応用化学(高専間提供科目)

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用化学(高専間提供科目)
科目番号 0052 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般教養 対象学年 4
開設期 集中 週時間数
教科書/教材 化学熱力学:参考図書(「熱力学」田崎晴明(培風館)、「物理化学」アトキンス(東京化学同人))。
機器分析:特になし。基本的に配信動画により対応可能。
担当教員 松尾 俊寛,山田 洋平,園田 昭彦

到達目標

化学熱力学:熱力学と統計力学の初歩を学び、とくに化学で重要になる自由エネルギーの扱いに習熟する。
量子化学:量子化学の基礎であるシュレーディンガー方程式について学び、エネルギー固有値を求められることを目標とする。
機器分析:講義で取り扱う分析機器の装置構成や原理について、記述・説明できることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
化学熱力学種々の自由エネルギーがどのように定義される量か理解し、数式を用いて公式を説明できる。具体的な問題に対してこれらを用いた計算ができる。ヘルムホルツ自由エネルギーとギブス自由エネルギーの定義を理解し、それらの違いについて説明できる。自由エネルギーの公式を用いて計算ができる。ヘルムホルツ自由エネルギーとギブス自由エネルギーの定義を説明できる。
量子化学量子化の意味を理解し、さまざまなポテンシャルエネルギーでのエネルギー固有値と波動関数を求めることができる。無限大の井戸型ポテンシャルのシュレーディンガー方程式の解を求めることができる。シュレーディンガー方程式について説明することができる。
機器分析講義で扱った分析機器の原理と構造、得られる応答について詳細な記述・説明をすることができる。講義で扱った分析機器の原理と構造、得られる応答について簡単に説明することができる。講義で扱った分析機器のうちいくつかの装置について、その原理と構造について説明することができる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
広く化学一般の基礎から応用にかけて、担当各教員の専門と興味に基づき講義する。
授業の進め方・方法:
本講義は3名の教員が担当し、各教員が5回の講義を実施する。担当者より、授業配信と課題・レポートの提示があるので、それらに対応すること。それらの成果物により成績評価を行う。
成果物の配点の重みは、各内容で均一である(3名の教員が全体の1/3ずつを担当する)。
注意点:
皆さんの成績表に残る情報は、単に「合否」のみの学校と「点数」が残る学校があると聞いている。気になる受講者は、自身の所属する学校に問い合わせて確認すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱平衡状態 少数の変数で平衡状態が記述されることとそれらの間に成り立つ法則を学ぶ。
2週 等温変化と断熱変化 等温変化と断熱変化で成り立つ法則について理解する。また、熱力学関数としてのエントロピーの扱いに習熟する。
3週 ヘルムホルツの自由エネルギー 等温変化の際の最大仕事としてヘルムホルツ自由エネルギーが定義されることを理解し、いくつかの問題に適用する。
4週 ギブス自由エネルギー ギブス自由エネルギーを定義し、その特性を説明できる。自由エネルギーを用いて具体的な問題を解くことができる。
5週 確認テスト
6週 古典物理学の復習 古典物理学では説明できない物理現象を学習し、量子化学の必要性について理解する。
7週 1次元シュレーディンガー方程式 対応原理から1次元シュレーディンガー方程式を導入する。
8週 無限大の井戸型ポテンシャル 無限大の井戸型ポテンシャル中を運動する粒子の波動関数とエネルギー固有値を求める。
2ndQ
9週 近似法 変分原理を用いて、水素原子の基底状態の試行関数を評価する。
10週 定期試験
11週 機器分析の概要、吸光度の定義 現在の科学技術と機器分析の関係について説明することができる。電磁波と物質の相互作用について説明することができる。
12週 紫外・可視吸光光度計 紫外・可視分光光度計の原理とその概要を説明することができる。また、それらのスペクトルをみて情報を読み取ることができる。
13週 分光蛍光光度計 分光蛍光光度計の原理とその概要を説明することができる。また、それらのスペクトルをみて情報を読み取ることができる。
14週 原子吸光光度計 原子吸光光度計の原理とその概要を説明することができる。
15週 誘導結合プラズマ発光分析・質量分析 誘導結合プラズマ質量分析計の原理とその概要を説明することができる。
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

ポートフォリオ合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050