物理学基礎

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理学基礎
科目番号 1194B11 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教養 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 物理数学講義ノート(ライブラリ理学・工学系物理学講義ノート7),編入数学徹底研究(頻出問題と過去問題の演習)
担当教員 園田 昭彦

到達目標

微分積分やテーラー展開の計算ができる.オイラーの公式を使いこなせる.行列・行列式や行列の対角化の計算ができる.線形常微分方程式の一般解を求めることができる.連立常微分方程式の解法が理解できる.連成振動の問題が解ける.偏微分を計算できる.線積分や面積分を計算できる.グリーンの定理を証明できる.勾配・発散・回転の計算ができる.εテンソルを使ってベクトル解析の公式を証明できる.線積分や面積分,体積積分を計算できる.ガウスの発散定理・ストークスの定理を使いこなせる.コーシー・リーマン関係式の計算ができる.コーシーの積分定理を理解している.留数積分ができる.周期的境界条件での連成振動の解を求めることができる.フーリエ展開の計算ができる.フーリエ変換の計算ができる.デルタ関数の性質を理解している.フーリエ変換を使ってデルタ関数の計算ができる.1次元波動方程式の一般解を求めることができる.ポアソン方程式のグリーン関数を求めることができる.簡単な例でのファインマン核を求めることができる.3次元波動方程式のグリーン関数を求めることができる.変分法を理解している.変分法を使って簡単な例を計算できる.群の性質を理解している.su(2)の表現を作ることができる.球面調和関数の計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベル(可)
1. 微分と積分微分や定積分の応用問題を解くことができ,べき級数展開と近似について説明することができる.微分や定積分の標準問題を解くことができ,解析関数のべき級数展開を計算することができる.微分や定積分の基本問題を解くことができる.
2. 行列と行列式行列と行列式の意味を理解し,行列の対角化や固有値を求めることができる.行列と行列式の標準問題を解くことができる.行列と行列式の基本的な計算ができる.
3. 常微分方程式連成振動の問題を解くことができる.1階微分方程式や2階微分方程式に対応する物理での基本例題を解くことができる.1階微分方程式や2階微分方程式の基本問題を解くことができる.
4. ベクトル解析グリーンの定理やガウスの定理,ストークスの定理を論理的に証明でき,物理との対応を説明できる.線積分や面積分の標準問題を解くことができる.勾配や発散,回転の基本関係式を導くことができる.
5. 複素関数論留数積分の計算ができる.コーシーの積分定理を説明できる.コーシー・リーマン関係式の計算ができる.
6. フーリエ解析フーリエ展開やフーリエ変換の応用問題を解くことができ,物理との対応を説明することができる.フーリエ展開やフーリエ変換の標準問題を解くことができる.フーリエ展開やフーリエ変換の基本問題を解くことができる.
7. 偏微分方程式3次元波動方程式をグリーン関数を用いて計算できる.ポアソン方程式をグリーン関数を用いて計算できる.1次元波動方程式の一般解を求めることができる.
8. 変分法変分法を使って量子力学の試行関数を計算できる.変分法を使って1次元波動方程式を求めることができる.変分法を説明できる.
9. 群論su(2)の表現を作ることができる.so(3)の構造定数を求めることができる.群の性質を理解している.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学にとって最も重要なことは,物理的な概念であり,数学は単なる道具に過ぎない.しかし,用いられる数学がわからなければ何も前には進まず,物理的概念の把握どころではなくなる.本講義では,物理学に必要不可欠になる数学を具体例中心に学ぶことを目標にしている.専門的な数学の書物に手を伸ばしても難解な数学用語や厳密な証明が多く,さきに進まない経験をした者もいると考えられる.この講義では厳密な証明などには立ち入らない.演習では大学編入試験の過去問を使用する.
授業の進め方・方法:
講義では積極的に発言し,理解できないことや疑問に思ったことなどは質問すること.また,友達や先輩などを捕まえて積極的に議論を行うこと.予習→講義→復習,このサイクルを大切にし,自分の理解度が定量的に分かるようにしておくこと.教科書は非常に丁寧に書かれているので,一度自分で教科書を読んで行間を埋めれるようにすること.演習問題の解き方などはさまざまな参考書を調べ,自分が理解できる解き方を身につけること.
【授業時間60時間】
注意点:
本講義は大学・専攻科に進学を希望する学生を対象としている.それ以外の者でも数学や物理学に興味・関心があり,難しい内容でも根気よくついて行ける学生も対象とする.事前に今まで習った数学と物理の復習は必ずしておくこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 微分・積分と複素数 微分積分やテーラー展開の計算ができる.オイラーの公式を使いこなせる.
2週 行列・行列式と行列の対角化 行列の性質を理解できる.行列式や行列の対角化の計算ができる.
3週 線形常微分方程式 線形常微分方程式の一般解を求めることができる.
4週 連立常微分方程式の解法 連立常微分方程式の解法が理解できる.
5週 連成振動 連成振動の運動方程式を立てて,解を求めることができる.
6週 2変数関数と偏微分 偏微分を計算できる.
7週 2次元ベクトル解析の積分 線積分や面積分を計算できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 グリーンの定理 グリーンの定理を証明できる.
10週 勾配・発散・回転 勾配・発散・回転の計算ができる.εテンソルを使ってベクトル解析の公式を証明できる.
11週 3次元ベクトル解析の積分 線積分や面積分,体積積分を計算できる.
12週 ガウスの発散定理・ストークスの定理 ガウスの発散定理・ストークスの定理を使いこなせる.
13週 正則関数 コーシー・リーマン関係式の計算ができる.
14週 正則関数の積分 コーシーの積分定理を理解している.
15週 孤立特異点と留数積分 留数積分を求めることができる.
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 離散的フーリエ変換 周期的境界条件での連成振動の解を求めることができる.
2週 周期関数とフーリエ展開 フーリエ展開の計算ができる.
3週 フーリエ変換 フーリエ変換の計算ができる.
4週 デルタ関数(1) デルタ関数の性質を理解している.
5週 デルタ関数(2) フーリエ変換を使ってデルタ関数の計算ができる.
6週 1次元波動方程式 1次元波動方程式の一般解を求めることができる.
7週 ラプラス方程式とポアソン方程式 ポアソン方程式のグリーン関数を求めることができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 シュレーディンガー方程式 簡単な例でのファインマン核を求めることができる.
10週 3次元波動方程式とグリーン関数 3次元波動方程式のグリーン関数を求めることができる.
11週 変分法の導入 変分法を理解している.
12週 変分法の応用 変分法を使って簡単な例を計算できる.
13週 対称性と物理 群の性質を理解している.
14週 su(2)と表現 su(2)の表現を作ることができる.
15週 球面調和関数 球面調和関数の計算ができる.
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間・定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合70102000100
基礎的能力3010200060
専門的能力40000040
分野横断的能力000000