無機化学基礎

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機化学基礎
科目番号 1412B10 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 化学コース 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 改訂 高等学校化学(第一学習社)
担当教員 鄭 涛

到達目標

1.結晶構造の種類とその性質の特徴について習得する。結晶における構成粒子の配列の仕方を習得する。
2.物質の三態を比較し、それぞれの特徴を習得する。物質の状態とその変化とエネルギーとの関係を習得する。
3.気体の性質を習得する。一定量の気体の体積・圧力・温度が気体定数との関係を習得する。
4.様々の溶液の性質を習得する。物質が溶媒に溶解するしくみと溶解度を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学結合や結晶における構成粒子の配列の仕方を全て説明することができ、気結晶格子の密度などに関する計算が全てができる。化学結合や結晶における構成粒子の配列の仕方を説明することができ、気結晶格子の密度などに関する計算が7割ができる。化学結合や結晶における構成粒子の配列の仕方を説明することができない。気結晶格子の密度などに関する計算ができない。
評価項目2物質の状態とその変化をエネルギーや構成粒子の挙動を用いて全て説明することができ、蒸気圧などに関する計算が全てができる。物質の状態とその変化をエネルギーや構成粒子の挙動を用いて説明することができ、蒸気圧などに関する計算が7割ができる。物質の状態とその変化をエネルギーや構成粒子の挙動を用いて説明することができない。蒸気圧などに関する計算ができない。
評価項目3気体の体積、圧力、温度の関係を全て説明することができ、気体の圧力や分子量などに関する計算が全てができる。気体の体積、圧力、温度の関係を説明することができ、気体の圧力や分子量などに関する計算が7割ができる。気体の体積、圧力、温度の関係を説明することができない。気体の圧力や分子量などに関する計算ができない。
評価項目4溶解の仕組みや溶液の性質を全て説明することができ、溶液の濃度などに関する計算が全てができる。溶解の仕組みや溶液の性質を説明することができ、溶液の濃度などに関する計算が7割ができる。溶解の仕組みや溶液の性質を説明することができない。溶液の濃度などに関する計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年次からのスタートする大学課程の専門分野は,高等学校化学が土台になっている。本講義は高校範囲を含めた大学課程への橋渡し的な科目として
位置付けており,化学を学ぶ者の「基礎」および「土台」であることを意識して,2年次においてしっかりと化学の基礎を身につけてもらう。
授業の進め方・方法:
授業計画の順序にほぼ沿って授業を進めていく。 また、理解を深めるために演習課題のレポートの提出,授業期間中に数回の小テストを行う。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 化学結合と結晶の種類 結晶の種類と特徴を説明できる。
2週 金属結晶の構造 面心立方格子などの格子の特徴と密度などの計算ができる。
3週 イオン結晶、共有結合の結晶の構造 イオン結晶、共有結合の結晶の構造につてい説明できる。
4週 分子間力と分子結晶 ファンデルワールス力、静電的引力、水素結合などについて説明できる。
5週 物質の三態とその変化 物質の状態変化と熱の出入りについて理解し、熱量の計算ができる。
6週 気体分子の熱運動と圧力、飽和蒸気圧と蒸気圧曲線 大気圧と大気圧の測定方法を理解できる。状態図と蒸気圧曲線を理解できる。
7週 物質の融点・沸点と化学結合 物質の沸点や融点を分子間力や化学結合と関連づけて理解できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 気体の体積変化 ボイル・シャルルの法則を理解でき、気体の体積と圧力の計算ができる。
10週 気体の状態方程式 気体定数と気体の状態方程式を理解し、分子量の計算をできる。ドルトンの分圧の法則を理解し、混合気体の平均分子量などを計算できる。
11週 理想気体と実在気体 理想気体と実在気体の違いについて説明できる。
12週 溶解と溶液 物質が溶媒に溶解する仕組みを理解し、固体の溶解度や結晶水に関する計算ができる。
13週 気体の溶解度 ヘンリーの法則を理解し、気体の溶解度に関する計算ができる。
14週 稀薄溶液の性質 蒸気圧降下、沸点上昇などの性質を理解し、これらの性質を利用した分子量に関する計算ができる。
15週 コロイド コロイドの定義、コロイド溶液の生成とその特性について説明できる。
16週 後期期末試験
答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
配位結合の形成について説明できる。4
水素結合について説明できる。4

評価割合

定期試験小テストレポート・課題発表その他合計
総合評価割合7000030100
基礎的能力600002080
専門的能力100001020
分野横断的能力000000