高電圧工学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 0023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 「基礎からの高電圧工学」 花岡良一、石田隆弘著 日新出版 / 「高電圧パルスパワー工学」 秋山秀典編著 オーム社
担当教員 西尾 峰之

到達目標

1. 高電圧を用いる必要性と特徴を説明できる。
2. 代表的な電極の周りの電界強度を計算できる。
3. 絶縁破壊の過程と放電に関する諸理論について説明できる。
4. 高電圧発生法とその損失について説明できる。
5. プラズマの発生とその性質について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1 (高電圧の意義)標準的な目標に加え、高電圧を安全に使用する方法を説明できる。高電圧を用いる必要性と特徴を説明できる。高電圧を用いる必要性を説明できない。
到達目標2 (電界計算)不平等電界分布における電界強度計算を行うことができる。代表的な電極の周りの電界強度を計算できる。電界強度計算を行うことができない。
到達目標3 (放電理論)放電理論を用いて、適切な電圧、電極間距離、気圧を計算できる。絶縁破壊の過程と放電に関する諸理論について説明できる。絶縁破壊の過程を説明できない。
到達目標4 (高電圧発生)標準的な目標に加え、基本的な計測法の原理を説明できる。代表的な高電圧発生法の原理について説明できる。高電圧発生法を説明できない。
到達目標5 (プラズマ)標準的な目標に加え、プラズマの工学的応用について説明できる。プラズマの発生方法とその性質について説明できる。プラズマについて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電力分野にとどまらず、幅広い分野で不可欠な高電圧工学の基礎的知識を習得する。高電圧はや大電流の現象は、低電圧・小電流の現象からは類推できないような場合が多く、電圧や電流の増加によって非線形に変化する現象を取り扱うところに、この科目の意義がある。電力需要の増加だけでなく様々な応用分野で高電圧工学に対する要求が高まって来ている。
授業の進め方・方法:
高電圧技術の利用・応用を学ぶ。高電圧工学の基礎を学んだ上で高電圧大電流の発生、計測を学ぶ。応用については、電力関連技術とパルスパワー技術を中心に最近の高電圧・大電流応用等も紹介する。
注意点:
電気磁気学や電気回路などの基礎科目が理解できていること。
評価割合のその他の項目については、授業に参加する上での分野横断的能力を評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 高電圧工学の意義 高電圧工学を学ぶ必要性を説明できる。
2週 高電圧と放電現象 高電圧下で起こりうる現象とその注意点を説明できる。
3週 電極間の平等電界 平等電界下での電界強度を計算できる。
4週 電極間の不平等電界 不平等電界下での電界強度を計算できる。
5週 荷電粒子の発生 荷電粒子の発生と消滅の種類と原理について説明できる。
6週 放電理論 最小放電開始電圧に必要な気圧と距離を計算できる。
7週 様々な放電 放電の種類について説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 電界の数値計算 数値的に電界強度分布を計算できる。
10週 液体と固体の絶縁破壊 気体、液体、固体の周りでの放電の違いを説明できる。
11週 高電圧の発生・計測 種々の高電圧発生方法と計測法を説明できる。
12週 パルスパワー パルスパワーの原理と利用されている分野を説明できる。
13週 プラズマ物理 プラズマの性質について説明でき、プラズマの特性量を計算できる。
14週 プラズマ流体 プラズマの流体的挙動に関する物理量を計算できる。
15週 プラズマ応用 プラズマの応用方法について説明できる。
16週 期末試験・答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合503010010100
基礎的能力101000020
専門的能力401000050
分野横断的能力0101001030