熱力学2

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 熱力学2
科目番号 1214D13 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械コース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「例題でわかる工業熱力学」 平田哲夫 他著
担当教員 原野 智哉

到達目標

1.熱力学の第1法則および第2法則を説明できる。
2.各種熱機関やカルノーサイクルなどの熱効率を求め,可逆変化・不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。
3.スターリングサイクルについて説明し,熱効率や実際のスターリングエンジンの図面寸法からP-V線図を作図できる。

ルーブリック

理想的な到達レベル標準的な到達レベル最低限の到達レベル
到達目標1熱力学の第1法則及び第2法則を自分の言葉で説明でき、各状態量を求めることができる。熱力学の第1法則及び第2法則を自分の言葉で説明できる。熱力学の第1法則及び第2法則を教科書を見ながら説明できる。
到達目標2カルノーサイクルおよび各種サイクルの熱効率を求め,可逆変化・不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。カルノーサイクルおよび各種サイクルの熱効率を求めることができる。 カルノーサイクルの熱効率の求める計算式と概念を説明することができる。 
到達目標3スターリングサイクルを理解し,その効率や性能を高める方策を説明できる。スターリングサイクルについて説明し,熱効率や実際のスターリングエンジンの図面寸法からP-V線図の作図や仕事・動力を計算できる.スターリングサイクルについて教科書を見ながら説明し,熱効率を計算できる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目は,スノーモービルのエンジン設計を担当していた教員が,その経験を活かし「熱力学」で教授された基本事項と熱力学第1法則,理想気体の状態方程式を用いて,圧力・体積・温度・熱量・仕事の計算手法および熱機関やカルノーサイクルの熱効率,さらには具体的な熱機関であるスターリングサイクルに関する行程とP-V線図の作図を行うことで,熱力学の理解と実践力の習得を目的として,講義形式(一部演習)で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
前期に履修した熱力学の内容について,復習と計算問題をこなし,熱力学の第2法則やカルノーサイクルやエントロピーおよび実応用として低学年で部品製作した具体的なスターリングエンジンサイクルを学ぶ.演習問題に解答しながら理解を深める。【授業時間30時間+自学自習時間60時間】
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施します.
注意点:
熱力学の知識をより深めるために、具体的に問題をできるだけ数多く解いてみる。講義内容は,基本事項を教授したあとで,教員が作成した演習問題について、学生がチームで討論内容や計算結果を発表するアクティブラーニング形式をとる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.熱力学の基礎復習 (1)熱力学の単位系を説明でき,温度や比熱などを計算で求めることができる。
2週 (2) 仕事、内部エネルギーとエンタルピの関係,熱力学の第1法則を説明でき,計算できる。
3週 (3)理想気体の法則を理解し、計算できる。
4週 (4)一般ガス定数の定義を説明でき、計算できる。
5週 (5)理想気体の状態変化について理解し、仕事、熱量等を計算できる。
6週 2.熱力学の第2法則 (1)熱力学の第2法則を説明できる。
7週 (2) サイクルの意味を理解し,熱機関の熱効率を計算できる.
8週 【中間試験】
4thQ
9週 (3) カルノーサイクルの状態変化を理解し,熱効率を計算できる.
10週 (4) エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。
11週 (5) サイクルをT-s線図で表現できる。
12週 3.スターリングサイクル(実用機関)
(1)スターリングサイクルが説明できる。
13週 (2)実際のβ形スターリングエンジンのP-V線図を作図する諸量の計算ができる。
14週 (3)実際のβ形スターリングエンジンのP-V線図を作図できる。
15週 【定期試験】
16週 【答案返却】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4後1
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4後1
熱力学の第一法則を説明できる。4後2
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4後2
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4後2
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4後3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4後4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4後4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4後5
熱力学の第二法則を説明できる。4後6
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4後7
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4後9
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4後10
サイクルをT-s線図で表現できる。4後11

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合5005000100
基礎的能力000000
専門的能力5005000100
分野横断的能力000000