半導体結晶工学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 半導体結晶工学
科目番号 0056 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 見てわかる半導体の基礎 高橋清 著 森北出版 ISBN978-4-627-77231-1
担当教員 直井 美貴,西野 克志

到達目標

1.半導体結晶の性質を理解して、特に「バンド構造」について説明ができる。
2.pn接合の特性を理解して、特に「発光ダイオード」について説明ができる。
3.半導体デバイスの基本的作製方法が説明できる。
4.半導体デバイスの基本的評価方法が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベル標準的な到達レベル未到達レベル
到達目標1半導体結晶の性質を理解して、「バンド構造」の意味を明確に説明ができる。半導体結晶の性質を理解して、「バンド構造」についての概要を説明ができる。半導体結晶の性質について説明できない。
到達目標2pn接合の特性を理解して、「発光ダイオード」の動作原理を明確に説明ができる。pn接合の特性を理解して、「発光ダイオード」についての概要を説明ができる。pn接合の特性を説明できない。
到達目標3半導体デバイス作製におけるプロセス技術の原理が説明でき,デバイス作製方法の基本を明確に説明できる。半導体デバイスの基本的作製方法の概要を説明できる。半導体デバイスの基本的作製方法について説明できない。
到達目標4半導体デバイスの評価方法について,使用される技術の原理が説明でき,評価方法の基本が明確に説明できる。半導体デバイスの基本的評価方法の概要を説明できる。半導体デバイスの基本的評価方法について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体結晶とは、原子や分子が空間的に規則正しい配列をもつ固体半導体物質のことであり、現社会を支えているエレクトロニクスの基本要素である。一方、工学とは、人の英知を用いて実践的な製品や状況を生み出す学問である。「半導体結晶工学」では、半導体結晶の基本的な性質を学ぶと共に、発光ダイオードなど基本的な半導体デバイスについて、その動作原理および作製方法や評価方法などの基礎的素養の修得を目標とする。
授業の進め方・方法:
テキストに加え必要に応じてプリントやパワーポイントを用いて授業を行う。また各授業ごとに簡単なレポートを課し、評価点の一部とする。
注意点:
物理、化学、材料の基礎知識が必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 量子物理学の基礎 波動・粒子の二重性について説明できる。
2週 半導体材料の結晶構造 各種半導体の結晶構造について説明できる。
3週 半導体のエネルギーバンド構造 バンド構造を理解して、構造の違いによる性質の変化を説明できる。
4週 真性半導体と不純物半導体 半導体へのドーピングおよびそれによる性質の変化を説明できる。
5週 半導体のキャリア密度 半導体のキャリア密度を決定する要因を説明できる。
6週 pn接合 pn接合のバンド図の印加電圧による変化を説明できる。
7週 発光ダイオードとレーザ 半導体からの発光機構および発光ダイオードとレーザの違いについて説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 様々な製品の中での電子デバイス 電子デバイスが様々な製品の中での位置づけについて説明できる。
10週 半導体デバイスの作製方法の概要 半導体デバイスの作製方法の基本的な流れを説明できる。
11週 半導体結晶成長方法の基礎1.
真空技術
真空技術の基本的事項を説明できる。
12週 半導体結晶成長技術の基礎2.
平衡蒸気圧の利用
平衡蒸気圧の概念がデバイス作製にどのように応用されているかを説明できる。
13週 半導体結晶成長技術1.
分子線エピタキシー法
分子線エピタキシー法の基本について説明できる。
14週 半導体結晶成長技術2.
有機金属気相成長法
有機金属気相成長法の基本について説明できる。
15週 半導体デバイスの評価技術 作製されたデバイスの典型的な評価方法を説明できる。
16週 後期期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合5005000100
基礎的能力000000
専門的能力250250050
分野横断的能力250250050