半導体結晶工学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 半導体結晶工学
科目番号 0048 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 なし/なし
担当教員 塚本 史郎

到達目標

1.半導体結晶の背景と性質を理解して、特に「バンド構造」について説明ができる。
2.半導体結晶の成長方法を理解して、特に「分子線エピタキシィ」について説明ができる。
3.半導体結晶の評価方法を理解して、特に「走査型トンネル顕微鏡」について説明ができる。
4.半導体量子ドット結晶について、その利用目的と方法について説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベル標準的な到達レベル未到達レベル
到達目標1半導体結晶の背景と性質を理解して、「バンド構造」の意味を明確に説明ができる。半導体結晶の背景と性質を理解して、「バンド構造」についての概要を説明ができる。半導体結晶の背景と性質を説明できない。
到達目標2半導体結晶の成長方法を理解して、「分子線エピタキシィ」の動作原理を明確に説明ができる。半導体結晶の成長方法を理解して、「分子線エピタキシィ」についての概要を説明ができる。半導体結晶の成長方法の種類と特長を説明できない。
到達目標3半導体結晶の評価方法を理解して、「走査型トンネル顕微鏡」の動作原理を明確に説明ができる。半導体結晶の評価方法を理解して、「走査型トンネル顕微鏡」についての概要を説明ができる。半導体結晶の評価方法の種類と特長を説明できない。
到達目標4半導体量子ドット結晶について、その原理と応用を明確に説明ができる。半導体量子ドット結晶について、その利用目的と方法についての概要を説明ができる。半導体量子ドット結晶の特長を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体結晶とは、原子や分子が空間的に規則正しい配列を持つ固体半導体物質のことであり、現社会を支えているエレクトロニクスの基本要素である。一方、工学とは、人の英知を用いて実践的な製品や状況を生み出す学問である。「半導体結晶工学」では、結晶の成長から評価までの基礎知識を学ぶと共に、次世代デバイス(例えば、単一光子光源、量子計算機など)の要素候補である「半導体量子ドット結晶」について、その基礎的素養の修得を目標とする。
授業の進め方・方法:
一回の講義の半分は質問の時間とし、それぞれの疑問に皆で答えるかたちで進め、授業内容に関する理解を深める。英語での質疑応答も歓迎する。尚、評価割合の「その他」は授業態度・応答での評価である。また希望者はレポートを試験前に設ける締切日までに提出することにより、評価に含めることができる。
注意点:
数学、物理、化学、材料の基礎知識はもちろんのこと、特に後半、「量子力学」が重要となってくるので、受講前に自分で調べ、十分勉強しておくことが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 半導体結晶工学とは 半導体結晶工学の意義を説明できる。
2週 性質(Ⅰ) 半導体結晶の歴史的背景を理解して、その一般的性質を説明できる。
3週 性質(Ⅱ) バンド構造を理解して、構造の違いによる性質の変化を説明できる。
4週 成長方法 一般的な成長方法の種類を説明できる。
5週 分子線エピタキシィ(Ⅰ) 分子線エピタキシィの概要を説明できる。
6週 分子線エピタキシィ(Ⅱ) 半導体薄膜結晶の成長過程を理解する。
7週 評価方法(Ⅰ) 一般的な評価方法の種類を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間答案返却・解説
評価方法(Ⅱ)
反射型高速電子線回折を理解する。
10週 走査型トンネル顕微鏡(Ⅰ) 走査型トンネル顕微鏡の概要を説明できる。
11週 走査型トンネル顕微鏡(Ⅱ) 原子像観察の原理を理解する。
12週 量子ドットの基礎(Ⅰ) 量子ドットの歴史的背景を理解して、その基礎的性質を説明できる。
13週 量子ドットの基礎(Ⅱ) 量子ドットの成長過程を理解する。
14週 量子ドットの応用(Ⅰ) 一般的な応用方法を説明できる。
15週 量子ドットの応用(Ⅱ) レーザ構造に応用した場合の特長を理解する。
16週 学年末試験
学年末答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合7000030100
基礎的能力00003030
専門的能力50000050
分野横断的能力20000020