組み込みシステム実習

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 組み込みシステム実習
科目番号 3306 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 情報コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材
担当教員 岡本 浩行,福見 淳二,安野 恵実子

到達目標

1.組み込みマイコンの主要な構成と働きを説明できる。
2.組み込みマイコンで動作するプログラム(C言語)を作成する手順を説明できる。
3.組み込みマイコンに内蔵されている主要な周辺回路を用いる方法がわかる。
4.組み込みマイコンを用いてスイッチやLED、モータなどを制御する方法がわかる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1組み込みマイコンの主要な構成と働きを説明でき、使用できる。組み込みマイコンの主要な構成と働きを説明できる。組み込みマイコンの主要な構成と働きを説明できない。
評価項目2組み込みマイコンで動作するプログラム(C言語)の作成手順を説明でき、マイコンを制御できる。組み込みマイコンで動作するプログラム(C言語)を作成する手順を説明できる。組み込みマイコンで動作するプログラム(C言語)を作成する手順を説明できない。
評価項目3組み込みマイコンに内蔵されている主要な周辺回路を用いる方法がわかり、利用できる。組み込みマイコンに内蔵されている主要な周辺回路を用いる方法がわかる。組み込みマイコンに内蔵されている主要な周辺回路を用いる方法がわからない。
評価項目4組み込みマイコンを用いてスイッチやLED、モータなどを制御する方法がわかり、自在に制御できる。組み込みマイコンを用いてスイッチやLED、モータなどを制御する方法がわかる。組み込みマイコンを用いてスイッチやLED、モータなどを制御する方法がわからない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 本実習では,組み込み用ワンチップマイコンを対象として、その仕組みや利用方法を理解することを目的とし,「組み込みシステム」と連動して授業を実施する。実習ではマイコンプログラムを作成するが,これに用いるC言語は前学年までに学習していないため,最初に演習を通してC言語の学習を行う。マイコンは,入出力用の機能モジュールをチップに内蔵しているが,その利用は基本的にレジスタアクセスによる。最初のマイコンシステムでは,レジスタを直接アクセスする実習を通して組み込みシステムを把握・理解する。次に,近年見られるようになった,ライブラリが準備され直接レジスタをアクセスすることなく各種機能が利用できるようになっているマイコンシステムについて学習する。
授業の進め方・方法:
 基本的には毎回プリントが配布される。プリントには簡単な解説といくつかの設問がある。解説に対する説明は,「組み込みシステム」にて実施する。実習では,プリントの設問に対する解答を記入するとともに実際にプログラムを作成し,動作を確認する。なお,確認の際には,別途計測装置を利用することもあり,プリントにその結果を記録するようになっている。実習の結果,実施できた項目は教員・技術職員によるチェックを受ける。チェック用紙は,レポート課題と一緒になっているが,基本的には全てのチェック項目が充足されなければならない。学生は,実習終了後一定期間のうちにチェックされた用紙をレポート課題と一緒に提出しなければならない。
注意点:
この科目は別に開講される「組み込みシステム」の内容と密接に関係しており、授業で学習した内容を実際に確認することで内容をより理解することを目指す。したがって、授業でよくわからなかったことも、あきらめずに実習に取り組むことが大切である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 C言語(基礎) プログラム記述法,変数宣言,演算子(ビット演算,シフト演算)
2週 データ表現に関する解説と演習 コンピュータにおける記憶データと表現される値との対応が把握できる。
3週 流れ制御に関する解説と演習 分岐,繰り返しなどの記述ができる。
4週 関数に関する解説と演習 関数の記述法,引数,戻り値などの取り扱いがわかる。
5週 変数とメモリの関係に関する解説と演習 変数とメモリ,アドレス演算子
6週 ポインタに関する解説と演習 ポインタ変数,ポインタ変数と配列
7週 ポインタ変数と関数の引数,ポインタのポインタ
8週 前期中間試験 (実施しない)
2ndQ
9週 PCプログラムからマイコンのプログラムへ 開発環境操作手順が把握できている。
10週 ディジタルI/Oの基礎 マイコンのディジタル信号入出力の方法を理解する。
11週 ディジタル入出力により、スイッチ入力・LED点灯制御法がわかる。
12週 カウント・タイマ
パルス波形制御
外部入力・内部クロックによるカウンタの動作・利用方法がわかる。
13週 カウンタ・タイマを用い、スイッチ押下回数や時間計測法がわかる。
14週 A/D変換1 A/D変換の基本的な機能,変換手順がわかる。
可変抵抗器による電圧変更とその計測
15週 復習 マイコンによるディジタル入出力,カウンタ・タイマの取り扱い方法がわかる。
16週 A/D変換2 明るさセンサによる明るさ計測ができる。
後期
3rdQ
1週 D/A変換 のこぎり波の生成を通し,D/A変換の基本的な機能,変換手順がわかる。
2週 波形の周波数や出力範囲を考慮したプログラムが作成できる。
3週 パルス波形制御 内蔵のタイマ・カウンタを用いたPWM波の発生方法・考え方がわかる。
4週 PWM波の制御によるRCサーボの角度制御ができる。
5週 ステッピングモータ制御 ステッピングモータの基本的な構造を把握し,その制御方法がわかる。
6週 通信によるデータ交換 マイコンとPCの間で通信できる。
7週 復習 D/A変換,PWM,ステッピングモータ制御,通信などについて理解する。
8週 【後期中間試験】 (実施しない)
4thQ
9週 ARMマイコンシステム概説 ARMマイコンシステムの利用法を把握する。
10週 ディジタル入出力 LED点灯制御,スイッチ検出の方法がわかる。
11週 タイマ割り込み タイマ割り込みの方法がわかる。
12週 A/D変換 A/D変換を利用したプログラムが作成できる。
13週 PWM PWMによるDCモータの速度調整ができる。
14週 LCD制御 LCD表示制御ができる。
15週 復習 ARMマイコンシステムの各種基本プログラム作成方法を把握する。
16週 総まとめ 総合的な理解度をチェックし,自己評価する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力000025025
専門的能力000075075
分野横断的能力0000000