震災と防災の取り組みについて理解しており,地理的技能を身に付けている。
12週 火山の恵みと災害 火山と共生する地域の取り組み 火山の分布,火山の恵み,火山災害の特徴について理解しており,地理的技能を身に付けている。火山の恵み・災害と共生する島原市の取り組み,火山灰と共存する鹿児島市の取り組みについて,多面的・多角的に考察し,表現している。
13週 さまざまな気象災害気象 災害への取り組み 台風による水害の課題と取り組み,大雪による積雪の影響と取り組みについて理解しており,地理的技能を身に付けている。台風による水害の課題と取り組み,大雪による積雪の影響と取り組みについて,よりよい社会の実現を視野にそこでみられる課題を主体的に追究,解決しようとしている。
14週 減災の取り組み 被災地への支援 災害の被害を軽減するための取り組み,防災情報の活用,巨大地震への備えについて理解しており,地理的技能を身に付けている。被災地の自助・共助・公助,復旧・復興の取り組みについて,よりよい社会の実現を視野にそこでみられる課題を主体的に追究,解決しようとしている。
15週 地理的な課題と地域調査 地理的な課題の解決に向けての探究,地域調査の「問い」の設定について理解している。事前調査の方法,仮説の設定と調査計画の作成について理解している。現地調査の方法について理解している。調査結果の分析と仮説の検証,調査結果のまとめ・発表の方法について理解している。
16週 期末試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間・定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合8002000100
基礎的能力8002000100
専門的能力000000
分野横断的能力000000