理科総合

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 理科総合
科目番号 0009 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 一般教養 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 総合物理1(数研)、化学基礎(第一学習社)、地学基礎(実教出版)、生物基礎(東京書籍)
担当教員 松尾 俊寛,園田 昭彦,山田 洋平,吉村 洋,大田 直友

到達目標

理工学基礎:工学、自然科学で対象とする量や単位について、基本的な取り扱いができる。
物理:物体の運動に関してニュートンの3法則を用いた基本的な計算を行うことができる。
化学:身の回りにある物質の性質やその変化を、化学的な観点(化学結合や物質量)を用いて理解できる。
地学:地球の表層や内部構造について理解し,プレート境界での地震活動について説明できる。
生物:生物の進化や多様性・生態系について理解するとともに、地球環境問題の原因や保全対策について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
理工学基礎工学、自然科学で対象とする量や単位について、原理を理解し、自在に取り扱うことができる。工学、自然科学で対象とする量や単位に関する典型的な問題について取り扱いができる。工学、自然科学で対象とする量や単位について、基本的な取り扱いができる。
物理物理学の基礎事項について説明でき、ニュートンの法則を用いた定式化および計算を行うことができる。物理学の基礎事項を理解し、ニュートンの法則を用いた計算を行うことができる。物理学の基本事項を身につけ、ニュートンの法則を用いた初等的な計算を行うことができる。
化学身の回りにある物質の性質やその変化を、化学的な観点(化学結合や物質量)を用いて説明でき、問題解決に応用できる。身の回りにある物質の性質やその変化を、化学的な観点(化学結合や物質量)を用いて説明できる。身の回りにある物質の性質やその変化を、化学的な観点(化学結合や物質量)を用いて理解できる。
地学地球の表層や内部構造について説明でき,プレート境界での地震活動を説明できる。地球の表層や内部構造について理解し、プレート境界での地震活動を説明できる。地球の表層や内部構造について理解し、プレート境界での地震活動を理解できる。
生物生物の進化や多様性、生態系について理解し、持続可能な社会を目指すための環境保全活動ができる。生物の進化や多様性、生態系について理解し、地球環境問題の原因と影響、保全対策について説明できる。生物の進化や多様性、生態系について理解し、環境問題の生物への影響や保全対策が理解できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
理科の総合的学習を通じて、自然現象を系統的、論理的に考えていく能力を養い、広く自然現象を科学的に解明するための見方、考え方を身につける。物理・化学・生物・地学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり、多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識・素養を身につけることを目的とする。
授業の進め方・方法:
理工学基礎(第1〜2週)、地学・生物(第3〜7週)、物理・化学(第9週以降)の順に授業を行う。
【授業時間120時間】
注意点:
地学、生物分野の成績評価についてはレポート課題によって行う。(各10%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 理工学基礎:有効数字 数値の取り扱い方を理解し、有効桁数を考慮した数値の計算ができる。
2週 理工学基礎:数値と単位 数値の意味を理解し、種々の物理量に単位をつけることができる。
3週 地学:宇宙と地球
生物:生物進化と生物多様性
地学:地球の外観について理解し,地球表層や内部の地学的事象を説明できる。
生物:生物の構造を知り、進化や多様性について理解できる
4週 地学:宇宙と地球
生物:生物進化と生物多様性
地学:地球の外観について理解し,地球表層や内部の地学的事象を説明できる。
生物:生物の構造を知り、進化や多様性について理解できる
5週 地学:大気と海洋
生物:生物進化と生物多様性
地学:地球の外観について理解し,地球表層や内部の地学的事象を説明できる。
生物:生物の構造を知り、進化や多様性について理解できる
6週 地学:大気と海洋
生物:人間活動と地球環境の保全
地学:地球の大気圏,水圏での基礎的な現象を説明できる。
生物:生態系の構成要素とその関係について理解し、地球環境問題の原因と影響、保全対策について説明できる
7週 地学:大気と海洋
生物:人間活動と地球環境の保全
地学:地球の大気圏,水圏での基礎的な現象を説明できる。
生物:生態系の構成要素とその関係について理解し、地球環境問題の原因と影響、保全対策について説明できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 物理:変位・速度・加速度
化学:物質の成分
物理:変位・速度・加速度の定義を説明できる
化学:混合物と純物質の違い、混合物を分離・生成する方法を説明できる。
10週 物理:変位・速度・加速度
化学:物質の成分
物理:平面運動の変位が説明できる
化学:化合物と単体、同素体、物質の三態などの用語を説明できる。
11週 物理:変位・速度・加速度
化学:原子の構造
物理:相対速度の問題が解ける
化学:原子の構造、電子配置の考え方を説明できる。
12週 物理:変位・速度・加速度
化学:原子の構造・周期表
物理:等加速度直線運動の公式を運用して問題が解ける
化学:周期表と電子配置の関係を説明できる。
13週 物理:落体の運動
化学:周期表
物理:自由落下、鉛直投射の問題が解ける
化学:族と周期、金属元素と非金属元素などの語句を説明できる。
14週 物理:落体の運動
化学:化学結合
物理:水平・射法投射の問題が解ける
化学:化学結合の概要を説明できる。
15週 物理:いろいろな力
化学:イオン化、イオン結合
物理:重力や弾性力、摩擦力の性質を説明できる
化学:イオン化の生成やイオン化の際に必要となるエネルギーを説明できる。イオン結合と説明でき、組成式が記述できる。
16週 期末試験返却
後期
3rdQ
1週 物理:力のつりあい
化学:共有結合
物理:図を用いて力のつりあいの式をたてることができる
化学:共有結合の原理を説明できる。分子模型を用いて簡単な分子を組み立てることができる。
2週 物理:運動の法則
化学:共有結合
物理:慣性の法則を説明できる
化学:簡単な物質の電子式と構造式が書ける。
3週 物理:運動の法則
化学:配位結合・分子の極性
物理:運動方程式の内容を説明できる
化学:配位結合と分子の極性を説明できる。
4週 物理:運動の法則
化学:分子間の結合
物理:作用・反作用の法則を説明できる
化学:分子結晶の特徴を説明できる。極性分子間に働く力を説明できる。
5週 物理:運動の法則
化学:物質量
物理:簡単な系に対して運動方程式をたてることができる
化学:原子量、分子量、式量の考え方を説明できる。
6週 物理:運動の法則
化学:物質量
物理:斜面上の物体の運動方程式をあつかえる
