材料工学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成24年度 (2012年度)
授業科目 材料工学
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 小西 智也

到達目標

1.物質から材料を得る方法を理解し、社会における材料工学の目的について説明できる。
2.結晶の構造と物性について理解し、各種材料の特長とその発現原理について説明できる。
3.様々な社会問題について討論し、様々な材料の特長を活用して解決する方法について説明できる。
4.各種材料の機能的物性それを引き出すための加工方法について説明できる。
5.新しい材料の開発について提言できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1材料を高機能化するためには、加工方法におけるイノベーションが重要であることを理解する。物質を加工することで材料が得られることを理解でき、材料開発の流れを説明できる。物質と材料の違いがわからない。材料工学の目的がわからない。
評価項目2セラミックス材料の機能化方法とその原理について、結晶構造制御の観点から説明・提案できる。ポーリングの法則によりイオン結晶の性質を理解し、材料開発にどのように生かされているか説明できる。結晶の基本的な種類と構造、それによる性質について説明できない。
評価項目3セラミックス材料の特長を用いて、既存デバイスを改良し、環境問題も解決できることを理解する。次世代のエネルギーデバイスにおけるセラミックス材料の役割とエネルギー問題の解決法を説明できる。我々が直面している社会問題を理解していない。問題解決における材料工学の役割がわからない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体・セラミックス・高分子材料・合金など種々の新しい機能性の材料が広範な産業を発展させてきた。「材料工学」では、種々の機能を有する材料について、その原理から加工方法までの基礎知識を学ぶ。実践的技術者としての基礎的素養を身につけるとともに、将来の材料開発にも資する基礎知識を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
講義では、これまでに習った化学・物理・数学に関する基礎知識・基礎概念を使って、各種材料に機能的物性や現象の本質を理解していくので、各自十分復習しておくこと。講義は主にスライドと書き込み式の配布資料を使って進めていくので、ノートを準備する必要はない。なるべく実例や具体例を挙げながら、講義を進めて行きたいと考えている。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.材料工学とは 物質を加工して材料にすること、材料工学について説明できる。
2週 2.セラミックス材料概論 セラミックス材料の特長を理解し、ファインセラミックスを説明できる。
3週 3.結晶の種類と構造 結晶の種類・構造によって、物質にどのような性質が現れるか説明できる。
4週 4.ポーリングの法則 ポーリングの法則によりイオン結晶の性質について説明できる。
5週 5.ジルコニア材料(Ⅰ) ジルコニア材料の安定化と相転移についてポーリングの法則から説明できる。
6週 6.ジルコニア材料(Ⅱ)
後期中間試験
(部分)安定化ジルコニアの特長と用途について説明できる。
7週 7.セラミックス材料の分析方法 粉末X線回折法について、原理と方法について理解する。
8週 8.ファインセラミックス加工法 セラミックス高機能化のための原料高純度化法・焼結法について説明できる。
4thQ
9週 9.エネルギー問題と材料工学 色素増感太陽電池・熱電変換素子・燃料電池におけるセラミックス材料の役割と高機能化方法・環境へ負荷を減らす方法について説明できる。
10週 10.ナノ材料と触媒 材料をナノ粒子に加工する方法と触媒への応用について理解する。
11週 11.ガラス材料の特長と加工方法 ガラス材料の性質と特長を理解し、製造方法・強化方法・機能化方法について説明できる。
12週 12.蛍光発光材料 蛍光発光の原理を理解し、様々な用途に向けた材料加工方法を説明できる。
13週 13.表示デバイスに使う有機材料 液晶ディスプレイと有機ELディスプレイについて、使われている有機材料の種類と役割の違いを含めて動作原理を説明できる。
14週 14.金属材料の変形と相転移 金属材料の塑性変形と弾性変形、マルテンサイト変態について理解し、強化方法や形状記憶合金への応用について説明できる。
15週 後期期末試験
答案返却時間
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力000003030
専門的能力500000050
分野横断的能力200000020