概要:
機械工学実験は、座学で学んだ事柄の実証である。本講義は機械工学に関連した力学的現象の性質を調べたり、ものづくりを通じて機械の性能試験を行うことによってその仕組みを理解し、実験技術を習得することを目標とする。第4週~第6週の実験では企業で火力発電用ボイラの設計基準の研究を担当していた教員が,その経験を活かし、応力・ひずみ計測,解析の手法について実験形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
機械工学に関する5つの分野について実験を行い、レポート作成を行う。 この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポート提出を課します。
【授業時間30時間+自学自習時間60時間】
注意点:
実験テーマの内容を理解するところから興味が湧いてくる。その点で、実験前にあらかじめ関連する分野について調べ、内容を理解することが望ましい。実験の遂行、データの整理も重要であるが、実験前に対する考察が特に大切である。文献での調査はもちろんのこと、自らの創造力も発揮してレポート作成に取り組んでほしい。また、期限内にレポート作成を行うことも課題の一つである。日程や履修方法の詳細については別資料を配布するのでよく確認すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
スターリングエンジン実験(理解と準備) |
スターリングサイクル理論を理解し,図面寸法から理論P-V線図の作図を行い,予想動力計算を行うことができる。
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2週 |
スターリングエンジン実験(実験と比較) |
運転中のシリンダー圧力P,体積V,温度Tを測定し,実際のP-V線図を描き,実動力を計算できる。
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3週 |
スターリングエンジン実験(考察・まとめ) |
理論と実際の相違とともに,エンジン効率向上策を理論計算式から考察し,実験に関してレポートにまとめることができる。
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4週 |
両端支持はりのひずみ計測実験
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ひずみゲージを利用して、材料のひずみを静ひずみ計を用いて計測できる。
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5週 |
片持はりのひずみ計測実験 |
動ひずみ計を用いて片持はりに生じるひずみを測定し,はり材料の弾性率を求めることができる。
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6週 |
切欠き付き平板のひずみ分布の測定実験 |
ロゼットゲージを用いて切欠き材のひずみ分布を測定し,応力集中係数を求めることができる。
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7週 |
金属材料実験 鋼の熱処理 |
炭素鋼の熱処理の操作について座学で学んだ内容を理解できる。
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8週 |
金属材料実験 鋼の熱処理 |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
金属材料実験 鋼の熱処理 |
炭素鋼の顕微鏡組織観察ができる。
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10週 |
機械力学実験 振動計測の基礎 固有振動モードの計測 |
FFTを活用して片持ちはりの固有振動数を同定できる。
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11週 |
機械力学実験 振動計測の基礎 固有振動モードの計測 |
機械力学の知識を活用し、異方性材料の固有振動モード試験ができる。
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12週 |
機械力学実験 振動計測の基礎 固有振動モードの計測 |
実験結果から固有振動モードの制振・防振への活用方法を考察できる。
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13週 |
システム工学実験 シーケンス制御の概要 |
シーケンス制御を含む主な自動制御の概略を説明できる。
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14週 |
システム工学実験 基礎的なラダー回路 |
自己保持回路・先行優先回路などの基礎的なラダー図を記述できる。
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15週 |
システム工学実験 製品選別を行うラダー回路 |
製品の良・不良選別を行うラダー図を記述できる。
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16週 |
答案返却 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
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2週 |
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3週 |
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4週 |
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5週 |
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6週 |
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7週 |
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8週 |
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 4 | 前1,前5 |
分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | 前1,前4,前7,前10,前13 |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | 前2,前5,前8,前11,前14 |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 3 | 前3,前6,前9,前12,前15 |
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前15 |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 3 | 前3,前6,前9,前12,前15 |