電気計測

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気計測
科目番号 1313F01 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気・電子計測(森北出版)
担当教員 松本 高志

到達目標

1.計測の基礎知識として計測方法、誤差、単位系について説明および分類できる。
2.指示計器の動作原理を理解し、電流・電圧測定について説明でき、的確な指示計器を選定できる。
3.抵抗、インピーダンスの測定原理を説明できる。
4.電力、電力量の測定原理を理解し、オシロスコープ波形測定方法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベル(可)
到達目標1計測の基礎知識として計測方法、誤差、単位系について説明および分類ができ、誤差を考慮して測定値を処理できる。計測の基礎知識として計測方法、誤差、単位系について説明および分類できる。計測の基礎知識として計測方法、誤差、単位系について理解できる。
到達目標2指示計器の動作原理を理解し、電流・電圧測定について説明でき、的確な指示計器を選定でき、条件に合わせて測定範囲を拡大できる。指示計器の動作原理を理解し、電流・電圧測定について説明でき、的確な指示計器を選定できる。指示計器の動作原理を理解し、電流・電圧測定について理解できる。
到達目標3抵抗、インピーダンスの測定原理を説明でき、的確な測定原理を選定して測定できる。抵抗、インピーダンスの測定原理を説明できる。抵抗、インピーダンスの測定原理を理解できる。
到達目標4電力、電力量の測定原理を説明でき、リサージュ図形から位相差を測定できる。電力、電力量の測定原理を理解し、オシロスコープ波形観測方法を説明できる。電力、電力量の測定原理、オシロスコープ波形観測方法を理解できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気計測の基礎理論と指示計器および各種電気量の測定方法を理解することは、電気技術者の基本である。
本講義を通して、電気・電子計測に関する基礎理論や必要な知識・手法を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
・講義を中心に授業を進めるが、ペアやグループでの学び合いも行う。
・理解度の確認のために課題を出す。
注意点:
電気回路や電気磁気学などの電気系基礎科目で学んだことが、計測器に応用されています。丸暗記ではなく、電気系基礎理論と測定原理を関連づけて理解して欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測の基礎 電気量の計測について簡単に説明できる。
2週 計測の基礎 測定方法の分類と測定誤差、精度を説明できる。
3週 計測の基礎 最小2乗法により回帰直線を求めることができる。
4週 計測の基礎 誤差の伝搬を考慮して計測値を処理できる。
5週 計測の基礎 有効数字を考慮して計測値を処理できる。
6週 単位系と標準 SI単位系および計量標準のトレーサビリティについて説明できる。
7週 電気量の標準 電気量の標準および標準器について説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 指示計器の分類・構成 指示計器を分類できる。
指示計器の構成要素について説明できる。
10週 指示計器の原理 可動コイル形計器および可動鉄片形計器の動作原理と特徴を説明できる。
交流の平均値と実効値を計算できる。
11週 指示計器の原理 電流力計形・整流形・熱電形・静電形計器それぞれの動作原理と特徴を説明できる。
12週 まとめ・演習
13週 測定範囲の拡大 分流器・倍率器・計器用変圧器・計器用変流器を用いて測定範囲の拡大を行える。
14週 電位差計・検流計 電位差計の原理を説明できる
検流計の内部抵抗測定について説明できる
15週 まとめ・演習
16週 期末試験
答案返却時間
後期
3rdQ
1週 抵抗・インピーダンスの測定 低抵抗から高抵抗までの抵抗測定方法について説明できる。
2週 抵抗・インピーダンスの測定 電圧電流計法における誤差を説明できる。
3週 抵抗・インピーダンスの測定 接地抵抗、絶縁抵抗の測定原理を説明できる。
4週 抵抗・インピーダンスの測定 直流ブリッジを使用した抵抗測定を説明できる。
5週 抵抗・インピーダンスの測定 交流ブリッジを使用したインピーダンス測定を説明できる。
6週 抵抗・インピーダンスの測定 インダクタンス・静電容量測定を説明できる。
7週 抵抗・インピーダンスの測定 インダクタンス・静電容量測定を活用して周波数測定を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 電力・力率・電力量の測定 直流回路の消費電力測定における誤差について説明できる。
10週 電力・力率・電力量の測定 単相電力計の測定原理を説明できる。
11週 電力・力率・電力量の測定 単相の有効電力、無効電力、力率の測定を説明できる。
12週 電力・力率・電力量の測定 3相交流の有効電力、無効電力、力率の測定を説明できる。
13週 電力・力率・電力量の測定 電力量の測定、積算電力計を説明できる。
14週 信号波形の測定 オシロスコープの原理と波形観測(振幅、周波数、周期)を説明できる。
15週 信号波形の測定 リサージュ図形について説明できる。各種センサーについて説明できる。
16週 期末試験
答案返却時間

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前10
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4後3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3後4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前2
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前2,前3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前1
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前1
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4前10
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前11
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4前15
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4後2
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4後3,後4,後5
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4後8,後10
電力量の測定原理を説明できる。4後11,後12
オシロスコープの動作原理を説明できる。4後13

評価割合

中間・定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合7003000100
基礎的能力00100010
専門的能力700200090
分野横断的能力000000