到達目標
1.化学結合の概念、酸と塩基について基礎知識を修得する。
2.命名法の基礎知識を修得する。
3.置換反応、脱離反応、付加反応機構を理解する。
4.芳香族性を理解し、芳香族化合物の反応の基礎知識を修得する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標1 | 原子構造および共有結合・イオン結合の仕組みが的確に説明でき、酸・塩基反応の仕組みが的確に説明できる。 | 原子構造および共有結合・イオン結合の仕組みが説明でき、酸・塩基反応の仕組みが説明できる。 | 原子構造および共有結合・イオン結合の仕組みが説明できず、酸・塩基反応の仕組みが説明できない。 |
到達目標2 | 化合物の構造と命名が書ける。 | 化合物の構造と命名が7割書ける。 | 化合物の構造と命名が書けない。 |
到達目標3 | 官能基ごとに分類した化合物の置換反応、脱離反応、付加反応の反応機構を論理的に誘導できる。 | 官能基ごとに分類した化合物の置換反応、脱離反応、付加反応の反応機構を誘導できる。 | 官能基ごとに分類した化合物の置換反応、脱離反応、付加反応の反応機構を誘導できない。 |
到達目標4 | 芳香族化合物の特性を説明でき、求電子置換反応とその反応機構を的確に説明できる。 | 芳香族化合物の特性を説明でき、求電子置換反応とその反応機構を説明できる。 | 芳香族化合物の特性を説明できず、求電子置換反応とその反応機構を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
有機化合物は身の回りの製品や生命体を構成する重要な物質である。これら膨大な数の有機化合物に関する知識を暗記だけに頼り学修するのは不可能である。 しかし、同じような物理的および化学的性質を示す化合物群に分類すれば、有機化合物もそれほど多くの種類はない。
本講義では共通の性質を示す官能基ごとに特徴的な物性・反応・合成および、分子レベルで機能性が異なることの基礎を学修することを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業計画の順序にほぼ沿って授業を進めていく。 有機化学は個々に覚えるべき内容も多いものの、決して暗記が全てではない。
本講義では化学現象が電気陰性度や共鳴、化合物の立体構造に基づいて論理的に説明できることを強調して授業をする。また、理解を深めるために演習課題のレポートの提出,授業期間中に数回の小テストを行う。
注意点:
有機化学は積み重ねが特に大切な学問である。毎回の授業内容を理解せずに、新しい分野を学修しても身につかないことが多い。復習に力を入れて学修すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス/第1章 一般化学の復習1 |
シラバスの説明/原子の構造、イオン結合と共有結合を説明できる。
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2週 |
第1章 一般化学の復習2 |
形式電荷、共有結合の形成を説明できる。
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3週 |
第1章 一般化学の復習3 |
原子軌道 (s、p、d軌道と形)、混成軌道を説明できる。
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4週 |
第2章 酸と塩基 |
pH、pKaおよびLewisの定義が説明できる。
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5週 |
第3章 有機化合物への招待1 |
有機化合物の分類・官能基に基づく分類をすることができる(復習)。 IUPAC規則によるアルカン、シクロアルカン の命名ができる。
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6週 |
第3章 有機化合物への招待2 |
ハロゲン化アルキル、アルコール、およびアミンを分類することができ、物理的性質を説明することができる。
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7週 |
第3章 有機化合物への招待3 |
アルカン・シクロアルカンの立体配座を説明することができる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
中間試験返却・解説 |
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10週 |
第4章 異性体1(シスートランス異性体) |
アルケンの構造とシスートランス異性体を説明することができ、E,Z表記をすることができる。
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11週 |
第4章 異性体2(光学異性体) |
キラルな物質、エナンチオマーを説明できる
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12週 |
第4章 異性体3(光学異性体) |
R,S表記によるエナンチオマーの命名することができる。比旋光度を説明できる。
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13週 |
第4章 異性体4(光学異性体) |
ジアステレオマー、メソ化合物が説明できる。
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14週 |
第5章 アルケン |
アルケンが命名できる。アルケンの安定性の比較、反応性を説明できる。
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15週 |
第5章 アルケン |
アルケンの安定性の比較及び反応性を説明できる。
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16週 |
期末試験返却・解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
第6章 アルケンおよびアルキンの反応1 |
アルケンの求電子付加反応を説明できる。
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2週 |
第6章 アルケンおよびアルキンの反応2 |
水、アルコール類,水素等のアルケンへの付加反応を説明できる。
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3週 |
第6章 アルケンおよびアルキンの反応3 |
アルケンの求電子付加反応における位置選択性を説明できる。
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4週 |
第6章 アルケンおよびアルキンの反応4 |
水、アルコール類,水素等のアルケンへの付加反応における位置選択性を説明できる。
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5週 |
第6章 アルケンおよびアルキンの反応5 |
アルキンの命名ができる。ハロゲン化水素のアルキンへの付加反応、水のアルキンへの付加反応を説明できる。
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6週 |
第6章 アルケンおよびアルキンの反応6 |
水素のアルケン、アルキンへの付加反応、sp炭素に結合している水素の酸性度を説明することができる。
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7週 |
第6章 アルケンおよびアルキンの反応7 |
合成計画を立てるための基礎的な考え方を示すことができる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
中間試験返却・解説/第7章 非局在化電子が化合物の安定性、反応性およびpKaに及ぼす効果1 |
共鳴供与体を書くこと及び説明することができる。
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10週 |
第7章 非局在化電子が化合物の安定性、反応性およびpKaに及ぼす効果2 |
非局在化エネルギーによる共鳴供与体の安定性の予測ができる。
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11週 |
第7章 非局在化電子が化合物の安定性、反応性およびpKaに及ぼす効果3 |
非局在化電子が反応生成物及び、pKaに及ぼす影響を説明できる。
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12週 |
第7章 芳香族性1 |
芳香族性、芳香族の定義が説明できる。
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13週 |
第7章 芳香族性2 |
芳香族求電子置換反応について説明できる。
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14週 |
第7章 芳香族性3 |
配向性に及ぼす置換基の効果を説明できる。
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15週 |
第7章 芳香族性4 |
置換ベンゼン類合成の基礎的な考え方を示すことができる。
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16週 |
期末試験返却・解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 2 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 2 | |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 2 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 2 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 2 | |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 2 | |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 2 | |
共鳴構造について説明できる。 | 2 | |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 2 | |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 2 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 2 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 2 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 2 | |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 2 | |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 2 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 2 | |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 1 | |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 1 | |
評価割合
| 定期試験 | 小テスト | ポートフォリオ | 発表・取り組み姿勢 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 20 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 20 | 0 | 0 | 60 |
専門的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |