機械力学基礎2

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械力学基礎2
科目番号 1213C05 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械コース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 工業力学(森北出版)/工業力学(コロナ社)
担当教員 川畑 成之

到達目標

1.剛体の慣性モーメントを求め、回転運動を運動方程式で表し、剛体の運動を解析できる。
2.運動量と衝突現象を理解し、運動量保存則を利用して向心衝突、斜め衝突、偏心衝突の運動を解析できる。
3.仕事とエネルギー保存則の意味を理解し、動力および位置・運動エネルギーを計算できる。
4.すべり摩擦、ころがり摩擦を理解し、各種機構の摩擦を考慮した運動を解析できる。
5.滑車やてこ、斜面を用いる機構の運動を解析し、機械の効率を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
到達目標1複雑な形状の物体の慣性モーメントを求めることができ、複雑な機構の運動を解析できる。標準的な形状の物体の慣性モーメントを求めることができ、各種機構の運動解析に適用できる。単純な形状の物体の慣性モーメントを求めることができる。
到達目標2運動量と衝突現象の原理を理解し、偏心衝突を含む複雑な衝突運動を正しく解析できる。運動量と衝突現象を理解し、標準的な2物体程度の向心・斜め衝突運動を解析できる。運動量と衝突現象を理解し、基本的な2物体の向心衝突運動を解析できる。
到達目標3複雑な力学系に対して正しいエネルギー保存則を適用し運動を解析できるとともに動力計算ができる。力学的エネルギー保存則を適用して単純な運動の解析ができるとともに動力計算ができる。状態が明らかな力学系に関する力学的エネルギーを計算できる。
到達目標4摩擦と仕事・エネルギーへの理解を関連付け、摩擦を含む複雑な運動を正しく解析できる。摩擦を考慮した運動の解析ができる。すべり摩擦、ころがり摩擦を正しく求めることができる。
到達目標5複数の運動状態が複合している力学系に対し、正しい力学法則を適用して物体の運動を解析できる。比較的単純な運動状態にある力学系に対し、力学法則を適用して物体の運動を解析できる。適用する力学法則が明示された状況下で、単純な運動をしている力学系の運動を解析できる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学の基礎の一つである力学は機械工学科引き続き学ぶ多くの応用力学への入門としての重要な基礎科目であるので、十分な理解が求められる。本講義では静力学と動力学における機械系の基礎的事項を理解し、工業的応用の初等的解法を修得する。また、継続して応用力学の知識を学習する習慣を身に付けることを目的とする。
授業の進め方・方法:
毎週の学習内容について基礎事項の説明と例題を示したのち、演習問題を解く形式で進める。できるだけ多くの演習問題を供し、解説を実施するがすべての問題に授業時間内に取り組むことは困難であるから、授業前後での自主的な学習が望まれる。【授業時間30時間】
注意点:
3年生までの数学、および物理で学んだ内容を前提として活用するので、これらの内容をしっかり復習しておくこと。また、授業各回の課題の実施を含む自学自習が不可欠である。基本の概念はすでに修得しているものが大半であるが、実践的な工学問題への適用方法は多様であり、各自で繰り返し練習し、習熟することが肝要である。そのために演習問題等をできるだけ自力で多く解くことを求める。
ポートフォリオ評価には【課題レポート】【復習オンラインテスト】が含まれる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 剛体の運動Ⅰ
慣性モーメント
剛体の慣性モーメントを求めることができる。
2週 剛体の運動Ⅱ
剛体の平面運動
回転の運動方程式を理解し、剛体の平面運動を解析できる。
3週 剛体の運動Ⅲ
回転体のつり合い
回転体のつり合い問題を解くことができる。
4週 運動量と力積 運動量と力積の関係を理解し、 運動量保存則と角運動量保存則を適用して運動を解析できる。
5週 衝突Ⅰ
向心衝突
向心衝突現象を理解し、解析できる。
6週 衝突Ⅱ
斜め衝突
斜め衝突現象を理解し、解析できる。
7週 衝突Ⅲ
偏心衝突
偏心衝突現象を理解し、解析できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 仕事と動力Ⅰ
並進運動
ばねや重力による仕事を理解し、解析できる。
10週 仕事と動力Ⅱ
回転運動、動力
回転の仕事を理解し、解析できる。
仕事と動力の関係を理解し、機械に必要な動力を求めることができる。
11週 エネルギーⅠ
力学的エネルギー
力学的エネルギーを理解し、運動エネルギー、位置エネルギー、回転体の持つエネルギーを解析できる。
12週 エネルギーⅡ
力学的エネルギー保存則
力学的エネルギー保存則を理解し、解析できる。
衝突等によるエネルギーの損失を解析できる。
13週 摩擦Ⅰ
すべり摩擦ところがり摩擦
すべり摩擦ところがり摩擦について理解し、解析できる。
14週 摩擦Ⅱ
ベルトの摩擦、ブレーキ、軸受の摩擦
各種機構の摩擦について理解し、解析できる。
15週 各種機械の解析
てこ、滑車・輪軸、くさび・ねじ
様々な機械要素の運動について理解し、解析できる。
また、各種機械の効率を求めることができる。
16週 試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学仕事の意味を理解し、計算できる。3後9
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3後9,後15
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3後11,後12
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3後11,後12
動力の意味を理解し、計算できる。4後10
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。3後13,後14
運動量および運動量保存の法則を説明できる。3後4,後5,後6,後7
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。2後2,後3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3後1
振動の種類および調和振動を説明できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3

評価割合

中間・定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合6004000100
基礎的能力10000010
専門的能力500400090
分野横断的能力000000