概要:
有機化合物は身の回りの製品や生命体を構成する重要な物質である。これら膨大な数の有機化合物に関する知識を暗記だけに頼り学修するのは不可能である。 しかし、同じような物理的および化学的性質を示す化合物群に分類すれば、有機化合物もそれほど多くの種類はない。
本講義では共通の性質を示す官能基ごとに特徴的な物性・反応・合成および、分子レベルで機能性が異なることの基礎を学修することを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業計画の順序にほぼ沿って授業を進めていく。 有機化学は個々に覚えるべき内容も多いものの、決して暗記が全てではない。
本講義では化学現象が電気陰性度や共鳴、化合物の立体構造に基づいて論理的に説明できることを強調して授業をする。
注意点:
有機化学は積み重ねが特に大切な学問である。毎回の授業内容を理解せずに、新しい分野を学修しても身につかないことが多い。復習に力を入れて学修すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス/第1章 構造と結合1 |
電子配置を説明出来る。
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2週 |
第1章 構造と結合2 |
原子の構造、イオン結合と共有結合を説明できる。
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3週 |
第1章 構造と結合3 |
形式電荷、共有結合の形成を説明できる。
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4週 |
第1章 酸と塩基1 |
原子軌道 (s、p、d軌道と形)、混成軌道を説明できる。
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5週 |
第1章 酸と塩基1 |
pKaおよびBroasted-Lowryの定義が説明できる。
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6週 |
第1章 酸と塩基2 |
有機酸,有機塩基およびLewisの定義が説明できる。
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7週 |
第2章 アルカン1 |
IUPAC規則によるアルカン、シクロアルカン の命名ができる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
中間試験返却・解説/第2章 アルカン2 |
アルカンの立体配座を説明することができる。
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10週 |
第2章 アルカン3 |
シクロアルカンの立体配座を説明することができる。
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11週 |
第6章 四面体中心における立体化学1 |
キラルな物質、エナンチオマーを説明できる
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12週 |
第6章 四面体中心における立体化学2 |
R,S表記によるエナンチオマーの命名することができる。比旋光度を説明できる。
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13週 |
第6章 四面体中心における立体化学3 |
ジアステレオマー、メソ化合物が説明できる。ラセミ体とエナンチオマーの分割が説明出来る。
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14週 |
第3章 アルケンとアルキン1 |
IUPAC規則によるアルケンの命名ができる。
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15週 |
第3章 アルケンとアルキン2 |
アルケンの構造とシスートランス異性体を説明することができ、E,Z表記をすることができる。
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16週 |
期末試験返却・解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
第3章 アルケンとアルキン4 |
IUPAC規則によるアルキン の命名ができる。
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2週 |
第3章 アルケンとアルキン5 |
アルケンの求電子付加反応を説明できる。
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3週 |
第3章 アルケンとアルキン6 |
アルケンへのHXの付加を説明出来る。
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4週 |
第4章 アルケンとアルキンの反応1 |
水、アルコール類,水素等のアルケンへの付加反応を説明できる。
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5週 |
第4章 アルケンとアルキンの反応2 |
アルケンの求電子付加反応における位置選択性を説明できる。
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6週 |
第4章 アルケンとアルキンの反応3 |
アルケンの酸化が説明出来る。 高分子が説明出来る。
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7週 |
第4章 アルケンとアルキンの反応4 |
ハロゲン化水素のアルキンへの付加反応、水のアルキンへの付加反応を説明できる。sp炭素に結合している水素の酸性度を説明することができる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
中間試験返却・解説/第4章 アルケンとアルキンの反応5 |
共鳴を説明出来る。
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10週 |
第4章 アルケンとアルキンの反応6 |
共役ジエンの反応を説明出来る。
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11週 |
第5章 芳香族化合物1 |
ベンゼンの構造が説明出来る。芳香族化合物の命名が出来る。
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12週 |
第5章 芳香族化合物2 |
芳香族求電子置換反応について説明できる。
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13週 |
第5章 芳香族化合物3 |
Frieden-Crafts反応を説明出来る。芳香族の酸化と還元反応を説明出来る。
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14週 |
第5章 芳香族化合物4 |
配向性に及ぼす置換基の効果を説明できる。
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15週 |
第5章 芳香族化合物5 |
芳香族の定義が説明できる。
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16週 |
期末試験返却・解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 2 | 前1 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 2 | 前7,前14,後1,後11 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 2 | 前2,前3 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 2 | 前4 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 2 | 後14 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 2 | 前3 |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 2 | 前1,前6 |
共鳴構造について説明できる。 | 2 | 後9,後10 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 2 | 前1 |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 2 | 後15 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 2 | 前9,前10,前11,前12,前13 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 2 | 前15 |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 2 | 前11,前12,前13 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 2 | 前7,後1,後11 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 2 | 前7,後2,後12 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 2 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後12,後13 |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 1 | 後14 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 1 | 後3,後4,後5,後6,後7,後10,後13,後14 |