半導体結晶工学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成26年度 (2014年度)
授業科目 半導体結晶工学
科目番号 0057 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建設システム工学科(平成25年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 塚本 史郎

到達目標

1.半導体結晶の背景と性質を理解して、特に「バンド構造」について説明ができる。
2.半導体結晶の成長方法を理解して、特に「分子線エピタキシィ」について説明ができる。
3.半導体結晶の評価方法を理解して、特に「走査型トンネル顕微鏡」について説明ができる。
4.半導体量子ドット結晶について、その利用目的とその方法について説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体結晶の背景と性質を理解して、「バンド構造」の意味を明確に説明ができる。半導体結晶の背景と性質を理解して、「バンド構造」についての概要を説明ができる。半導体結晶の背景と性質について全く説明できない。
評価項目2半導体結晶の成長方法を理解して、「分子線エピタキシィ」の動作原理を明確に説明ができる。半導体結晶の成長方法を理解して、「分子線エピタキシィ」についての概要を説明ができる。半導体結晶の成長方法の種類と特長を全く説明できない。
評価項目3半導体結晶の評価方法を理解して、「走査型トンネル顕微鏡」の動作原理が明確に説明ができる。半導体結晶の評価方法を理解して、「走査型トンネル顕微鏡」についての概要を説明ができる。半導体結晶の評価方法の種類と特長を全く説明できない。
評価項目4半導体量子ドット結晶について、その原理と応用を明確に説明ができる。半導体量子ドット結晶について、その利用目的と方法についての概要を説明ができる。半導体量子ドット結晶の特長について全く説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
半導体結晶とは、原子や分子が空間的に規則正しい配列を持つ固体半導体物質のことであり、現社会を支えているエレクトロニクスの基本要素である。一方、工学とは、人の英知を用いて実践的な製品や状況を生み出す学問である。「半導体結晶工学」では、結晶の成長から評価方法までの基礎知識を学ぶと共に、次世代デバイス(例えば、単一光子光源、量子計算機など)の要素候補である「半導体量子ドット結晶」について、その基礎的素養の修得を目標とする。
授業の進め方・方法:
注意点:
数学、物理、化学、材料の基礎知識はもちろんのこと、特に後半、「量子力学」が重要となってくるので、受講前に自分で調べ十分勉強しておくことが望ましい。また一回の講義の半分は質問の時間とし、受講者の疑問にみんなで答えるかたちで進める。英語での質疑応答も歓迎する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.半導体結晶工学とは 半導体結晶工学の意義について説明できる。
2週 2.性質(Ⅰ) 半導体結晶の歴史的背景を理解して、その一般的性質を説明できる。
3週 3.性質(Ⅱ) バンド構造を理解して、構造の違いによる性質の変化を説明できる。
4週 4.成長方法 一般的な成長方法の種類について説明できる。
5週 5.分子線エピタキシィ法(Ⅰ) 分子線エピタキシィ法の概要を説明できる。
6週 6.分子線エピタキシィ法(Ⅱ) 半導体薄膜結晶の成長過程について理解する。
7週 【後期中間試験】
8週 7.評価方法(Ⅰ) 一般的な評価方法の種類について説明できる。
4thQ
9週 8.評価方法(Ⅱ) 反射型高速電子回折について理解する。
10週 9.走査型トンネル顕微鏡(Ⅰ) 走査型トンネル顕微鏡の概要を説明できる。
11週 10.走査型トンネル顕微鏡(Ⅱ) 原子像観察の原理について理解する。
12週 11.量子ドット基礎(Ⅰ) 量子ドットの歴史的背景と基礎について説明できる。
13週 12.量子ドット基礎(Ⅱ) 量子ドットの成長過程について理解する。
14週 13.量子ドット応用(Ⅰ) 一般的な応用方法について説明できる。
15週 14.量子ドット応用(Ⅱ) レーザ構造の応用した場合の特長について理解する。
16週 【答案返却時間】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力000003030
専門的能力500000050
分野横断的能力200000020