自動制御

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 自動制御
科目番号 1215H01 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械コース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自動制御(コロナ社)/自動制御(森北出版)
担当教員 川畑 成之

到達目標

1.自動制御およびフィードバック制御の定義・概念を理解し、構成要素を説明できる。
2.基本的な関数のラプラス変換・逆ラプラス変換を求めることができ、微分方程式の解法へ適用することができる。
3.機械システムをブロック線図によってモデル化し、系の伝達関数を求めることができる。
4.制御系の過渡特性・定常特性・周波数特性を求めることがき、その意味を説明できる。
5.複数の安定判別式を理解し、制御系の安定・不安定を判別できるとともに補償器の設計指針について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
到達目標1自動制御および、フィードバック制御の概念と定義を理解し、説明できる。自動制御の種類および、フィードバック制御の構成要素を説明できる。フィードバック制御の定義を説明できる。
到達目標2比較的複雑な関数のラプラス変換・逆ラプラス変換を求め、微分方程式の解法へ適用できる。例題レベルの基本的な関数のラプラス変換・逆ラプラス変換を求め、微分方程式の解法へ適用できる。例題レベルの基本的な関数のラプラス変換・逆ラプラス変換を求めることができる。
到達目標3一般的な力学系等についてブロック線図によるモデル化ができ、伝達関数を求めることができる。ブロック線図が与えられているシステムの簡単化によって伝達関数を求めることができる。単純なブロック線図からシステムの伝達関数を求めることができる。
到達目標4制御系の特性を、過渡特性・定常特性・周波数特性から、課題に適切な値を選択して説明できる。制御系の過渡特性・定常特性・周波数特性を理解し、説明できる。求めるべき特性が明らかな状態で、制御系の過渡特性・定常特性・周波数特性を求めることができる。
到達目標5安定判別法を正しく用いて制御系の安定度を求め、不安定系に対して補償器を設計することができる。複数の安定判別法を理解して制御系の安定・不安定を判別でき、補償器の役割について説明できる。用いるべき安定判別法が指示されている場合に、制御系の安定度を判別できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
フィードバック制御は古典制御理論の根幹をなすだけでなく、現代制御理論を修得するうえでも必須の基礎事項である。本講義ではフィードバック制御の基礎を周波数領域における解析から学び、自動制御系の構想を実現するための設計法を修得するとともに、継続して制御化のための知識を学習する習慣を身に付ける。
授業の進め方・方法:
授業各回終了時,演習問題を自学自習課題として供する.各自復習として課題を解き,提出すること.
また,事前課題としてmanabaを通じたオンライン課題を供する.各自あらかじめ次回の内容を確認して解答すること.
【授業時間30時間+自学自習時間60時間】
注意点:
制御は対象となるモデルの時間領域での応答が既知であることを前提としている。各種力学の基礎を十分に復習しておくこと。
ポートフォリオ評価には【レポート課題(自学自習課題)】【オンライン復習テスト】の評価が含まれる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 フィードバック系の構成 自動制御とは何かを理解し、フィードバック系の構成要素を説明できる。
2週 ラプラス変換 各種関数のラプラス変換を求めることができる。
3週 逆ラプラス変換 各種関数の逆ラプラス変換を求めることができる。
4週 ラプラス変換の応用 ラプラス変換を微分方程式の解法へ適用できる。
5週 動的システムと伝達関数 システムをモデル化し、伝達関数を求め、ブロック線図に表わすことができる。また、ブロック線図の簡単化から伝達関数を求めることができる。
6週 過渡特性 システムの過渡応答を理解し、インパルス応答および、ステップ関数を求めることができる。
7週 周波数応答1 周波数応答関数を理解し、システム解析の手法としてベクトル軌跡を求めることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 周波数応答2 システム解析手法としてボード線図を作成することができる。
10週 安定性1 システムの安定条件を理解し、ラウス・フルビッツの安定判別法を用いてシステムの安定・不安定を判別できる。
11週 安定性2 ベクトル軌跡を使った安定判別法によってシステムの安定・不安定を判別し、安定度を求めることができる。
12週 応答特性と仕様1 定常偏差を求め、システムの応答特性を分析することができる。
13週 応答特性と仕様2 周波数応答制御仕様を表す、各種パラメータを求めることができる。
14週 補償器とPID制御1 補償器を用いた制御系設計における設計指針を説明できる。
15週 補償器とPID制御2 PID制御を理解し、簡単なパラメータ設計ができる。
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4後1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4後1
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4後2,後3
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4後4
伝達関数を説明できる。4後5
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4後5
制御系の過渡特性について説明できる。4後6
制御系の定常特性について説明できる。4後12
制御系の周波数特性について説明できる。4後7,後9,後13
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後10,後11

評価割合

中間・定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合7003000100
基礎的能力10000010
専門的能力600300090
分野横断的能力000000