電気電子材料

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子材料
科目番号 1314D01 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電気・電子材料 中澤他共著(コロナ社)
担当教員 長谷川 竜生

到達目標

1.原子の構造および電子配置、化学結合を関連付けて説明できる。
2.金属の電気的性質について説明でき、移動度や導電率に関する基本的な計算ができる。
3.真性半導体と不純物半導体の違いについて理解できる。
4.誘電分極の特徴および要因について説明できる。
5.常磁性と強磁性の違いについて理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベル標準的な到達レベル最低限の到達レベル
到達目標1原子の構造および電子配置、化学結合を関連付けて説明でき。エネルギーバンド図を描くことができる。原子の構造および電子配置、化学結合を関連付けて説明できる。原子の構造および電子配置を説明できる。
到達目標2金属において電気抵抗の生じる要因について説明でき、各要因による抵抗値の温度依存性を描ける。金属の電気的性質について説明でき、移動度や導電率に関する基本的な計算ができる。金属の導電性は自由電子が担っていることが説明できる。
到達目標3真性半導体と不純物半導体の違いについてフェルミ分布関数を用いて説明できる。真性半導体と不純物半導体の違いについて理解できる。真性半導体に不純物を導入すれば不純物半導体になることが説明できる。
到達目標4誘電体によりコンデンサの静電容量が増加する理由を、誘電分極現象から説明できる。誘電分極の特徴および要因について説明できる。電界を印加すると誘電体が分極することが説明できる。
到達目標5原子の磁気モーメントや伝導電子まで考慮して、常磁性と強磁性の違いについて説明できる。常磁性と強磁性の違いについて理解できる。強磁性体は自発磁化を持つことが説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 本講義は、電気電子工学分野に用いられる材料である、導電材料・半導体材料・磁性材料・誘電体材料などについて学び、それらを利用する場合に必要とされる知識を身につけることを目的とする。特に電気電子技術者にとって必要不可欠な半導体材料に関しては、少し詳しく説明する。
授業の進め方・方法:
 講義形式で授業を進めていく。教科書で不足する内容については、プリント等を配る。この科目は学修単位科目のため、事前事後学習としてレポート等を実施する。
【授業時間30時間+自学自習時間60時間】
注意点:
 半導体材料に関する知識は、様々な電子デバイスを学んでいく上で必要不可欠です。必ず予習・復習を行い、知識の修得に努めて下さい。また、出された課題は必ず自分で考え、解決して下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原子内での電子配置 原子内の電子の量子状態や電子配置を説明できる。
2週 原子間の結合の種類 原子間の結合は、原子内の電子配置と関係があることを理解できる。
3週 導電材料の性質1 電気伝導現象において、移動度・導電率・電気抵抗などの諸量に関する計算ができる。
4週 導電材料の性質2 電気伝導において、抵抗の要因を説明できる。
5週 導電材料の性質 導電材料の種類と性質を説明できる。
6週 抵抗材料の性質 抵抗材料の種類と特徴を理解できる。
7週 半導体のバンド構造 半導体の特徴とエネルギーバンド構造について理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 真性半導体の物性 真性半導体について説明でき、キャリア密度を計算できる。
10週 不純物半導体の物性 不純物半導体の特徴とエネルギーバンド構造について説明できる。
11週 誘電体の電気的性質 電子分極、イオン分極、配向分極について理解できる。
12週 誘電体の応用 強誘電体について説明できる。圧電性、焦電性について説明できる。
13週 磁性の起源 物質の磁性の起源について説明できる。
14週 常磁性物質の性質 キュリーの法則に関する計算ができる。
15週 強磁性物質の性質 キュリー・ワイスの法則に関する計算ができる。
16週 期末試験と返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学原子の構造を説明できる。4前1
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4前1
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4前7,前9
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4前5,前6
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4前9,前10
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3前7

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合8002000100
基礎的能力30050035
専門的能力500150065
分野横断的能力000000