基礎化学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 基礎化学
科目番号 1412A02 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 改訂 高等学校化学(第一学習社)
担当教員 杉山 雄樹,鄭 涛

到達目標

有機化学
1-1.有機化合物全般の特徴を理解し,分類法と官能基の種類を修得する。
1-2. 脂肪族炭化水素の命名法や個々の物質の性質はもとより,単結合,二重結合,三重結合などの分子の構造に基づく有機化合物の考え方を修得する。
1-3. 酸素を含む有機化合物の代表として、アルコール,エーテル,アルデヒド,ケトン,カルボン酸,エステルなどについて特徴的な性質を修得する。
1-4. 芳香族化合物は特異的な原子集団であることを理解し,ニトロ化,スルホン化,ハロゲン化などの主要な反応と,それらによりつくられる代表的な化合物の性質を修得する。

理論化学
2-1.物質の三態を比較し、それぞれの特徴を習得する。物質の状態とその変化とエネルギーとの関係を習得する。
2-1.結晶構造の種類とその性質の特徴について習得する。結晶における構成粒子の配列の仕方を習得する。
2-1.気体の性質を習得する。一定量の気体の体積・圧力・温度が気体定数との関係を習得する。
2-1.様々の溶液の性質を習得する。物質が溶媒に溶解するしくみと溶解度を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学の教科書内の有機化学に関する基礎的な名称・構造・特徴・反応を全て説明することができる。化学の教科書内の有機化学に関する基礎的な名称・構造・特徴・反応を7割程度説明することができる。化学の教科書内の有機化学に関する基礎的な名称・構造・特徴・反応を説明することができない。
評価項目2化学の教科書内の物質の状態に関する気体・結晶・溶液の性質を全て説明することができ、気体の分子量・結晶格子の密度・溶液の濃度などに関する計算が全てができる。化学の教科書内の物質の状態に関する気体・結晶・溶液の性質を7割程度説明することができ、気体の分子量・結晶格子の密度・溶液の濃度などに関する計算が7割程度できる。化学の教科書内の物質の状態に関する気体・結晶・溶液の性質を説明することができない。気体の分子量・結晶格子の密度・溶液の濃度などに関する計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次からのスタートする大学課程の専門分野は,高等学校化学が土台になっている。本講義は高校範囲を含めた大学課程への橋渡し的な科目として
位置付けており,化学を学ぶ者の「基礎」および「土台」であることを意識して,2年次においてしっかりと化学の基礎を身につけてもらう。
授業の進め方・方法:
授業計画の順序にほぼ沿って授業を進めていく。 また、理解を深めるために演習課題のレポートの提出,授業期間中に数回の小テストを行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機化合物の特徴と分類 有機化合物全般の特徴を理解し,分類法と官能基の種類を説明出来る。
2週 有機化合物の分析 有機化合物の分離や精製法を学び,成分元素の検出法や定量的な元素分析を説明出来る。
3週 飽和炭化水素 アルカン,シクロアルカンの種類と命名法,立体構造や性質が説明出来る。
4週 不飽和炭化水素1 アルケン,シクロアルケンの種類と命名法,立体構造や性質が説明出来る。
5週 不飽和炭化水素2 アルキンの種類と命名法,立体構造や性質が説明出来る。
6週 アルコールとエーテル アルコールとエーテルの種類と命名法,性質が説明出来る。
7週 アルデヒドとケトン アルデヒドとケトンの種類と命名法,性質が説明出来る。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 カルボン酸 カルボン酸の種類と命名法,性質および,鏡像異性体の説明が出来る。
10週 エステルと油脂 エステルの種類と命名法,性質の説明が出来る。また,油脂やセッケンの構造や性質を説明出来る。
11週 芳香族炭化水素 芳香族炭化水素の命名法,性質,芳香族特有の反応が説明出来る。
12週 フェノール類 フェノール類の種類と命名法,性質が説明出来る。
13週 芳香族カルボン酸 芳香族カルボン酸の種類と命名法,性質が説明出来る。
14週 芳香族アミンとアゾ化合物
芳香族アミン,アゾ化合物の種類と命名法,性質が説明出来る。
15週 有機化合物の分離 有機化合物の官能基の性質を利用し,分離できることを説明出来る。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 化学結合と結晶の種類 結晶の種類と特徴を説明できる。
2週 金属結晶の構造 面心立方格子などの格子の特徴と密度などの計算ができる。
3週 イオン結晶、共有結合の結晶の構造 イオン結晶、共有結合の結晶の構造につてい説明できる。
4週 分子間力と分子結晶 ファンデルワールス力、静電的引力、水素結合などについて説明できる。
5週 物質の三態とその変化 物質の状態変化と熱の出入りについて理解し、熱量の計算ができる。
6週 気体分子の熱運動と圧力、飽和蒸気圧と蒸気圧曲線 大気圧と大気圧の測定方法を理解できる。状態図と蒸気圧曲線を理解できる。
7週 物質の融点・沸点と化学結合 物質の沸点や融点を分子間力や化学結合と関連づけて理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 気体の体積変化 ボイル・シャルルの法則を理解でき、気体の体積と圧力の計算ができる。
10週 気体の状態方程式 気体定数と気体の状態方程式を理解し、分子量の計算をできる。ドルトンの分圧の法則を理解し、混合気体の平均分子量などを計算できる。
11週 理想気体と実在気体 理想気体と実在気体の違いについて説明できる。
12週 溶解と溶液 物質が溶媒に溶解する仕組みを理解し、固体の溶解度や結晶水に関する計算ができる。
13週 気体の溶解度 ヘンリーの法則を利香椎、気体の溶解度に関する計算ができる。
14週 稀薄溶液の性質 蒸気圧降下、沸点上昇などの性質を理解し、これらの性質を利用した分子量に関する計算ができる。
15週 コロイド コロイドの定義、コロイド溶液の生成とその特性について説明できる。
16週 後期期末試験
答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。2
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。2
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。2
無機化学金属結合の形成について理解できる。2
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。2
配位結合の形成について説明できる。2
水素結合について説明できる。2

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合7000030100
基礎的能力600002080
専門的能力100001020
分野横断的能力000000