電気回路論2

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路論2
科目番号 1313A01 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 入門電気回路 基礎編(オーム社)/電気回路論問題演習詳解(電気学会)
担当教員 香西 貴典

到達目標

1.複素記号法(フェーザ)を用いてベクトル図を作成し、回路解析の諸定理を利用して交流回路の計算ができる。
2.共振回路や結合回路の計算ができる。
3.対称三相交流回路の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベル(優)標準的な到達レベル(良)最低限の到達レベル(可)
到達目標1回路について、各法則を正しく適用して解析できる。電気回路における電圧、電流、インピーダンス、電力について、フェーザを用いて計算できる。電気回路における電圧、電流、インピーダンス、電力について、フェーザ表示を説明できる。
到達目標2電気回路の各成分において、周波数変化を考慮したベクトル軌跡を書くことができる。電圧、電流、インピーダンス、アドミタンスについてベクトル図を書くことができる。電圧、電流、インピーダンス、アドミタンスについてベクトル関係を説明できる。
到達目標3ベクトル図や共振曲線を用いて,電流と電圧の関係を説明することができる。直列共振、並列共振回路において、共振周波数を求めることができる。直列共振、並列共振現象について説明することができる。
到達目標4ブリッジ回路などに含まれるコイルにおいて発生する相互誘導現象について解析できる。コイルが2つ設置された場合の相互誘導現象について解析できる.電流や相互インダクタンスを求めることができる。コイルが2つ設置された場合の相互誘導現象を説明することができる。
到達目標5対称三相回路において、ベクトル図を書き、電圧、電流等の関係について説明できる。対称三相回路の基本的性質を用いて,電圧,電流,電力を計算で求めることができる。対称三相回路において起電力の発生メカニズムなどを説明できる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この科目では、電気電子工学の基礎となる電気回路論のうち、交流回路の解析法及び回路解析の諸定理について学び、交流回路について理解すると共に、動作解析のための応用力を養うことを目的とする。
授業の進め方・方法:
回路計算に関連する諸定理の有意性を十分に理解すると共に、演習問題を数多く解く。
黒板への板書を中心とした座学形式で授業を進める。
内容確認のために課題を出す。
注意点:
2年で学習する電気回路論、数学Bの知識を前提として授業を進めるので、よく復習をしておいてほしい。
また、電気機器工学をはじめとして、授業内容が他の専門科目と密接な関わりをもつ科目であることから、授業で不明な点が出た場合には積極的に質問して、その解決に努めてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 記号法による交流回路の計算 交流回路をフェーザ表示し、インピーダンス・アドミタンスを計算できる
2週 記号法による交流回路の計算 直列回路・並列回路についてフェーザを用いて計算できる。
3週 記号法による交流回路の計算 直列回路・並列回路についてフェーザを用いて計算できる。
4週 記号法による交流回路の計算 直列回路・並列回路についてフェーザを用いて計算できる。
5週 記号法による交流回路の計算 交流の皮相電力、有効電力、無効電力、力率について計算できる。
6週 記号法による交流回路の計算 交流の皮相電力、有効電力、無効電力、力率について計算できる。
7週 記号法による交流回路の計算 交流ブリッジの計算ができる。
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 交流回路に関する諸定理 キルヒホッフの法則を用いて交流回路の計算ができる。
10週 交流回路に関する諸定理 キルヒホッフの法則を用いて交流回路の計算ができる。
11週 交流回路に関する諸定理 網目電流法や接点電位法を用いて計算ができる。
12週 交流回路に関する諸定理 網目電流法や接点電位法を用いて計算ができる。
13週 交流回路に関する諸定理 重ね合わせの理、鳳ーテブナンの定理、帆足ーミルマンの定理を理解し、計算できる。
14週 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡の意味を理解し、R-L回路、R-C回路のベクトル軌跡を記述できる。
15週 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡の意味を理解し、R-L回路、R-C回路のベクトル軌跡を記述できる。
16週 【前期末試験】
後期
3rdQ
1週 共振回路と相互インダクタンス回路 直列共振回路において直列共振の条件を導出することができる.また,共振周波数の計算ができる.
2週 共振回路と相互インダクタンス回路 共振曲線において,リアクタンスと周波数の変化に対する電流の変化が説明できる.
3週 共振回路と相互インダクタンス回路 線鋭度と選択度をそれぞれ計算で求めることができる.
4週 共振回路と相互インダクタンス回路 並列共振回路において共振周波数や共振電流などを求めることができる.
5週 共振回路と相互インダクタンス回路 相互誘導回路において相互誘導現象を説明することができる.
6週 共振回路と相互インダクタンス回路 相互誘導回路をキルヒホッフの法則などを用いて電流などを求めることができる.
7週 共振回路と相互インダクタンス回路 相互誘導回路の等価回路を書くことができる.直列インダクタンスの合成が計算できる.
8週 【後期中間試験】
4thQ
9週 三相交流回路 三相起電力や三相電力をベクトル表示や直行座標表示で表すことができる.Y結線におて,電圧や電流を計算で求めることができる.
10週 三相交流回路 Y結線において,電圧や電流を計算で求めることができる.ベクトル図を用いて,電圧と電流の関係を図示し,説明できる.
11週 三相交流回路 Δ結線において,電圧や電流を計算で求めることができる.
12週 三相交流回路 Δ結線において,電圧や電流を計算で求めることができる.ベクトル図を用いて,電圧と電流の関係を図示し,説明できる.
13週 三相交流回路 電源と負荷においてYとΔを変換し,計算することができる.三相電力を計算で求めることができる.
14週 三相交流回路 二相電力法を理解し、電力測定に利用することができる。
15週 三相交流回路 二相電力法を理解し、電力測定に利用することができる。
16週 【学年末試験】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前1
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4前1
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前3,前4,前9,前10
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2前2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4後1,後2,後3,後4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。2後5,後6
理想変成器を説明できる。2後7
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前5,前6
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4前13
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4前11,前12
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4前11,前12
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4前13
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後9,後10,後11,後12
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4後13
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4後9,後10,後11,後12
計測ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。2前7
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3前5,前6
電力量の測定原理を説明できる。3前6

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合8000020100
基礎的能力000000
専門的能力8000020100
分野横断的能力000000