有機化学

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 有機化学
科目番号 1413A01 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 マクマリー有機化学概説 第7版(東京化学同人)
担当教員 杉山 雄樹,大谷 卓

到達目標

1.化学結合の概念、酸と塩基について基礎知識を修得する。
2.命名法の基礎知識を修得する。
3.置換反応、脱離反応、付加反応機構を理解する。
4.芳香族性を理解し、芳香族化合物の反応の基礎知識を修得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1原子構造および共有結合・イオン結合の仕組みが的確に説明でき、酸・塩基反応の仕組みが的確に説明できる。原子構造および共有結合・イオン結合の仕組みが説明でき、酸・塩基反応の仕組みが説明できる。原子構造および共有結合・イオン結合の仕組みが説明できず、酸・塩基反応の仕組みが説明できない。
到達目標2化合物の構造と命名が書ける。化合物の構造と命名が7割書ける。化合物の構造と命名が書けない。
到達目標3官能基ごとに分類した化合物の置換反応、脱離反応、付加反応の反応機構を論理的に誘導できる。官能基ごとに分類した化合物の置換反応、脱離反応、付加反応の反応機構を誘導できる。官能基ごとに分類した化合物の置換反応、脱離反応、付加反応の反応機構を誘導できない。
到達目標4芳香族化合物の特性を説明でき、求電子置換反応とその反応機構を的確に説明できる。芳香族化合物の特性を説明でき、求電子置換反応とその反応機構を説明できる。芳香族化合物の特性を説明できず、求電子置換反応とその反応機構を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 有機化合物は身の回りの製品や生命体を構成する重要な物質である。これら膨大な数の有機化合物に関する知識を暗記だけに頼り学修するのは不可能である。 しかし、同じような物理的および化学的性質を示す化合物群に分類すれば、有機化合物もそれほど多くの種類はない。
 本講義では共通の性質を示す官能基ごとに特徴的な物性・反応・合成および、分子レベルで機能性が異なることの基礎を学修することを目的とする。
授業の進め方・方法:
 授業計画の順序にほぼ沿って授業を進めていく。 有機化学は個々に覚えるべき内容も多いものの、決して暗記が全てではない。
 本講義では化学現象が電気陰性度や共鳴、化合物の立体構造に基づいて論理的に説明できることを強調して授業をする。また、理解を深めるために演習課題のレポートの提出,授業期間中に数回の小テストを行う。
注意点:
 有機化学は積み重ねが特に大切な学問である。毎回の授業内容を理解せずに、新しい分野を学修しても身につかないことが多い。復習に力を入れて学修すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス/第1章 構造と結合1 シラバスの説明/電子配置を説明出来る。
2週 第1章 構造と結合2 原子の構造、イオン結合と共有結合を説明できる。
3週 第1章 構造と結合3 形式電荷、共有結合の形成を説明できる。
4週 第1章 酸と塩基1 原子軌道 (s、p、d軌道と形)、混成軌道を説明できる。
5週 第1章 酸と塩基1 pKaおよびBroasted-Lowryの定義が説明できる。
6週 第1章 酸と塩基2 有機酸,有機塩基およびLewisの定義が説明できる。
7週 第2章 アルカン1 IUPAC規則によるアルカン、シクロアルカン の命名ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験返却・解説/第2章 アルカン2 アルカンの立体配座を説明することができる。
10週 第2章 アルカン3 シクロアルカンの立体配座を説明することができる。
11週 第6章 四面体中心における立体化学1 キラルな物質、エナンチオマーを説明できる
12週 第6章 四面体中心における立体化学2 R,S表記によるエナンチオマーの命名することができる。比旋光度を説明できる。
13週 第6章 四面体中心における立体化学3 ジアステレオマー、メソ化合物が説明できる。ラセミ体とエナンチオマーの分割が説明出来る。
14週 第3章 アルケンとアルキン1 IUPAC規則によるアルケンの命名ができる。
15週 第3章 アルケンとアルキン2 アルケンの構造とシスートランス異性体を説明することができ、E,Z表記をすることができる。
16週 期末試験返却・解説
後期
3rdQ
1週 第3章 アルケンとアルキン1 IUPAC規則によるアルキン の命名ができる。
2週 第3章 アルケンとアルキン2 アルケンの求電子付加反応を説明できる。
3週 第3章 アルケンとアルキン3 アルケンへのHXの付加を説明出来る。
4週 第4章 アルケンとアルキンの反応1 水、アルコール類,水素等のアルケンへの付加反応を説明できる。
5週 第4章 アルケンとアルキンの反応2 アルケンの求電子付加反応における位置選択性を説明できる。
6週 第4章 アルケンとアルキンの反応3 アルケンの酸化が説明出来る。アルケンへのラジカルの付加:高分子が説明出来る
7週 第4章 アルケンとアルキンの反応4 ハロゲン化水素のアルキンへの付加反応、水のアルキンへの付加反応を説明できる。sp炭素に結合している水素の酸性度を説明することができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験返却・解説/第4章 アルケンとアルキンの反応5 共鳴を説明出来る。
10週 第4章 アルケンとアルキンの反応6 共役ジエンの反応を説明出来る。
11週 第5章 芳香族化合物1 ベンゼンの構造が説明出来る。芳香族化合物の命名が出来る。
12週 第5章 芳香族化合物2 芳香族求電子置換反応について説明できる。
13週 第5章 芳香族化合物3 Frieden-Crafts反応を説明出来る。芳香族の酸化と還元反応を説明出来る。
14週 第5章 芳香族化合物4 配向性に及ぼす置換基の効果を説明できる。
15週 第5章 芳香族化合物5 芳香族性、芳香族の定義が説明できる。
16週 期末試験返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
電場・電位について説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

定期試験小テストポートフォリオ発表・取り組み姿勢その他合計
総合評価割合8020000100
基礎的能力402000060
専門的能力40000040
分野横断的能力000000