化学:物質量を用いた簡単な計算ができる。
7週 物理:運動の法則
化学:化学反応式
物理:2物体の運動方程式をあつかえる
化学:化学反応式の係数を決定できる。簡単な化学反応式が書ける。
8週 中間試験
4thQ
9週 物理:摩擦を受ける運動
化学:化学反応式
物理:静止摩擦力と最大摩擦力を説明できる
化学:化学反応式の量的関係に関する簡単な計算問題が解ける。
10週 物理:摩擦を受ける運動
化学:化学反応式
物理:動摩擦力を説明できる
化学:化学反応式の量的関係に関する簡単な計算問題が解ける。
11週 物理:液体や気体から受ける力
化学:酸と塩基
物理:圧力、浮力を説明できる
化学:酸と塩基の定義を説明できる。
12週 物理:仕事とエネルギー
化学:酸と塩基
物理:仕事とエネルギーの関係について説明できる
化学:簡単なpHの計算問題が解ける。
13週 物理:運動エネルギー
化学:酸と塩基
物理:運動エネルギーを計算できる
化学:中和滴定の操作の原理を説明できる。
14週 物理:位置エネルギー
化学:酸と塩基
物理:種々の位置エネルギーを計算できる
化学:中和滴定実験を行うことができる。
15週 物理:力学的エネルギー保存則
化学:酸と塩基
物理:力学的エネルギー保存則を使って問題を解くことができる
化学:中和滴定曲線や指示薬の選択について簡単な説明ができる。
16週 期末試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前9
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前10,前11
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前12
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前10
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前9
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前13
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前14
物体に作用する力を図示することができる。3前15
力の合成と分解をすることができる。3後1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前15
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前15
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3後1
慣性の法則について説明できる。3後2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3後4
運動方程式を用いた計算ができる。3後5,後6,後7
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3後3,後5,後6,後7
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後9
最大摩擦力に関する計算ができる。3後9
動摩擦力に関する計算ができる。3後10
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後12
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後13
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後14
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後14
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後15
化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。1
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。2
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。2
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3前3,前4
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3前3,前4
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3前6,前7
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3前3,前4
マグマの生成と火山活動を説明できる。3前3,前4
地震の発生と断層運動について説明できる。3前3,前4
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3前5,前6
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3前5,前6
地球上の生物の多様性について説明できる。3前3
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3前3,前4
生物に共通する性質について説明できる。3前3,前4
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3前6,前7
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3前6,前7
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3前6,前7
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3前6,前7
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3前6
世界のバイオームとその分布について説明できる。3前6
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3前6
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3前6,前7
生態ピラミッドについて説明できる。3前6,前7
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3前6,前7
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3前6,前7
有害物質の生物濃縮について説明できる。3前6,前7
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3前6,前7
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合4010301010100
基礎的能力301030101090
専門的能力10000010
分野横断的能力000000