自動制御2

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 自動制御2
科目番号 1215H03 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械コース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 わかりやすい現代制御理論(森北出版)
担当教員 川畑 成之

到達目標

1.システムのモデル化について理解し、状態空間表現を用いてシステムの数式モデルを構築できる。
2.状態遷移行列の性質を理解し、システム行列の固有値による安定性判別ができる。
3.システムの可制御性と可観測性を判定できる。
4.極配置法,最適レギュレータ,折り返し法について理解し、サーボ系を含めたフィードバック制御系を設計できる。
5.オブザーバを理解し、総合的なシステムの設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)
到達目標1比較的複雑なシステムについて状態空間表現を用いて数式モデルを構築できる。基本的なシステムについて状態空間表現を用いて数式モデルを構築できる。状態空間表現について理解し、例題に沿った数式モデルの構築ができる。
到達目標2状態遷移行列を理解し、自ら構築したモデルの安定性をシステム行列の固有値を用いて判定できる。システム行列の固有値とシステムの安定性の関係を理解し、与えられたモデルの安定性を判別できる。システム行列の固有値が与えられたときに、システムの安定性を判別できる。
到達目標3可制御性と可観測性について理解し、様々な手法によって可制御性と可観測性を解析できる。システムの数式モデルに基づき、可制御性と可観測性について解析できる。行列のランクと可制御性・可観測性との関係を理解し、解析できる。
到達目標4各システムに適切な設計手法を用いてフィードバック制御系を設計できる。指定された設計手法を用いてフィードバック制御系を設計できる。各種設計手法を用いたフィードバック制御系の設計を例題に沿って行うことができる。
到達目標5オブザーバを理解し、自ら設計手順を立て、倒立振子を対象とした総合的なシステム設計ができる。オブザーバを理解し、定められた手順に従って、倒立振子を対象としたシステム設計ができる。オブザーバを理解し、個々の段階の例題に沿って倒立振子を対象としたシステム設計ができる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
すでに学んだ古典制御理論は周波数領域でシステムを表現するものであったが、原則として1入力1出力系に適用されるものであり、多入力多出力の複雑なシステムに適用することは困難であった。本講義を通して複雑なシステムへの適用が可能な現代制御理論の基礎を学び、最先端の制御理論を継続的に学んでいくための素養を修得する。
授業の進め方・方法:
授業各回終了時、演習問題を自学自習課題として供する。各自復習として課題を解き、提出すること。
また、事前課題としてmanabaを通じたオンライン課題を供する。各自あらかじめ次回の内容を確認して解答すること。
授業では各自が調査した内容を報告し、相互に理解を深める方法で進める。担当部分の十分な予習が求められる。
【授業時間30時間】
注意点:
ポートフォリオ評価には【レポート課題】【オンライン課題】の評価が含まれる。
各自の担当部分に関する口頭報告に対して【発表・取り組み姿勢】の評価を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 古典制御理論と現代制御理論
状態空間表現
古典制御理論と現代制御理論の違いについて理解し、説明できる。
状態空間表現について理解し、簡単なシステムの表現ができる。
2週 状態遷移行列と安定性判別1 システムの状態遷移行列を求め、システムの時間応答を求めることができる。
3週 状態遷移行列と安定性判別2 状態遷移行列のモード展開について理解し、固有値からシステムの安定性を判別できる。
4週 座標変換 線形システムの座標変換と正準形について理解し、行列の対角化ができる。
5週 可制御性 可制御性行列を導くことができ、可制御であるための条件との関係を説明できる。
6週 可観測性 可観測性行列を導くことができ、可観測であるための条件との関係を説明できる。
7週 行列のランク,双対性 行列のランクを求めることができる。
双対性について理解し、説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 極配置法 極配置法を用いてフィードバック制御系を設計できる。
10週 最適レギュレータ 最適制御について理解し、安定性の判別ができる。
11週 折り返し法 折り返し法について理解し、制御系の設計ができる。
12週 サーボ系 サーボ系について理解し、設計条件を説明できる。
13週 オブザーバ オブザーバについて理解し、簡単なシステムのオブザーバを設計できる。
14週 システム設計演習1 倒立振子を対象としたシステム設計ができる。
システムを数式モデルに表し、各種特性を知ることができる。
15週 システム設計演習2 倒立振子を対象としたシステム設計ができる。
最適レギュレータを用いたフィードバック系の設計ができる。
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間・定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合70020100100
基礎的能力10000010
専門的能力6002010090
分野横断的能力000000